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彼のこと〜ある夏の日の思い出〜


「また餃子〜?」 
そう2週続けて餃子となった我が家の食卓。 

 彼がインターハイ行きという我が家にとっては大偉業をなして帰って来て1週間になった。その日美味しい餃子で迎えようと頑張って作ったにも関わらず、暑さのせいか入れ損ねた具材有り、もうNGのフライパン有りで、焼き加減も得意のカラッじゅわっっと行かずに、皮が破けまくり、流石に自分が許せなかったので、もう一度1週間温めて、リベンジしたのだった。 

 フライパンも本格的な鉄のやつが本当は欲しかったものの…齢80になってもまだまだ現役で台所に立ってくれている母のために、軽いテフロン加工のフライパンに甘んじた。とはいえ、焦げ付かずウソみたいにきれいな出来上がりに、まいいかとも思う。 

 文句を言われながらも餃子の具を皮で包みながら、反抗期で目も合わせず口も利かずにゲームに勤しむ彼を横目に、私はふとあることが頭を過ぎる。 

夏休み
宿題の読書感想文は、かれこれ3度めになるだろうか?『きみの膵臓を食べたい』
今年はDVDまで借りて来ていた。本を読む時間が無いのだ。DVDを真剣に見ている彼を見ながら…

 彼が心から愛する人を見つけてその人が心から彼を愛してくれることが幸せで、その様な人に出会うことが、彼にとっての本当の幸せではなかろうかとも思い始めてもいる。 

 絶対そうあってほしいと我儘かもしれないが心からの母の願いであり、祈り。あなたを本当に愛してくれる人に出会えるといいね。

でも…人生において私は、人を愛することが人として一番大切な事だと思っている。だから、彼が好きな人を心から愛して欲しいと思っている。 

愛って…なんだろうか。
そんな彼も今年の春私のもとを巣立って行く
おめでとう!
ありがとう🙇
2023年2月1日

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