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1月12日/7月12日 口から食べるご飯が美味しい、けど

病床で日記を書き始めてからちょうど半年の、本日7月12日。毎日更新をはじめます。
そのころの日記と、今の自分のコメントを軽く加えてみます。

ほとんど回復し、働けている今。半年前のあの時の気持ちを、もう一度噛み直さないといけないと思うんです。

1月12日の日記

はじめて手帳をもらった。大家さんから。
できるだけ、ちゃんと記録しようと思う。

ご飯はおいしいけど、お茶がトロミ付きでつらい。
夜にかわいてくるのも困(ま)る。
いつ変えてくれるのか?
話せるようになったのはありがたいけど。

昨日のずいえき(検査)は痛かったし、筋肉痛みたいなのがつづいてる。

悪夢ばかり見る。
これまでのいくつかのことを思い出す

7月12日からの解説

誤字脱字のオンパレードは、できるだけそのまま書いて、()で訂正しようと思います。
アイキャッチの、なんども書き直している、ヘロヘロな文字が伝わるでしょうか?
漢字はもちろん、ひらがなカタカナも、思い出せないときはスマホで調べて書いていました。

でも最初「あいうえお」以降が理解できなかったことを思えば、約1週間でここまで戻ったかという感じです。
でもその時は、「回復力がすごい?知るか!俺は戻りたいんだ早く!遅すぎる!」って感じでした。

あいうえおガチで練習してた年始のころのメモです。「らりるれろ」の「りる」とかまだ書けてなかったり。


シェアハウスの大家さんには、脳卒中で長くリハビリをしている旦那さんがいて、アドバイスをくれたり、回復段階に応じてボードゲームや漫画を貸してくれて、たびたびお見舞いにきてくださってました。親も親族も愛知にいるので、本当に助かっていました。

この頃ようやくご飯を食べられるようになって、それはもう感動的に美味しかったのです。
料理が好きな僕ですが、食べ物ってこんなに美味しいのか!と仰天しました。1ヶ月ぶりのご飯だったわけです。

しかし、詰まったりむせたりを防ぐために「トロミ剤」をあらゆる食べ物飲み物に混ぜられます。これがつらい。
特にお茶!お茶好きなのに!トロトロしてたら!もうそれお茶じゃないよ!!

そしてもうひとつのニュースが、気管切開で喋れなかったノドに、「スピーチカニューレ」という「声が出せる装置」が入ったこと。
時間制限があったり、夜に乾いてきたりが嫌で、普段の声とちょっと違って、ペースもゆっくりしか話せなくて、違和感だったけれど、
でもこれは革命的でした。

喋れる。喋ることは僕にとって根幹だったのです。ファシリテーションや漫才や取材、どこでも必須の、商売道具だったのです。

夜は、浅い眠りで、悪夢ばかり見ていました。年末年始には夢と現実がふわふわでしたが、この時は純粋に悪夢でした。
よく覚えてないんですけどね。

7月12日からのコメント

いつになったら戻るんだろう。どれくらい掛かるんだろう。
そればかり考えていました。

でも時だけが、ゆっくり解決してくれるって本当なんですね。
焦っても、時は変わらない。

半年経ってすら、全て戻ったとは言えない。でも新たに得たものと足して100%だと思う。
自分が過ごしたあの時間が、今の僕を支えている。当たり前すぎることだけれど、あの自分がいてくれたからなんです。

早く取り戻して、早くまた「人の役に立てる自分」になりたい。
恐ろしく歯がゆかった日々。無駄に思えた日々。
でもそれだけが今に繋がっている。


次の日の日記がこちら。

10日間毎日更新してみてからの振り返りがこちら。


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