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心の傘

梅雨時期も終わりを迎えようとしている今 
梅雨末期特有の大雨に、傘を持たずに出掛ける息子
「傘は?」
「オレは要らない」
「えっ?」 

コレには少し裏話があって… 
実はこの会話、詳細を述べると 

息子は私の車で彼の友人と一緒に通学する
その車の中での彼とその友人との会話。 

傘を持たずに来てしまった息子が雨が激しく降りはじめて
「オレ傘持ってない…😱」
すると彼の友人が笑いながら 
「オレ絶対入れてやらんけん😆」 
すると息子は
「オレは要らない」

そして 
「オレには心の傘があるから」

と繋がる。 

えーーっ?!

「心の傘」とは? 
幸い学校へ着くとちょうど雨が上がり、私は心の傘を見ずして車から降りた彼らの後ろ姿を見送った。 

「心の傘」とは? 
友人の傘の事か?
彼の真意が、傘を持たない自分に友人が傘を差し掛けずには居られないだろうという意味だったのだろうか。 

そこは定かでは無いものの、色んな事が浮かんできた。

私の祖母は娘婿である私の父に対して、
「いい人、いい人」と生涯いい通した。何があっても。私も祖母が人の事を悪く言っている記憶は無い。私は実の父に感謝もあるが、色々多少の不満はあってこぼす事は大人になった今でも多々ある。 

しかし、祖母は「いい人いい人」と言って一度も悪くは言わなかった。 

それは心の傘と同じような気が…ふとした。

好きな人を信じなさいとはよく聞く言葉で、 
信じ切ったら本当にそうなるのかもしれないなぁと思ったのだ。

父とて、「いい人、いい人」と言われ続けていい人になって行ったのだろう。
人を信じるとはそういう事なのだろうかと思ったのだ。 

そして人を愛するとはそういう事なのかもしれないと思った。 

祖母は夫を戦争で若くして亡くしてしまった。私の祖父に当たるその人が遺した言葉の中に「人を愛せよ」とある。そして祖父は38歳で帰らぬ人となった。愛する妻と幼い4人の娘を遺して…。  

朝から息子の発した「心の傘」が、何だか一つに繋がったような気がした。 

愛するということは、信じるということ。

そう思うと、息子は本当にたくさんの傘を持っているのだな。と思ったのだった。皆様本当にありがとうございます。そして息子よ、果たして真意はわからぬが、気付かせてくれてありがとう。心から❤️

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