見出し画像

阪急の魅力

先日、私の所属している高校の吹奏楽部のOB会の音萌の会から、近況報告という名目で何か書くということがあったために、何か書こうと思ったところ、最近の趣味として阪急について探求していたため、それについて6000字にもわたる文章を書いた。
今回は、その際に書いた文章をそのままここに貼り付けようと思います。
ちなみに、上の画像は私が撮影した阪急の写真です。
それでは

阪急電鉄の魅力

高校を卒業してから、すでに1年以上経過し、音萌の会においても後輩を迎えることとなりましたが、ここに至っても、音萌の会で演奏することが叶わず、とても悲しく思っております。同級生の方、私と関わった先輩方、後輩たち、元気でお過ごしでしょうか。直近で会った人といえば、同級生M氏と、先輩M氏ですね... グランフジのミスタードーナツでドーナツを頬張りながら、たわいもない話をしました。それからはや半年。そこからは同級生と顔を合わせていません。
この4月から、大学のある神戸に転居しました。1回生の間は松山の実家に引きこもり、永遠とオンライン授業を受講する日々でしたが、神戸に転居し、バイトを始め、自炊を楽しみ、好きな時間に好きなことして、まさしく一人暮らしを謳歌しております。ただ、この生活のしんどいところは、誰とも会うことがないことです。前段でも記しましたが、親しい友人と会うことはなかなか叶いません。もちろん関西圏に住む友人もいるですが、このご時世、なかなか遊びに行くと言うことも叶いません。

