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大学の偏差値格差について

たとえば、MARCH(マーチ)という言葉は、40年前には聞いたことがなかったです。大学入試の偏差値によって、そこそこ優秀とされている大学の頭文字。
当時は、大学進学率が高まったとはいえ、まだまだ、大学に進学すること自体が今ほど主流ではありませんでした。特に地方では。もちろん地方でも、早慶入学できたらそうとう優秀だよね、という認識ぐらいは誰だって持っていたし、入学が難しい大学とそうでもない大学の序列は、高校生ならなんとなく把握していた。でも、親世代は相当無頓着な人が多かったです。高校進学できれば十分という雰囲気が地方にはありました。大学に進学するのは、よほど勉強好きなんだ、何か目的あるんだ、と思われていたし、ましてや女子なら、先生になるために地元国立大に行く、そうでなければ短大が王道の道、って感じがありました。
私は、都内の難関でない4年制大学に進学しました。そこで、主に首都圏出身者の男子に浪人が多いのに結構驚いた。中には二浪の人も。そんなの入れる大学に行けばいいのに?よほどこの教授に習いたいというのでもなければ、と感じていました。
が、その理由、4年生のときにはっきりわかったのです。当時、民間企業の就職活動は、4年生の秋から。早くても夏ぐらい。
求人票を見て、ショックでした。いわゆる、名が知れているような、大手企業からの求人はほとんどなし。当時、求人票はあからさまに男尊女卑だったので、4大卒女子の就職はどしゃぶり…それは、有名大でも同様だったようですが。
男子だけで見ても、大学によって受けられる民間就職先がくっきり違う。採用試験段階でもう、はっきりと別れていたのです。
そりゃ、東京出身の子が、浪人してでも有名大…せめて6大学かそのレベルの大学…に入ろうとするわ~、と、大いに納得しました。
ネット時代になって、就職活動で、何度も書類段階で不採用になり鬱状態になる学生がいるの、わかります。簡単なバイトだって、採用で落とされたら落ち込むもの。ネット時代の今、どこの企業も、大学の名で採用を選別してる、というのをあからさまにはしにくくなった。が、現実は違う。それをわかっていても、有名大でない学生だって、求人票を見たらやはり大手に希望を出したくなってしまう。
大学進学率が高まり、進学するなら有名大へ、の流れが強まった。 “大学”に対するイメージも実態も、この40年で、私の想像以上にきっと随分変わったはずだよな、と考えたりします。

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