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クビで良かった! 「人生万事塞翁が馬」の話


突然ですが、クビになりました。

全戸配布のフリーペーパーの配布員をしており、週2回、330部を配っていたのですが、ぎっくり腰になってしまい、2週間(仕事は4回)お休みを頂きたいと連絡したところ、

「そんなに長い間休むことは出来ないです。」
「辞めて下さい。」

と厳しい声で言われ、クビ。
あまりの急展開にびっくりしました。



一年前に捻挫をし、病院で全治三週間と診断された時は十分休ませてもらえたのに何故!?



「この状態でも配れるか試してみるので、
あと一回配らせてください。」


咄嗟に答え電話を切ったのですが、すぐにバカバカしくなり、もっと腰を痛めて家事も出来なくなってしまったら、夫と娘に申し訳ないと思い、
翌朝、辞めることを伝えました。


結婚を機に仕事を辞め、そのまま子育てに専念していたので、11年ぶりの仕事復帰でした。
早朝配達で日の出を見るのが楽しく、なにより自分のお小遣いが出来たことが嬉しくてはしゃぎました。

ほんの少しの給料でしたが、趣味の月謝や、カフェ代も自分で賄えるので、夫に気兼ねせず出掛けられるようになり楽しかったし、一回の配布に約3時間歩くので、体力もついて随分元気になりました。

でも、一年半で終わってしまいました。

「私が働ける仕事はこれくらいしかないのに。」
「楽しかったのにな。」

とても悲しくて、たくさん泣きました。


でも、悲しい気持ちの裏で、これで良かったのかもしれない、という思いも少しありました。




4カ月前から両手にしびれがあり、もしかしたら、新聞にチラシを挟める作業が手首に負荷をかけているのかもしれないと、神経内科の先生から言われていました。
神経の修復を助けるビタミンBを処方してもらい、チラシ入れをゆっくりと負担のかからないやり方でやるうちに治ったのですが、

「しびれ」→「ぎっくり腰」→「クビ」

という流れを見ると、仕事は止めなさいと、神様から言われているような気がしたのです。

手がしびれてもなかなか仕事を止めない私に、これでもかと、ぎっくり腰をプレゼントしてくれたのではないかと。



咳も、くしゃみも、しゃっくりも、重い物を持つ時でもなく、
ただ、台所で料理をしていたら、突然腰がぐにゃぐにゃになり、一歩も動けなくなりました。
全く兆候なしに。

ぎっくり腰は3回目ですが、こんなのは初めてでした。

重い時で34キロにもなる新聞を配達する時は、いつもコルセットをつけ、十分に気を付けていました。



実は、ぎっくり腰は、すごいタイミングでおきました。
というのも、人生で初めてホストファミリーを引き受けて、3日後にはアメリカから、14才の女の子が我が家へやってくることになっていたからです。

9泊10日の一大イベントです。

国際交流のボランティアをしている友人からお願いされて、日本にいながら外国旅行できるまたとないチャンスだと思い、受け入れることにしました。

兄弟のいない娘にとって、きっと素晴らしい経験になるだろうとも思いました。
家族全員が、ぜひやりたい!という気持ちになり、決めたことでした。

パニック発作のある私は、宿泊が長いので少し心配な面もあったのですが、全力で頑張る価値のあるイベントだと思いました。



ぎっくり腰になって、仕事を休まなければならないと思った時に、咄嗟に浮かんだことは、
「休めて嬉しい!!」
でした。

両親が一泊しただけで疲労する私。
身内以外で泊めたのは、娘のお友達を呼んで3回だけ。

安心できる家族でしかくつろげない私にとって、仕事とホストファミリーを両立するのは、厳しいと思っていました。
なんとか頑張って両立するしかないと思っていたところへ、突然の負傷。
そして、クビ。

2週間だけ休めたら良かったのだけれど、結果、クビになり、自分の思うようにはいきませんでしたが、
本来1カ月前に申告しなければならない退職が、即日解雇になった訳で、
私にとっては幸運な出来事でした。

