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病院実習の合法的なサボり方【ゆるポリを極めろ】

 どうも!やん猫です。

普段はハイポ病院を求め東奔西走しているのですが、当然ポリクリ・クリクラに対するモチベーションもありませんでした。

そしてこの度、一度もカルテを書くことなくポリクリが終わる見込みがつきました。手技も全くしてません。

 M4以下で病院実習が鬱な方にむけて、n=1の経験談ではありますが、ポリクリを楽にするTipsを提示したいと思います。

 大前提ですが、ポリクリをサボるべきかは諸説あります。インシデントのリスクを医者に押し付けて経験を積める訳で、ちゃんとやった方がいいという意見も多分正解です。

 しかし1年間モチベーションが高いとは限りません。興味がない科を回る時はあるでしょう。そんな時にこのnoteが助けになれば幸いです。


Tip#1 志望科は精神科です

 どの科でも回り始めてすぐの時期に「先生は何科志望なの?」とだいたい聞かれます。もちろん実習が一番忙しくなる返事は、回ってる科を志望科だと答えることです。ただ消化器外科で消化器内科志望だと答えても、やはりあれこれレクチャーされてしまいます。「こいつにステージ分類とか言っても意味ねぇな」と思ってもらえるような、全然関係のない科を言った方が教育へのモチベーションを減らすことが出来ます。

 オススメは精神科です。病理とか公衆衛生でもいいんですが、どっちも意外と各科と関わりがあるので、やはりベストは精神科だと思います。先生からの「なんで精神科なの?」という質問に対して「精神が弱くてお世話になってるので」と返せば、もはやあらゆる面でプレッシャーをかけられることはないでしょう。

 ちなみに一時期は眼科と公言していたのですが、「じゃあ糖尿病は勉強しないとね」と言われるパターンがあってイマイチでした。

 当たり前ですが、精神科を回っている時はこの手は使えません。また精神科では、内科や外科志望もおすすめしません。精神疾患があると手術が受けにくい、入院しにくいなどの社会問題があり、精神科医は外科医や内科医が精神疾患に偏見を持っていることへの問題意識があります。真面目な精神科医ほど外科志望や内科志望の学生にがっつりポリクリをさせてくるので、病理志望とか言っておくといいと思います。


Tip#2 たまに怒られてもいいじゃん

 実習をしていると、「興味があったら参加してね」系のイベントが結構あります。もちろん全部サボりますが、問題は任意か強制かハッキリしないイベントも沢山あることです。そういう時に「怒られるかもしれない」と思って参加していると、著しくQOLが下がります。そもそも先生達は学生が思うほど学生を気にしていません。「90%くらい強制だけどワンチャン居なくても許されるかも」みたいなのを含め、1年間出来る限りサボり倒しましたが、後から怒られるのは1割位でした。それも「任意だと誤解してました」と謝れば許されます。

 「絶対に先生達の機嫌を損ねないようにしよう」とするより、「最悪謝ればいいでしょ」というスタンスでいる方がだいぶ実習が楽になります。

 同様に一々確認をとるのも藪蛇なのでオススメしません。「これ指示を仰いだ方がいいかな」と思っても、何も聞かずに楽な方を選ぶべきです。病院は学生なしで回るし、教育もマストじゃないので、報連相はタスクを増やすだけです。些細な質問で電話をしたら「外来終わるまで待ってて」と電話を切られ、一言聞くために待機時間が3時間増えるなんてこともポリクリではザラです。触らぬ神に祟りなし。


Tip#3 急募:「もう終わりじゃないかな?」

 #2の応用ですが、適当な先生に「終わり」と言ってもらえたら、それが学生のスケジュールなんて知らない教授だろうが、たまたま見学にきた研修医だろうが、ダッシュで帰宅すべきです。後で何か言われても「終わりだと言われて帰っちゃいました」で99%何とかなります。

 問題はどうやって「もう終わり」を引き出すのかです。研修医でもいいと書きましたが、研修医は立場が弱く、「上の先生に聞いてみるね」となることが多いのでオススメしません。適当そうで、かつ独断で学生に指示出来るような発言力のある先生を探しましょう。ポリクリにおいて「誰に聞くか」は運命を左右する重要な問題です。