さて、冒頭に触れてある本題へ移りたいと思います。
今回は、阪急電鉄とその魅力について、ここで語ってみたいと思います。なぜに近況報告で、阪急電鉄について話すのか疑問に思われるでしょう。同級生においてもあまり知らないと思われますが、私はそこそこの鉄道ファンです。(オタクと言うほどではないですが...)と言うよりも鉄道に限らず、交通機関ファンであると言っても良いでしょう。鉄道に限らず、飛行機、船などの交通機関と、それを利用した旅行がとても好きです。交通機関と書きましたのは、車両や機体、船舶に興味があるわけではなく、その運用や経営、特に鉄道については、ダイヤグラムは特に私の興味を惹くところです。私の下宿先は、阪急の某駅に近いところにあり、阪急には日頃から大変お世話になっております。それと同時に最近は阪急の運用やダイヤグラム、経営情報、沿線の観光情報などを仕入れて、自己流のダイヤグラムを組んでみたり、より効果的な運用がないか模索してみたり、コロナが収まり次第すぐにでも行ってみたい観光地を押さえて、旅行計画を立てたりすることをもっぱらの楽しみとしています。ですので、そこで得た情報を皆さんに共有することを以て、近況報告としようと言う試みです。
阪急電鉄は、通称阪急と呼ばれる鉄道会社です。関西に在住の方、または住まれたことのある方では知らない人はいない、と言えるような鉄道会社であると思います。阪急マルーンと呼ばれる特有のカラーリングが施された車体で有名です。阪急は、大手私鉄10社(注1)に数えられるほど規模が大きくその規模は、松山にある伊予鉄とは比べ物にならないものです。会社の規模を端的に示す資産額と純資産額について、貸借対照表(2021年3月決算分)から引用しようと思います。阪急の資産合計は、1,079,622百万円(つまり、1兆796億円ほど)、純資産合計は、201,467百万円(つまり、2014億円ほど)であったのに対して、伊予鉄の資産合計は、37,974,939千円(つまり、379億円ほど)、純資産合計は、25,254,520千円(つまり、252億円ほど)ということであり、資産ベースで見ると30倍、純資産ベースで見ても9倍ほどの差があることが伺えます。(伊予鉄の自己資本比率が、意外に高いなぁなんて思っていますが、それはまた別の機会に)
また、そのグループ会社についても阪急はとても強力です。阪急の親会社は、阪急阪神ホールディングスで、そこに多数の子会社があるという形で成り立っています。その中には、鉄道業以外にも、運輸、不動産、旅行、通信、ホテルなどの多様な業種の会社が入っており、幅広く事業を展開していることがわかります。また、阪急阪神ホールディングスの総合職は、大学生の就職先としても人気で、関西の主要な大学(京大、阪大、神大、関関同立など)の学生でここへの就職を目指している人も多いそうです。ここでグループ名に阪神が入っていることに気づかれた方もいるのではないでしょうか。阪神といえば、野球で有名ですが、その阪神電気鉄道は、以前の阪急ホールディングスに買収されて経営統合され、現在の阪急阪神ホールディングスとなっています。つまり、見方によれば、阪神は阪急の子会社であり、阪神タイガースは、阪急の元にあると言っても過言ではないのです。
それから、阪急グループの一員として有名なのが宝塚歌劇団です。阪急の今津北線に乗って宝塚に向かうと、途中で宝塚大劇場のとても美しい西洋の城のような建物を眺めることができます。宝塚の下級生はここを通る阪急の車両には礼をするとかいうことを、はいだしょうこさんが言っておられるのを、以前テレビで見たような気がします。また映画等で有名な東宝(注2)もグループ会社としてあげられます。
近況報告にもかかわらず、就活生の企業分析の一部のようなものを載せてしまい、申し訳ないのですが、ここからは、阪急についてその魅力をいくつか記したいと思います。
まず一つ目に、その路線の沿線範囲の広さです。阪急は大阪梅田、神戸三宮、京都河原町の3つの地点に駅をもち、それぞれ始発、終着駅としているわけですが、この3箇所は、京阪神エリアの主要な繁華街としてあげられるエリアであり、この3箇所を全て押さえているのは、阪急のみです。これに匹敵する繁華街は、他には難波くらいしかないだろうと考えられます。しかも阪急は、その難波への新線も現在計画段階にあり、これが達成されたならば、関西圏の主要な繁華街へは阪急のみで到達可能ということになります。
また、これらの繁華街だけでなく、高級住宅街として名高い芦屋・夙川(注3)エリア、関西の住みたい街ランキングでいつも上位にある西宮北口駅、前段で触れた宝塚歌劇団が見られる宝塚、大阪のベッドタウンとして挙げられる豊中・吹田・茨木・高槻、超有名な観光名所である嵐山、と言ったようにさまざまなエリアに阪急はその路線を伸ばしています。そして、その路線の総延長は、なんと140kmを超えています。(松山から坂出までの距離がおよそ140kmです) このような長大な路線を有し、さまざまな場所に至ることができる点がまず一つ大きな魅力です。もちろん、複数の鉄道を使えばどこに至ることも可能です。しかし、鉄道会社を跨ぐことによって、初乗り運賃を各会社で払う必要があるため(例外もありますが)距離に対して割高となってしまいます。一社でこの広大な路線を有することで、遠距離でも安く早く移動することを可能にしているわけです。
