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「家族マンガ」が好き(『服を着るならこんなふうに VOLUME10』)

きっかけ

このマンガは、
どこかでバイヤーの「MB」さんの存在を知ったことが
きっかけだと思います。

何らかのツイートを見たのか、
どこかのWebの記事を見たのか。
そこに紹介があって、たどり着いたはずです。

服に興味がないわけではありません。
むしろ服装でオシャレをしている人はすごいと思うし、
ついつい目がいってしまうし、
見ているこちらの気分がちょっと上がる時すらある。

でもオシャレとなると、どうしても
・少々派手、華美な方向にいかなければいけないのでは
・お金がかかるのでは
・色々と揃えなければいけないのでは
と、頭でっかちに考えてしまう部分が。

服やオシャレを勉強するにも、
毎月雑誌を買うほど熱を入れる感じではなく・・・・・・。

そんな時に、
「メンズカジュアルファッションコミック」と紹介され、
マンガだと読みやすそうだなと思って手に取ったのが、
この『服を着るならこんなふうに』(通称『服着る』)でした。

『服を着るならこんなふうに』あらすじ

主人公は、
27歳のサラリーマン、佐藤祐介。
そして祐介の妹、佐藤環。

ゲームが趣味で、オシャレにまったく関心のなかった祐介が、
同窓会の打ち合わせで会った友人を見て、
ファッションセンスのなさを痛感する。

その経験をきっかけに、
ファッションが趣味の環から、基本を教えてもらったり、
実際に様々なアイテムを手に取り、身につけたりすることで、
ファッションを学んでいく話です。

これを「家族マンガ」としてしまったのは、
祐介と環を中心とした人間関係の話の側面もあると思ったからです。

「家族マンガ」というと家事・育児・人間関係が中心の話のイメージで、
『服着る』は大きな話の幹としては、これよりも
「ファッションを学ぶ」ということになると思います。

でも、ファッションを学んでいくことで友人の見る目が変わったり、
人間関係が進展していったり。
何より根本として「きょうだい仲の良さ」が伝わってくる。
よく好きで読んでいるような「家族マンガ」の側面も
しっかりあるマンガだなと思って、挙げることにしました。

『服着る』VOLUME10の魅力・福岡の話

今回のVOLUME10では、
帰省や出張などをきっかけに、全国各地のショップを紹介する。
これがストーリーの中心になります。

福岡・新潟・京都・北海道・仙台の有名なショップ、
各地のアイテムや購買の特徴、
旅行や出張の際のおすすめのアイテムの紹介が沢山。

特に福岡を取り上げた話は、自分が福岡在住だからか、
他の話よりも感じるところが多くありました。

まず、福岡空港や博多駅は、
最近リニューアルされて間もない部分があるにも関わらず、
ディテールが細かくて再現度がすごい。
紹介されているお店も、「多分ここのことだな」と
すぐに場所が想像できました。

また、今の流れに沿った話題も出てきます。
(例えば「天神ビッグバン」に伴う都市計画の話だったり・・・・・・)

福岡らしさや、そこから服やファッションにも繋がる
トレンド傾向・福岡の気質のようなものも載っていました。

各話の末尾には「MB's Note」という
MBさんのコラムが掲載されています。
福岡を取り上げた話のコラムでは
「福岡はファッションの重要な拠点」とあり、
これを読んで、今住んでいる福岡を見直すきっかけにもなったし、
紹介されたお店にちょっと行ってみようかなという
きっかけにもなりました。

自分の住んでいる福岡の話を読んで、
こんな風に思えたということは、
きっと今回取り上げられている他の地域に住む方も、
読んでみて共感できる部分があるのではないかなと思います。

誰でも、どんな視点からも読みやすい『服着る』

今回この『服着る』のVOLUME10を読んで、
旅行に行ったときに、その土地のショップ・服を見るというのも
楽しみ方としてあるんだなと感じました。

旅行に行くと、どうしても
その土地のものを食べたり、
その土地の名所に行ったり、
その土地でしか経験できないようなことをしたいと思うもの。

「服」と言われるとそういうものに当てはまらず、
なんとなく旅のコースには入らない印象でした。
でもショップにもその土地の個性があったり、
土地土地の価値があるのだと思うと、
名産品のお店なんかと同じように少しのぞいてみるというのも
アリかもしれないですね。

ここまで『服着る』で紹介されたアイテムを
全て覚えているかと言うとそうでもありません。
マンガで祐介が実践しているテクニックを取り入れられているか、
と言われると、正直そこまででもない気がしています。

ただ、このマンガでは実践的なファッションの紹介はもちろん、
「ファッションで変わる人間関係」が描かれていて、
自分はむしろその部分に惹かれているように思います。
だから、誰かに会ったり、どこかに行ったりするときは、
改めてこのマンガを参考にすることが出てくるはずです。

もちろん実践的なファッションを学びたい人にも
『服着る』はおすすめです。
雑誌や専門書のようなものと違って、ストーリー形式で進むので、
むしろ読みやすいところもあると思います。
VOLUME9までは、そういったテクニックやアイテムについて
ふんだんに取り上げられています。

ただただマンガとして読むのも面白いです。
先述したように、マンガを担当する縞野やえさんの絵は、
ディテールが細かいと思います。
また、人物は可愛らしく描かれていると思うので、
抵抗なくすんなり入れるマンガである気がします。

「家族マンガ」として祐介と環の仲のよさも微笑ましいし、
ファッションが友情・恋愛に作用するところも見られる。

色んな視点から読めるマンガなので、
今後どんなストーリーが展開していくのか楽しみです。

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