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「元プロアカペラー」を作った人たち ~岩城の場合~ 第4話 「Hearty-voxその1」

アカペラから始まる卒業式を経て、高校に進学。 アカペラを続けたい、というか、本格的に活動を開始したかった僕は、歌に興味のありそうな者を探す。 が、そう都合よく見付からない。 そりゃ、「アカペラで高みを目指したい」なんて人間、 ある程度アカペラそのものが認知された現在の日本でも、そう見つかりはしないだろう。 さらに僕は人見知りなのである。 この時の自分が「発達障害」というものを理解し、自分がそれに当てはまると知っていたら、また違った道を歩んでいたのかもしれない。 しかし

    • 「元プロアカペラー」を作った人たち ~岩城の場合~ 第3話 「教師D」

      第2話はこちら 友人Tと初めてのアカペラグループを作るべく動き始めた。 興味のありそうな者に声をかけ、楽譜を探し、トライしては失敗。 「やっぱ難しい」とメンバーが抜ける度に新しいメンバーを探し、より簡単そうな楽譜を探したり、自分たちで作ってみたりを繰り返す。 試行錯誤は1年近くに及び、気付けば中学2年も終わろうかというころ。 メンバーは野球部の同学年のキャプテンS、同じく野球部の後輩Y、僕、Tの4人になっていた。 僕らは昼休みに、1階の男子トイレに集まっていた。

      • 新曲(?)公開しました。

        ということで、アップテンポのオリジナルのアカペラを作ることにいたしました。 少し前に作った楽曲に、手を加えたものですが。 「平日を頑張って、楽しみにしてた週末のライブを見に来た人への応援歌」という、限定的なテーマではありますが、 今の僕の気持ちは演奏に込めたつもりです。 客席の皆さんの応援てのは、しっかりステージに届くものです。 どうにかして返したいと思うものです。 何かしら持って帰ってもらいたい。 もちろん皆さんは、自分で選んで来てくださってる訳ですから、それ以上

        • 「元プロアカペラー」を作った人たち ~岩城の場合~ 第2話 「友人T」

          第1話はこちら コンプレックス解消の糸口を、アカペラに見出した僕。 この時に、「音楽」とか「歌」とか、もっと大きな概念に惹かれていたら、恐らく早々に挫折していただろうし、そうでなくてもきっと、「プロ」を名乗るには至っていない気がする。 アカペラだからこそ、僕にも道があったのだ。 兄達のアカペラ演奏を含むミニコンサート終演の直後。 密かな、しかし大きな出会いに僕が心震わせていると、友人が話しかけてきた。 「お兄さんのとこ、あんまりだったねえ」 当時の僕には耳馴染みのない

        「元プロアカペラー」を作った人たち ~岩城の場合~ 第4話 「Hearty-voxその1」

          歌の先生をしています。

          いわゆるボイトレの先生。 始めて数ヶ月ですが、たくさんの気付きがあります。 「声には人柄が出る」とはよく聞きますが、こんなにも?と驚いています。 プロの世界にしばらく居させていただき、たくさんの歌を聞いてきましたが、 そこに居るのはたくさんの修行を重ね、理想の声を作り上げてきた人達。 もちろん、その人それぞれの「理想」に、その人となりが反映されますから、そういう意味で、その人の声はその人を物語る、という解釈をしていました。 今僕が歌を教えているのは、ほとんどが「最近

          歌の先生をしています。

          「元プロアカペラー」を作った人たち ~岩城の場合~ 第1話 「兄」

          長い文章を書く機会を得ると、どうしても半生を振り返りたくなる悪癖がある。 自分が芯から自己顕示欲に支配された人間なのだなぁと、恥ずかしくなる。 今後の文筆活動のためにも、早めに「封じ手」として片付けておこうと思う。 昭和が終わるほんの少し前、東京の調布という町に僕は生まれた。 地元最寄り駅は京王線の仙川駅である。 よく「え?仙川って世田谷区でしょ?」と言われるが、仙川駅は調布市仙川町である。 あと、「せんかわ」と発音される場合がある。 地元民的には正直どっちでもいい

          「元プロアカペラー」を作った人たち ~岩城の場合~ 第1話 「兄」

          明けましておめでとうございます。

          2024年が始まりました。 自分の頭の中を発表する場所をいくつか持っておきたい、ということで、この度noteを立ち上げました。 日頃の活動の中での気付きや、これまでの経験から皆さんに伝えておきたいこと、ざっくばらんに書きたいことを書き残す場として。 緩やかなものから、時には怒り任せに強い言葉も書くかもしれませんが、なんかみんなで「そうだよねー」とか「そうなんだー」とか言えたらいいな、ぐらいの感じです。 これからよろしくおねがいします。 経歴 ・東京都調布市出身 ・

          明けましておめでとうございます。