最初心配したぎっくり腰も、2日で普通に歩けるようになったので、家事はいつも通り出来るようになり、ホームステイの子がやってきても無事、対応することが出来ました。

まさに、ホームステイのために首になったようなものです。



アメリカからやってきた女の子は、笑顔が可愛くて、賢くて、チャーミングで、一目見た瞬間気に入りました。
14才で飛行機に13時間乗り海を渡って日本へ来た、それだけで尊敬してしまいます。
チャレンジ精神旺盛で、私達にはない物をたくさん持っているキラキラした女の子に、すっかり魅了されました。


英語を全く話せない家族がホストファミリーをした記録は、ゆっくり時間をかけてまとめようと思います。

ここでは、詳細は省きますが、本当に良かったと思ったことは、仕事がなかったこと。
仕事をしながらホストファミリーを引き受けている方も多くありましたが、私には無理でした。


私は、いつもの日常と違うのでほとんど寝られなくなってしまい、体力を消耗して、寝不足との戦いが続きました。
すぐに寝られない上に、2時頃には目が覚めるといった具合です。
楽しすぎて興奮神経が収まらず、休むことが出来なくなってしまいました。


困ったと思った時に閃いたのが、このnote。
寝られない間に、以前から書きたいと思っていた「育児でパニック発作になったこと」を記事にまとめることにしました。

時間がたっぷりあったので、あっという間に仕上がり、この記事が今までの中で一番反響を頂きました。
書けて良かった!



ぎっくり腰になりクビになる。

(落ち込む (´;ω;`)…)

クビになったので、ホストファミリーに全力を注ぐことが出来た

(仕事をしていたら多分倒れてた (;^_^A))
(クビで良かった。)

ホストファミリーをしたら興奮して寝られなくなった

(辛い (;´・ω・))

寝られないので、毎日noteを書いた!

(書きたかった記事が完成!)



以上が、
私の「人生万事塞翁が馬」のお話でした。




捻挫した時のように、きちんと病院へ行き診断を受けていたら、ひょっとしたら、クビにならずに済んだのかもしれません。

安静にしていれば治ると自己判断して、電話をかけたのが間違いだったのかもしれません。

でも、結局は、私がクビになるように大きな力が働いていたのではないかという気がします。


ホストファミリーはとても楽しかったけれど、外国から来てくれた女の子を喜ばせたくて、毎晩出掛けたので、大変でした。
疲れさせてはいけないと思って、外出できるか尋ねると、必ず行きたいとの事。
元気でした。

仕事をしていたら、ヘトヘトになっていたことでしょう。
仕事が無かったことをどれだけ感謝したか分かりません。

彼女がアメリカに帰った後、どっと疲れて、これまた仕事が出来るような状態ではありませんでした。
2週間の休みで復帰するなんて、全然無理でした。

神様っているんだなと思いました。
クビが、私の最善でした。



一生忘れられない思い出です。



そして、今、私は、空の巣症候群、または燃え尽き症候群になってしまいました。

たった数日だけど、娘が一人増え、とても楽しかった日々。
いなくなってしまい、寂しくて寂しくて仕方ありません。

そして、頑張りすぎた反動で、今は何もやりたくないのです。
寝不足の反動がすごくて、朝起きられなくなってしまいました。
今日も昼までソファーで寝ていて、このままでは駄目だと頑張って、noteを書きました。


これまで、仕事でネジを巻いていた私。
仕事を失ったので、自分のネジを巻くことが出来なくなってしまいました。

自分の気持だけでネジを巻くことは、とても難しいのです。



楽しい後には、悲しいかな、辛いが待っている。
でも、やっぱり、めいいっぱい楽しいを味わいたい!


ホストファミリーは、人生でやってみて良かった事ベスト3に入りました。

ちなみに一位と二位は、
結婚と、出産です。
(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

「人生万事塞翁が馬」

私の大好きな言葉です。


何があっても良い事が待っている。

良いことがあっても、次何があるかわからない。

気を引き締めよう。
そう思えるポジティブなことわざです。


まさに、今、「塞翁が馬」が、続いており、次に何が起こるか全く予想がつきません。
流れに乗って、楽しい日常を取り戻したいです。

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