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自書式投票

「自書」とかけまして、
「孫の手」と解きます。
その心は、自分でかきます。
#書きます
#掻きます

日本の選挙では、投票用紙に候補者の氏名を自書して投票します。

当たり前のことのようですが、この「自書式投票」は実は世界ではとても珍しいことなのです。

それだけ識字率が高いということです。

海外では、候補者の氏名が書かれた投票用紙に印をつける「記号式」が多いです。

確かにこの方法なら間違えることも少なくなりますし、開票作業も簡単のように思えます。
自書式だとなかなか個性的な字を書かれる方がいて、判別が困難な場合もありまして…

日本にも制度としては「記号式」もあります。
しかし、全然普及しません。

というのも、まず第一に立候補者が出揃ってからでないと投票用紙を作れません
候補者全員の氏名を印刷しないといけませんから、今のように告示の翌日から期日前投票することができません。

次に投票用紙が大きくなることです。
外国の選挙風景を見ると、大きな紙を箱に入れてます。
これだと置くスペースも必要ですし、そして何より開票に時間がかかります。

その辺りが普及しない原因だと思われます。

とにかく正確で早い結果を欲しがる報道や先生方にとって、少しでも時間がかかるものは避けたいのです。
選管職員も業務が煩雑になってしまいそうな制度なのです。

しかし時代はオンライン。
インターネット投票が叫ばれて久しいです。
これなら早くて正確で、業務もかなり軽減されそうです。

まだまだクリアすべき課題はありますが、いずれ可能になると思います。
と言いつつ、いつになることやら、とも思ってます。

ところで「自書」といえば。

学生時代に図書館司書の資格を取るために、短期講習を受けていました。
その時の出席確認が、回ってきた名簿の出席番号の欄に自分の名前を書く、というものでした。

ある時、自分の番号の欄に署名したつもりでしたが、ひとつずれて書いてしまったことがありました。
その時の講義は、全員受講しなければいけないため、大講義室でした。

その大きな講義室で、自分が間違って書いた欄の人が大声で

「田中さんという人、違う欄に書いてます。
これは筆跡鑑定されるので書き直してください!」

と叫びました。

いや、そんなに大きな声で、みんながいる前で。
しかも「筆跡鑑定」なんて聞いてないし。

両矢印を書いておけばいい話なんじゃないか?

と思いながらもみんなが見ている中、すごすごとその人のところへ行き、お詫びしてそそくさと書き直しできました。

後から「あんなことあの場で言わなくてもねえ」などフォローしてくれた人はいましたが、一気に名前と顔と慌てん坊の田中を覚えられてしまいました。

それにしても本当に筆跡鑑定なんてしてたのか?

ちなみに司書の資格はちゃんと取れました。

#選挙制度を教えるふりをして  
#ちょっとした連想エピソードを書いてますシリーズ

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