次に、その速達性です。関西エリアではそのスピードに関しては、JRが圧勝と言われています。しかし、それはJRがとんでもなく速いというだけで、阪急が遅いということではありません。また、乗車区間によっては阪急の方がJRより早いということもあり得ます(注4)。阪急線で、神戸三宮から大阪梅田まで乗車すると、その距離は約30kmですが、所要時間は最速で27分です。つまり、平均時速にして65kmで走っていることとなります。車で追いつける速度ではありません。ちなみに愛媛で言うと、松山駅から海に近い駅と有名になった下灘駅までが28kmであり、電車での最速は44分となっていました。また車での所要時間も40分程度であったので、こちらは車で追いつくことも可能でしょう。また、大阪梅田から京都河原町までは、距離にして45kmのところを最速44分で到着し、こちらも平均時速は60kmを超えています。ちなみに愛媛で言うと、松山駅から今治駅までがほぼ同じ距離で、電車で特急しおかぜ・いしづちを使うと、こちらは35分程度で到着可能なので愛媛に軍配が上がることにはなります。ただ、ここで欠けていることが、松山では1時間に1本のしかない特急に狙って乗りに行く必要があるのに対して、阪急は10分に1本電車がやってくると言うことである。つまり、ある時パッと移動しようと思い立ったとき、到着までに要する時間は阪急に軍配が上がるのではないかと考えられます。
最後にこれが一番大きな魅力であると感じるものがその料金の安さです。阪急における最長乗車区間は、神戸三宮から京都河原町まで乗ることです。この区間は、70kmほど離れていますが、その区間に必要な運賃はわずか630円です。それに加えて特急に乗車しても特急料金等は必要ありません。この70kmと言う距離は、松山からで言うとちょうど八幡浜まで行くぐらいの距離です。松山から特急宇和海を使うと、八幡浜まで2500円必要です。往復移動すると考えると、神戸三宮~京都河原町は1260円であるのに対して、松山~八幡浜は5000円とその差は歴然です。特急に乗らず、運賃だけで考えても松山~八幡浜は1300円であるので、その差は圧倒的です。この場合特急を使わないと言うことになるので時間がとられると言う点も考慮しなくてはなりません。前段で記した、神戸三宮~大阪梅田について、運賃は320円、同じ距離で比較した松山~下灘は560円、大阪梅田~京都河原町の運賃は400円、同じ距離で比較した松山~今治は、特急に乗ると1500円 (運賃のみであると、970円)となっています。つまり、阪急の運賃は、愛媛のJR四国の運賃よりも圧倒的に安く、かつ特急にも乗車でき、速達性も維持していると言うことになります。ちなみに伊予鉄については、横河原~高浜、横河原~郡中港の運賃は730円、距離はいずれも20km程度と、阪急と比較すると目も当てられません。
こうした安い運賃で運営できるのは、他でもなく沿線人口の桁が違うからです。松山は人口50万人と、それなりに多くの人がいますが、鍵となってくるのは、人口20万人以上の中規模都市の数です。こうした中規模都市から、大都市中心にあるオフィスへの通勤や繁華街への移動が主な鉄道利用の理由として考えられます。ちなみに愛媛県には、松山市を除いて、人口20万を超える都市がありません。それに対して、阪急が通っている人口20万以上の都市を挙げると、神戸市(阪急が通っている東灘区、灘区、中央区だけで50万人程度)、西宮市、尼崎市、宝塚市、大阪市(阪急が通っている北区、淀川区、東淀川区だけで45万人程度)、豊中市、吹田市、茨木市、高槻市、京都市(阪急が通っている西京区、下京区、中京区だけで30万人程度)と言ったように、人口20万を超える市町村が沿線に10都市あります。また人口が10万から20万人である都市も数多く、これらの人が通勤通学や遊ぶために繁華街への移動のために利用しているわけですから利用している人数の桁が文字通り違うでしょう。阪急では平日の通勤通学ラッシュ時は5分に一本以上のペースで電車が走っているにも関わらず、どの電車も乗車率100%を超えています。また平日の昼間でも、10分ごとに普通と特急が1本ずつ走っていますが、どの電車も座席の8割ほどは埋まっており、便によっては立っている人も出ています。
このように、さまざまな利点を持つ阪急ですが、そんな阪急といえどもコロナウィルスの影響は甚大でした。2019年4月から2020年3月までの鉄道事業における営業利益は、24,273百万円(つまり242億円の利益)でしたが、2020年4月から2021年3月までの鉄道事業における営業利益は、-587百万円(つまり、5億8700万円の損失)となっています。また、その他事業を含めた当期純利益に関しては、2020年4月から2021年3月期において、2,624百万円(つまり26億円の利益)と黒字ではありますが、前年の当期純利益が27,854百万円(つまり278億円の利益)であることを考えると、そのダメージはかなり大きかったと言えるのではないでしょうか。これから回復してくとは考えられますが、在宅ワークなどが普及すれば、郊外の中規模都市からの通勤という大きな需要を失うこととなり、そうなると運賃を上げる、運行本数を減らす、といった対策を取る必要が出てくるのではないかと思います。実際に、京阪(注5)は、2021年9月からその運行本数を10分に1本から15分に1本へと減らすことが決定しています。京阪もコロナウィルスの影響によって、乗客数が大幅に減少し、大きく営業利益を落としてしまっており、その回復が必要となっている企業です。今後阪急がどのように回復していくのか楽しんで観察していきたいと思っています。

