見出し画像

「ベルばら展」と“青春の夢に忠実であれ”について

「誕生50周年記念ベルサイユのばら展 ベルばらは永遠に」行ってきました。六本木の森ビル52階、東京シティビューで11月20日まで開催されています。
夜景がとってもきれいで、ベルばらにふさわしい会場でした。
私は、はやっていた当時はベルばらに全くはまっていなかったのですが、40代で読んでドはまり。ベルばらは社会現象化したほどの大ヒットだったので、作者のみならず、学者の方が分析した書籍もあるほど。そうしたものも図書館で探しては読み漁り…池田理代子氏がベルばらを創作するきっかけとなった本、シュテファン・ツヴァイクの「マリー・アントワネット」も買いました。
近年書かれた、大学生の卒業論文もあります。フェミニズム的視点から見ても、史上大きな事件だったのです。
この壮大な物語を、20代前半で書いたっていうのが驚き…。でも、20代の情熱があったからこその、この作品なのでしょう。昔は週刊誌だったことに加え、漫画家は誰もがブラックな労働状況におかれていたことが知られていますが、作者も途中過労で倒れたほどです。
会場にはたくさんの原画があり、どれも見ごたえがあって美しかった~。誘った友人は、少し年下で、サザエさん以外のマンガは読んだことないという、本人も「珍しいでしょ」という人でしたが…。展示を見てすごく興味を持ち(順にストーリーが追えるように展示してあります)、これから読むそうです。よかったよかった。私も熱くレクチャーした甲斐がありました。会場には若い人も多く、世代を超えてファンがいるんだなと嬉しかったです。
ベルばらに限らず、私たちが、中高生のとき夢中だった少女マンガの作者は皆本当に若かった…。今も大御所として活躍している少女漫画家たちの、あの頃の作品はそれはそれは素晴らしかったです。皆さんすごいインテリですしね。
今読むと、作品から“自分が信じるものに向けて突き進む”作者の情熱がほとばしっていて、圧倒されます。ベルばらは、その最たるもの。
ドイツの詩人シラーによるものと聞いた「青春の夢に忠実であれ」という言葉を思い出しました。若いときの創作物は、作者が知力体力気力のすべてをかけて生み出したものでまさに魂の叫び。技巧優れた熟練ベテランにはない、パワーが宿っている。
その“熱”が、時代と国を超えて人の心を揺さぶる、社会さえ変えていく。
そうしたことを、改めて確信したベルばら展でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?