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「今度生まれたら」第1回観ました

松坂慶子さん大好き。で、楽しみにしていたNHKドラマ「今度生まれたら」ですが…。初回を観て大分複雑な心境になりました。
主人公夏江の設定は70歳で私より10歳上。就職先で未来の夫と出会い…その人に大阪万博行こうと誘われるのですが数年合わないんじゃと気になってしまった…私が行ったのは小学2年の春休みだからずれてる気が…。
もとい、複雑な心境になったのは、そこじゃない!
主人公は、とても頭が良く母親から「女も手に職持ちなさい」的なことを言われて育った。が、短大に入り就職した会社でエリート社員と早々に結婚し、専業主婦の道を選ぶ。それを、これでよかったのか、と後悔している。うーん、なんか悲しい…往生際悪いと感じて。
彼女の気持ちはよーくわかる。私たちの代もまだ、女が4年生大学なんて…という時代。時代錯誤と反発しても現実を考えたら…女は短大目指すべき、の意見が主流。4年制は就職どしゃぶりと言われてました。特別優秀ならそれなりの道もあるけれど、そうでもないそこそこ成績なら教師か公務員が妥当…自立を意識するなら。民間の会社は生涯働きたい女性など歓迎せず、女は自立する給料などまったくもらえなかったのです(今だにあるね…)。4大卒女性は、入社試験が受けられるところさえ限られていた。たとえ一流大卒でも。
私たちは就職後に男女雇用機会均等法が施行された世代。総合職への変更試験を受け、給料良く(というかまともに)なった女性もいるけれど、これは、とてもまれなケース。
強い意志で自分の仕事を持つ、というのは、男並みに働け!ということでもあったし、うわーっそんなの無理、と感じたのは当時健全な判断だとも思う。それより稼ぎのいい男を捕まえるほうが現実的。未婚でいることは、男女問わず“変り者”烙印押されがちだった上に、女は、未婚=路頭に迷う恐怖とも隣り合わせだったし。その残酷さよ。素敵な奥様生活をあおるもの…エンタメ作品や報道…の陰で、その恐怖はないことにされていたけれど。
これは間違いない事実。でも…そう言ってしまうと、それまでの、母や祖母の世代はもっとひどい男尊女卑だったわけで。その時代時代で、人それぞれに、社会をサバイバルし生き抜いていた。その人生を、誰も否定はできない。いつの世も、誰の人生からだって生み出されてきたものがあった。喜びも充実も少なからずあったはず。
たぶんこれからだって、社会における男女格差は絶対ゼロにはならない。理不尽なことに声をあげるのは大事だし、今、昔よりはるかに声をあげやすくなったのはいいことだけど。
夏江さん、あの時代を自分なりに頑張って行きぬいた人生を否定しないで、と思ってしまう。平凡な人生なんて、ひとつもないのだから。…とたぶん次回も観ると思います。

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