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「57577」のゲームデザイン(4)

悩み始めたもの、それは「ストーリー」でした。「メタファー」とも言いますね(なんだか急に騎士団長っぽい!)。

「コンビニエンスストアで、頼まれたお使いをちゃんと買って帰るすごろく」とか「お姫さまに恋文を渡すカードゲーム」とか「お客様が素敵だと思うマンションのポエムを作る」とか。あ、いちばん有名なのは「村に紛れ込んだ人狼を探しだす会話ゲーム」ですね。ゲームの目標である物語、がこの短歌のカードゲームにはない。さて、どうしよう?

たぶん、ひねり出すのは簡単なのです。やっぱり短歌といえば平安時代、お目当ての姫に気に入ってもらうために、ライバルよりも素敵な短歌を作ろう! なんて、まず浮かびます。

「57577」でしかしゃべれない宇宙人が来て!! 

突如「57577」しかしゃべれない法改正が!! 

世界短歌コンテストが行われる世界に転生して!!

まあ、練るのは必要としても、なにかは出来そうです。「なぜ短歌を作るのか」の目的となる物語……。何が良いのか、悩みました。でも、やめました!!

だって。

1)ストーリーがあると、使える「5音の言葉」「7音の言葉」が限られてしまう。お姫さまに気に入られるなら、恋の歌とか、相手の気を引くワードが大切で、それ以外の歌を作りづらいデッキになってしまう。

2)もうすでに、5枚のカードを操る、という時点で作業が多いので、脳をほかのところに使いたくない。

3)「短歌」自体が物語やメタファーを抱いているので、それをさらにくるむ物語が邪魔。

4)あってもなくても、ルールは変わらない。なくてもいいものは、なくすのが、デザインの基本。

5)幻冬舎の大人気ゲーム「はぁって言うゲーム」にも、「なんではぁって言うのか」とくに物語はない! 同じく米光一成さんゲームデザインのDAISOで発売されている「変顔マッチ」にも! とにかく変顔して遊ぶゲームだ!

ということで、結構最後まで(メタファー……いる?)と「コンビニエンスストアゲーム好きだった自分」との揺れがありましたが、シンプルに、とにかくただ短歌を作る! というゲームになったのでした。

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「57577」のゲームデザイン(5)に続く。

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