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「ちむどんどん」里美ちゃんに思うこと

里美が良子にマウント取る嫌な女、って意見もあるようで、ちょっと気の毒。いや、脚本と演技で、里美の性格の感じ悪さが滲み出ていて、好感持てないのは確かなんだけど。
こういう女性いるよなあ、というより、いたよなあ、と、思います。
里美が石川青年にターゲットを絞り、“私がこの人の最短距離”と良子に強くアピールしているとしたら、それは“悪いこと”、“卑怯なこと”とは言えない。むしろ、あっぱれと思う。
視聴者は良子に肩入れして観ているし、良子の恋が成就してほしいと願ってしまう。奥手の純真な女の子、という幻想を良子に抱きがち…。現実には、得てして、男性は里美タイプを選ぶこと多いはず。良子より里美と付き合った方が絶対楽しそうだしね。
良子なりに頑張ってアプローチしているが、これきっと報われない。勝てる作戦立てようよ!とアドバイスしたくなってしまう。里美に負けるな!と喝を入れたくなる。
…って、アドバイスしたいのは、かつての自分でもあるわけです。&相手は貴女が一目置くような“大人の人格者”ではないよ、と王子様イメージを打破したくなるような…。
同年代女性で集まったとき、むかーしの(20歳前後の)恋愛話が出て、皆“どうしてあれほど夢中になっていたのか”と、苦々しさ感溢れていて興味深かった。
相手に対しての半端ない“憧れ”って、初恋や初恋に準ずる恋に特有なものと感じます。
どんな人間も自分の目的のために周到な計画を立てるのに、恋の“はかりごと”だけはうまくできなくなってしまうもの。良子が、本の返却を口実に相手の職場を訪れたように…。
自分の気持ちに溺れるのでなく、相手の気持ちの動きを見極めて行動するの大事、ってこと、実際にできるようになるのは年を重ねてからかと、特に良子タイプ…自己反省的で心優しく真面目、でもどこか無理してていつかきっと大爆発…は。
一方早くから、そうしたことを本能的にわかっている人がいる。その人にとって、自分の恋愛上手能力を最大限発揮して生きる、のは、当然の生存戦略です。
1970年代というのも大事。女性にとって、結婚が今よりはるかに大きな意味を持っていた。
TVドラマは、特に朝ドラでは、どんな時代を描いていても、“今”の視聴者に受け入れられなければならず、かなり当時のムードは改変されている。男尊女卑社会しかり。
当時大卒女性は相当珍しかった。大学出の里美がまだ恋人がいないなら、この1、2年で、結婚につながる相手を手に入れなければと、狩猟しているはずで…。
里美も、頑張れ!…えっとどちらの味方したいのか私…。というか、石川青年の魅力って何?そのうち覚めるときがくるよね?…と、つい夢のない観方をするのは、正しい朝ドラの視聴者とは言えないんだろうな。ともかく、この恋の行方、展開を楽しんでいます。

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