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「妖怪かいわくずし」とは?

かいわくずしとは、会話崩しのこと。
昨日は、文学フリマ東京でした。今回行けなかったので、ブースを出している友人に田房永子さんの自費出版本「スマホもYouTubeもなかった2005年の26歳」を買っといてもらった。で、「妖怪かいわくずし」と出てきて、わかるーと思った次第。
田房さんがまだ雑誌ライターで生計を立てておられた頃の日記風エッセイです。こういうあるある出来事を、うまく説明してくれて流石。
複数での気さくな忘年会でのこと。とにかく自分が話したくてたまらず、他の人が会話の中心になるとそれを崩しにかかる人がいた。
幹事の話を皆が静かに聞いていると、“お鍋食べません?冷めちゃいますよ”と水を指す。仕事における男女の立場という興味深い話題になったときにも、“いや、僕なんかは逆に”と会話を崩しにかかる。その話の内容が笑いました。彼の話は…導入は、“女性は月のモノがあるから仕方ない”と個人的トンデモ意見を一般論を装いつつ語り、どんどんわけわかんなく自分の考えを展開していき、結びは、“僕なんかは美意識高い方だから”。人の会話を崩しまくり問題発言を吐きまくる。忘年会開始10分ぐらいで、悪意のあるなしに関わらず、すでにヤバかったそうです。“ここまで高いレベルのかいわくずしにはもう二度と会えないだろう”という人だったとか。
いるいる。ここまで、露骨に皆を不愉快にさせなくても、「結局は、自分の話に持って行くんだなあ」って人。
いくつかの出来事が思い浮かびます。悪人ではなく思いやりも十分あるのだけれど、人が話そうと思ったことを十分話させてくれない。絶交するほど毛嫌いしてなくても…やはり疎遠になってしまうね。
「人の話はさえぎらず最後まで聞こう」と、自戒します。(超自分勝手おしゃべりの人を除く…誰かが止めないとえんえんと話す人ほんとにいるんですよ、たまーに。それはそれで面白いネタ話になったりはするけど)。
人が、“嫌なことがあった…”“悩んでて…”など話してきたらよく聞いて、まずは「大変だね」と心を寄せよう。“私だって同じように大変”とか“それはこうなんだ”と決めつけるとかは絶対しない。そうされると、話した方はがっくし傷つく。あくまで話の主体は目の前の相手。自分の話には持って行かない。
妖怪ほどではないけど、かいわくずしは、家族親戚友人などなど…親しい人の会話でも、わりとときどきあるなあと感じます。用心してても、不意に、あ~っ、てね。

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