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スクーリング「保育相談支援」を誌上体験②ワーク編


では,いよいよワークを進めていきます。

みなさんに支援計画を作成してもらう「けい君」です。
けい君の園での様子,そのお母さんの状況がまとめてあります。
でも,これだけでは情報が足りませんね。

そこで,けい君のお母さんの登場です。
村田がカツラ装着。憑依的熱演!でも,その写真はお見せできません…。
面談をして,少しずつお母さんの思いを引き出していきましょう。
1人1人にやってもらいます。

面談の順番を待つ他の学生は,
その様子を見ながら2つのことをやります。
1つは面談のやり方をフィードバックすること。
付箋に感想・評価・アドバイスを書いて,面談者に渡します。
もう1つは,話の内容をよく聞いて,
新たな情報があればメモしていくことです。

全員,1人ずつやります。
けい君のお母さん役の村田とのやりとりを5分間行ってください。

では,全員,面談が終わりました。
今,もっている情報をもとに,「個別支援計画」を作成します。
まずは,個人でのワークです。自分なりの計画案を作ってください。

次に4人グループで話し合い,
グループ案を1つにまとめてください。
グループごとに発表してもらいます。


いくつかグループでまとめたものを紹介します。


グループでまとめた計画をもとに,
「伝える役」の人が,けい君のお母さんと面談して,
どうサポートしていくかを伝えてください。

ここでスクーリング2日目に突入します。

1日目と同じように,1人1人にお母さんとの面談をしてもらいます。
3ヶ月後の面談の中では…
・けい君の成長した点
・お父さんの協力はいまひとつ
・お母さんが第2子を妊娠していること
などがわかりました。
それを受けて,再び「個別支援計画」作成,グループでのまとめを行います。
以下に,グループでまとめたものをいくつか紹介します。


スクーリング最終レポートのテーマは2つです。

これを受けて,まずは「振り返りトーク」という時間をもちます。

新たなグループをつくり,そのメンバーの中で,
この2つのテーマについて自分が思うことを発表しあうワークです。
自分の考えをまとめて話すこと,他者の意見を聞くことで,
考えを広め深めることを狙っています。

学生1人1人の体験や学びをもとに,自分の言葉で書いたレポートはどれも素晴らしいものでした。以下に紹介します(一部修正)。

私が「保護者をサポートするために大切にしたいこと」は,保護者を〇〇くんのお母さん,〇〇くんのお父さんといった肩書きでみるのではなく,それぞれ個性のある一個人として接するということです。
今回の授業で,子どもの悩みに加え,旦那さんに対する悩み,交友関係の悩みなど,様々な悩みが入り交じり困っているお母さんの姿を見て,問題解決のためには,ただ一つの悩みを表面的に解決するのではなく,現状で悩んでいることについて全て聞き取り,多角的に捉えて解決に向かっていかなくては,根絶的な解決はできないと思いました。
「けいくんが登園時,不機嫌な様子である」という一つの事柄に対し,その裏にはお母さんの仕事が忙しいこと,お父さんが育児に協力的でないこと,助けを求められる相手が近くにいないこと,孤独な中での育児でストレスがたまっていることなど,様々な問題がつながっていました。そして,このような問題が起きる背景として,仕事へのスタンス,夫婦仲,人付き合いの下手さ,一人で抱え込んでしまう性格など,パーソナルな要因がたくさんありました。
保護者をサポートしたいと考えたとき,このような個性が要因となる様々な問題を解決するためには,一人一人の性格などを考慮し,それぞれに合った解決方法を見つけるため,保護者一人一人を一個人として見て接することが大切だと思います。
私が「保護者をサポートできる保育士」になるために身に付けたいことは,様々な専門知識をしっかりと身に付けることです。
保護者の中には,今回のように担任以外誰にも相談できる相手がいないケースもあると思います。そんなとき,唯一頼りにできる保育士が,様々な知識をもっていなかったら,その保護者の悩みはずっと解決されません。
子どもの成長のこと,専門機関のこと,夫婦・友人関係の上手は築き方など,様々な分野のことをたくさん知っておき,どのような悩みがあっても解決に導いていけるような保育士になりたいです。
私がこのスクーリングを受講して「保護者をサポートするために大切にしたい」と思うことは,保護者に寄り添い,頑張りを認めるということです。
今回,相談支援を勉強して,お母さんやお父さんといった保護者の中には,誰も頼ることができず,孤独を感じているということを知りました。
子どもに対する不安も「大丈夫だよ」と言ってくれる存在がいないからこそ,小さな不安が大きく感じ,保護者を苦しめるのではないかと思いました。だからこそ,保護者に寄り添い,「大丈夫ですよ。お母さん頑張ってますよ。」と,頑張りを認めることを大切にしていきたいと思いました。 
また,「保護者をサポートできる保育士」になるために,私がこれから身に付けたいこと,学んでいきたいことは,知識と話す力,冷静さです。
私は今回,けいくんのお母さんと面談をしてみて,自分が話そう聞こうとしていることを,面と向かうと緊張してしまって,できなくなるということがわかりました。
面談という場では「自分の思っていなかったことを保護者が話してくるかもしれない」ということを考え,幅広い知識を身に付けることが必要だなと感じました。
そして,自分のその場で考えたことをまとめてわかりやすいように言葉が伝えるということは,私の大の苦手なので,これから身に付けていきたいと思います。
最後に,今の私に一番必要なものは冷静さだと感じました。お母さんがもし感情的になったとしても,冷静に対応することで,お母さんも気持ちを安定して,きちんとした話し合いができるのではないかと思いました。

学生のレポートはこちらにも掲載しています。
インクルーシブ保育士の卵たち⑦
インクルーシブ保育士の卵たち⑧
インクルーシブ保育士の卵たち⑨
インクルーシブ保育士の卵たち⑩
インクルーシブ保育士の卵たち⑪

①講義編もぜひ読んでみてください。


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