見出し画像

「問題解決」の考え方に基づいた、デザインコンセプトの作り方

「問題解決」の考え方をするようになったきっかけ

先日気になっていた本「問題解決 -あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術-(高田貴之 著)」を読みました。

こちらの本は、ビジネスの実際の現場で使えるような問題解決の本になっています。

「問題解決」の考え方は職種関係なく使うことができます。
著書にもありましたが、主婦で例えると「お金が貯まらない」という問題があるとします。
「問題解決」の思考を持たない場合、すぐに「節約しよう」という考えになってしまいがちです。

それでは、根本の問題解決になってない場合があり、再び「お金が貯まらい状態」に陥ってしまいます。
そうならないために「お金が貯まらない」という問題に「なぜ」を繰り返して原因を探るなど、問題解決の手法を使って思考することで問題を解決する近道になります。

私はこのような問題解決の考え方を、デザインを考えるコンセプト作りに似ているなと思ったので問題解決の視点を踏まえて、私が作成している「デザインコンセプト」の作り方を紹介していきたいと思います。

デザインコンセプトの作り方

①クライアントが行う施策の目的・目標・ターゲットを明確にする

デザイナーでもビジネス的思考を持った方が、より多くの人に刺さるデザインが作れると考えています。クライアントがなぜその施策を実行するに至ったのか考えながらコンセプトを作っていきましょう。

施策の概要例(アパレルショップが広告バナーを出す場合)

【目的】夏の新アイテムが入荷するので、多くの人に知ってもらい購入につなげたい。新規顧客獲得。
【目標】広告バナーからECサイトへの遷移を促す。CVR ○○件。
【ターゲット】社会人20代女性。ナチュラル系のファッションに興味がある。平日は仕事があるので休日出かけるときにファッションを楽しみたい。

施策の概要を出せたところで、2W1Hで簡単に概要をまとめると頭の中を整理しやすいです。

【だれに向けて】このアパレルショップを知らない、ナチュラル系ファッションが好みの社会人20代女性に
【何をするための】今年の夏はこのファッションアイテムで休日を過ごしたいと思ってもらうための
【施策】広告バナー

②ユーザーニーズを考える

ユーザーニーズについて考えます。
ユーザーニーズ=「今年の夏服を買いたいから」と考えてしまうと、クライアント側の「売りたい」という視点に偏ってしまいます。

ユーザーニーズは、「ユーザーの心理状況」を予測する必要があります。

今回は、「なぜ夏服が欲しい状況になったか」を考えましょう。
人それぞれ理由があると思うのでいくつか候補をあげてみると良いです。

「服が好きで自分に身に付けたい」「休みの日は友達と出かける日が多いからオシャレをしていきたい」「お盆休みに昔の友人と会う」「冬に断捨離をしたら夏服が少なくなった」など

色々候補を挙げてみて、今回のバナーのターゲットとなるニーズを導きだしましょう。今回は「休みの日は友達と出かける日が多いからオシャレをしていきたい」とします。

その後に「休みの日は友達と出かける日が多いからオシャレをしていきたい」と思っているユーザーは、どのような心理状況でバナーを見てECサイトに飛ぶのか考えてみましょう。

「少しでも安く買いたい」「高くてもいいから良い生地のものを買いたい
」「服のデザインが好み」「着回しができそう」「いろんなシーンで使えるかも」

上がってきたワードと、「休みの日は友達と出かける日が多いからオシャレをしていきたい」を比較して関連性が高いものをニーズとして書きましょう

【ユーザーニーズ】
休みの日は友達と出かける日が多いからオシャレをしていきたい
(バナーを押す瞬間の心理状況)
・服のデザインが好み
・休日だけ着るのでいろいろ着まわせた方が嬉しい

③クライアントが伝えたいことを整理する

ユーザーニーズを把握したうえで、クライアントがユーザーに何を伝えたいのか再度書き出してみましょう。

【クライアントが伝えたいこと】
・夏の新アイテムのPR
・アパレルショップの魅力

④ユーザーニーズとクライアントが伝えたいことに紐づいた与えたい印象を考える

ユーザーニーズやクライアントが伝えたいデザインになるために、どの表現が最適か考えてみましょう。

【ユーザーニーズ】
休みの日は友達と出かける日が多いからオシャレをしていきたい
→モデルが二人いて友人と出かけているシーンを思わせる。

(バナーを押す瞬間の心理状況)
・服のデザインが好み
→しっかり服のデザインが見える位置にモデルをレイアウトする
・休日だけ着るのでいろいろ着まわせた方が嬉しい
→その商品の用途に合わせてアピール(パンツにもスカートにも合う的な)]

【クライアントが伝えたいこと】
・夏の新アイテムのPR
→ナチュラルなファッションに合うような夏を感じるデザイン
・アパレルショップの魅力
→そのショップのこだわりを感じる情報を盛り込む(素材、色、ワンポイントのデザインなど)

考えた表現の案をすべて採用する必要はなく、優先度をつけて高そうなものや関連性が高いものをピックアップします。

最後にビジュアルコンセプトを自分なりに考えてみるとイメージボードが探しやすいです。

【ビジュアルコンセプト】
ナチュラルファッションで夏を楽しむ

⑤イメージボード作成

イメージボードの探し方としては、「雰囲気」「構成」で分けて考えるとイメージボードがバラバラにならないです。

【雰囲気の例】
夏を連想させる青や黄色が伝われたもの + ナチュラルな雰囲気になるよう彩度が少し低い青などを選ぶと良いかなと思います。

【構成の例】
モデルを見せる場合:服とモデルの顔が大きいレイアウトでインパクトを出す
シーンで見せる場合:モデルとモデルがいる場所もわかるようなレイアウト

最後に

以上がデザインコンセプトの作り方になります。
コンセプトを作る際、問題解決の要素である「5W1H」の考え方だったり、ビジュアルのコンセプトを作るなど問題解決の手法がデザイン制作にもかかわってくることがわかったかなと思います。

文章を読むだけではわかりずらい部分があるかなと思っているので、デザインを作る際は実際にコンセプトを考えて試行錯誤していただきたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?