ここまで阪急の魅力について書き記してきました。ここからは、その沿線の観光情報について書こうと思いま... とここで、文字数を見ると下の注釈を含めて6000字近くになっており、このまま観光情報を書き連ねると、とんでもない長文になるため、やめておこうと思います。このページを最後までお読みになっている方などそういないとは思いますが、読んでくださった方には感謝すると共に、阪急に興味を持ったとか、関西にお住まいの方や、またはコロナが落ち着いたら関西に旅行に行きたいという方は、是非ともFacebookやその他SNSで交流したいなと考えています。阪急沿線旅に行ってみたい方には、観光情報の提供や観光案内もしたいなと思っておりますので、気軽に話しかけてください。

それでは、2020年(令和2年)卒業 松本の近況(阪急)報告でした


注1
大手私鉄10社とは、JR(旧国鉄)を除いて、その経営規模、輸送人員、路線の総距離などがとても大きい鉄道会社についてまとめて呼ぶもので、東武、京成、東急、京王、京急、阪急、阪神、京阪、近鉄、南海の10社について呼ぶことが一般的です。これに名古屋の名鉄、福岡の西鉄を合わせて大手12社とまとめることもあります。

注2
東宝は東京宝塚劇場の略から生まれたものです。阪急の創業者である小林一三が阪急の沿線の娯楽施設を作るために生まれたのが現在の宝塚歌劇団であり、その演劇や歌劇といった舞台芸術について東京進出のために生まれたのが東京宝塚劇場であり、現在の東宝につながっています。ですから、現在でも阪急のグループ会社として名を連ねているのです。

注3
夙川は「しゅくがわ」と読みます。関西では有名な難読地名です。阪急の駅名には難読駅名が多く、例えば十三は、「じゅうそう」とよみ、売布神社は、「めふじんじゃ」と読みます。また、その読み方について、小林は「こばやし」ではなく、「おばやし」と読みます。有名であるから読めるものとして烏丸が挙げられますが、初見で「からすま」とは到底読めないでしょう。(今治もこの類かと...)。そして、おそらく一番難易度が高いのが、雲雀丘花屋敷です。これ「ひばりがおかはなやしき」と読むのです。

注4
例えば、神戸市東灘区の岡本・摂津本山エリアから、大阪梅田まで移動することを考えると、阪急ならば岡本~大阪梅田の所要時間は20分、JRならば最速で19分といい勝負です。ちなみに、阪急の岡本駅と、JRの摂津本山駅は約300m程度しか離れておらず、阪急の大阪梅田駅とJRの大阪駅との乗り換えと大差ない距離です。もしかすると、大阪よりも近いかもしれないです。(今度検証してきます)

注5
京阪とは、京阪電気鉄道の略のことです。大阪の淀屋橋から京都の出町柳を結ぶ路線を中心に大阪京都間の輸送を担っています。阪急やJRの路線が淀川の北側を通っているのに対して、京阪は南側を通っており、寝屋川や枚方などのエリアから大阪市内への通勤需要(大阪側の起点の淀屋橋は、大阪市役所に近く、周囲にオフィス等も多い)や京都市内への観光需要(京都の沿線に、伏見稲荷、清水寺、銀閣寺、京都御所などの観光地が多くある)に応えている路線です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?