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5年日記はじめました

社会人5年目の冬、本屋の手帳コーナーを通りかかったとき、ふと5年日記が目に留まり、「来年からはじめてみようかしら」と、一度手に取ってみた。けれど、右腕にその重みを感じた途端、なんだか急に気後れしてしまい、結局代わりに小さな1年日記を購入した。

5年日記を買うには、(少なくとも私にとっては)ある程度まとまった未来を生きる勇気と覚悟みたいなものが必要だった。今思えば、当時の私は心身ともにバランスを崩し始めていた頃で(無自覚だったというか、現実から目を逸らしていた頃…)、ずしりと重みのある5年分の余白を抱える勇気も覚悟も持ち合わせていなかった。
そして、翌年も、その翌年も、また翌年も、更に翌年も、同じようなことを繰り返した。

時は過ぎ、2023年の年末。気づけば5冊目の1年日記があとわずかで終わろうとしていた。さて、来年はどうしよう。そう考えたとき、心の中で「今度こそ5年日記をはじめてみようよ」と、わりと明るく軽やかな自分の声が響いた。

前向きな風

未来への不安がすっかりなくなったわけじゃない。当たり前だけど、これから5年先のこと、5年先と言わず明日のことだって、一分一秒先のことだって、何が待ち受けているかはわからないし、「なんでもどんと来ーい!なんとかなるっしょ!」と構えられるほど勇敢でも楽観主義者でもない。基本的にビビりな性格は、昔から変わらない。

だけど、2023年の一年を通して、改めて「これから自分が何を大切にしていきたいのか」を考えて、住む場所・仕事・働き方を変える決断をして、長い間物理的・精神的に溜め込んでいたものを一度手放すことにした。

その結果手にした生活は、別に贅沢ができる暮らしではないし、私にとっての理想の暮らしともまだ乖離があるけれど、それでも以前と比べると、自分で自分の生の舵を切って進んでいる感覚が確かにあって、未来のことを幾分か前向きかつ挑戦的に、そして主体的に考えられるようになった。
それに、今の私は、前よりも少しだけ、自分の心の声に耳を傾けられるようになっているし、自分の機嫌を自分で取るのが上手くなりつつある。

今なら、5年分の余白を楽しみながら抱えていける。

これからの5年間を自分の言葉で綴っていきたい。

そんな風に思えたのが、2023年の11月のことだった。

私が選んだ5年日記

今回、私が購入した5年日記はこちら。

https://www.1101.com/store/techo/5year/

ほぼ日手帳は、シンプルなデザインと紙質が大好きで、書き続けることによって手帳が育っていく感覚が楽しい。1年日記を使ってそれを実感できていたので、5年日記もほぼ日さんを選んだ。(A5サイズを購入)

おやすみ前の習慣

こうして私は、2024年1月1日から5年日記をはじめた。最初の2〜3日はドキドキ緊張していたけれど、書き進めてみると、私的には、5年日記って1年日記よりもずっとシンプルで書きやすい。そもそも書き込めるスペースがそこまで大きくはないので、毎日3〜4行の短い日記をつけることになる。

1日のことを時系列に沿って事細かに記録するというよりは、まず頭の中でちっちゃい記憶の欠片たちを掬い上げて、その中でも特に印象に残っていることや、忘れたくない何気ない感情にスポットを当てて、コンパクトにさらさらと書き留める感じ。
書きたいことがどうしても多い!という日は、日毎に用意されているフリーページも使っている。

そんな感じで、ここ数週間は就寝前の約10〜15分は日記帳の前で静かに自分自身と向き合うと決めている。気持ちが落ち着き、すっかり心地よい習慣になっているので、今のところ「続けられなかったらどうしよう…?」みたいな心配はほぼない。

はじめてみたら、想像していたよりずっとシンプルで、「あんなに気負わず、もっと気軽に始めてよかったのかもな」と思ったりもするけれど、多分、これが、私にとって必要な時間をかけて、最良のタイミングではじめた5年日記。

これからこの日記帳がどんな風に育っていくのか、とても楽しみ。

2024.01.21