Tip#4 真面目風な不真面目

 個人情報を漏らすといった「やらかし系」でなく、カンファをサボるといった「無気力系」の不祥事で怒るとしたら、それは教育熱心な先生です。彼らはゆるポリ最大の敵ですが、攻略のコツは気に入られることにあります。彼らから「真面目な学生」という評価を貰えていれば、強制イベントをサボっても「伝え方が悪かったかな」と思われて終わります。逆に不真面目な学生とは水と油なので目の敵にされますが、学生教育という崇高な義務感を持っており、怒りながらも延々と付きまとってきます。
 またこういった先生は「学生の教育もしっかりしたぜ」という達成感を得るまで決して解放してくれないので、いかに早くその達成感を与えるかが重要になります。ここで「教育熱心系」を攻略する2つのテクニックを紹介したいと思います。

①質問攻め

 やる気のない学生ほどレクチャーで質問しませんが、これは逆効果だと思います。むしろ知っていることであってもドンドン質問することで、教育熱心な先生からの好感度を稼ぎ、彼らの教育意欲を満たすことが出来ます。「調べれば分かることを質問するな」という先生は学生教育に興味がないケースが多く、教育熱心系に関しては基本的なことでもガンガンに質問することをおすすめします。

②出来る学生のさしすせそ

さ:さすがですね
し:知らなかったです
す:すごいですね!
せ:センスありますね!
そ:そうなんですね! 

 合コンや飲み会の「さしすせそ」というものがありますが、これは殆どそのままポリクリでも使えます。結局、相手の話を聞いて相槌をうち、うまく持ち上げればおっさんの好感度なんてすぐ稼げるのです。
 さらに概して教育熱心な先生は「医学知識を教える」と「自分の科の魅力をアピールする」という2つの使命感があります。なので”さしすせそ”に加えて「勉強になりました」「分かりやすかったです」「患者さんにとって凄くいい治療ですね!」の3つを言えば、気難しい先生も大満足。最短での円満解散は間違いなしです。

Tip#5 正直軽めの実習がいいです

 私からしたら信じられないことですが、世の中には「実習に行ったら午前で解散になった」と大学にクレームをつける学生がいます。医者は医者で、「真面目に実習をしたい学生」と「すぐ帰りたい学生」の板挟みになっているのです。私は1年間で3回、「正直ガッツリ実習するのと緩めとどっちがいい?」と聞かれました。ここで変に気を使って「色々勉強したいです」とか答えると、先生にも「面倒でも真面目に指導しないと」とプレッシャーがかかり、全員が不幸になります。ある程度「やる気ないアピール」をすることで、実習が劇的に楽になることがあります。

 ただTip#5は心不全に対するβ遮断薬みたいなもので、適応には制限があります。具体的にはやる気が好感度に直結する「教育熱心系」には逆効果になってしまいます。相手のスタンスを見極めることが大切です。

Tip#6 世の中、人脈と情報

 ポリクリは情報戦です。回る科をある程度選択できる大学では、当然楽な科と忙しい科があります。楽な科は人気が集中することもあり、「一見忙しいけど実は楽な科」などの情報も理想的なゆるポリには欠かせません。
 またレポートや発表課題が出るケースがありますが、大体は同じ様な病気を扱うことになります。精神科で統合失調症についてのレポート課題があれば、過去にも統合失調症のレポートを書いた学生が必ずいます。使い回しをするかどうかで課題の重さがかなり変わってくるので、仲良くない同級生だろうと積極的にレポート乞食をしていきましょう。もちろん、自分からも提供していきましょう。医学部は村社会なので、Giverが圧倒的に有利です。


 私が1年間で注意した点はこんな所です。あとは面倒すぎるイベントを病欠する位でポリクリはゆるゆるになると思います。当たり前ですが成績を握られている以上、「こいつだけは許さん」と怒髪衝天にしてはいけません。好感度を調整しながら軽いお小言くらいで済むサボりを目指して、頑張ってください。


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