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俯瞰の視点でユーザー体験を追求──取締役/UXデザイナーのキャリアストーリー

テクノロジーを駆使し、持続可能な組織と事業づくりを進めるKeepAlive。withコロナ時代の変革管理コンセプト『>>switch』とコンサルティングを柱に、顧客のDXを推進しています。大学生活の傍らクラブDJとして活躍した後、数社でのWebディレクターを経て第二創業期のKeepAliveに入社。現在、取締役を務める加藤和真が語ります。

クラブDJ兼イベントオーガナイザーとして地元ではちょっと知られた存在!

フライヤー (1)▲新潟時代にはDJとして活動し、クラブイベントを主催することも多くあった

新旧メンバーのインタビューが出揃ってきましたが、経営層があまり登場していないとのこと。そこで、まだ会社が小数規模だった2010年に参画し、現在取締役を務める私が指名されました。
今回インタビューを受けて改めて振り返ってみると、好きなことを追求しつつも、「どうやって相手に届けるか」を常に考えてきたなと気づきました。どういうことか?最後まで読んでもらえばわかりますので、どうぞお付き合いください!
生まれたのは新潟県の燕市。刃物や金属食器など、ものづくりのまちと知られる地域です。
水泳や陸上・バスケとスポーツが好きな普通の少年として育ち、高校生の頃にはパンクバンドにハマってロック好きに。
地元の工学系大学に進学した後は、仲間たちと「バンドをやるか、DJをやるか」と話し合って、DJを選びました。理由は仲間がDJ機材を持っていたから。楽器を揃えるより、話が早いというわけです。
地元のクラブで回すのはもちろん、ロックイベントを仲間と一緒にオーガーナイズしたりしていました。当時人気だったバンドを呼んだり、地元誌に取材を受けたりして結構本格的にやっていましたね。遊びながらもお金を稼いでいたし、地元のクラブシーンを少しは盛り上げたかもしれません。大学1〜4年生ぐらいの時です。
大学卒業後は、地元近くの照明器具系メーカーに就職しました。企画営業の傍らで照明器具の設計をやっていて、めちゃくちゃ忙しかったです。
平日は会社員、週末はDJという二足のわらじ生活でいこうと思っていましたが、さすがに毎日の帰宅が深夜越えという激務では難しかった。
結局2年間ぐらい勤務して、退職しました。
クラブイベントの関係でフライヤーやTシャツのデザインをしてクリエイティブ方面に関心があったので、もっとそういう好きなことをしたいなと。そんな思いが芽生えたのがきっかけです。
2000年初頭はWebサイトのデザイン要素が進化した時代だったこともあって、Web系の仕事に狙いを定めました。
そして上京して、Webクリエイターの養成校であるデジタルハリウッドに通い始めました。

東京でWebデザイナーとしてのキャリアをスタート 厳しくも充実した毎日

画像2▲上京直後の加藤。働きながらDJ活動に明け暮れていた

上京したのは25歳ぐらいで、下町に住み学校に通いました。学生に戻って、Tシャツプリントを細々とするぐらいのアルバイトで収入は微々たるもの。お金がなくて昼ご飯を食べていなかったせいか、今より15kg位痩せていました。ガリガリでしたね。
それでも、毎日楽しかったです。平日はWebデザインの勉強、土日は青山のクラブでDJと、好きなことしかしていなかった。今振り返っても、一番充実していた時期だなと思います。
そんな2年半を経て、あるWeb会社にインターンとして入りサイト制作を始めました。大手カジュアル衣料品チェーンのサイトリニューアルを手がけたりしていましたね。
厳しい現場で、1~2か月間は平気で家に帰れない生活でした。そして気が付いたら社員が全員抜けてしまって、バイトなのに自分がPMの立場という驚きの展開に。給料も役員より多くなってしまい、翌月から正社員にされました。
働き方改革なんて概念がない時代の過酷な現場でしたが、この時の経験は自分にとって糧になっています。「逃げずにやり切る!」。そんなポリシーが確固としたものになったのもここです。お金のために辞めなかった面もありますが、とにかく気合いで乗り切りました。

音楽やファッションが好きなのは当時も変わらずで、MTVの仕事に関わり、あるバンドのCDの初回限定版ゲームを作ったりと、忙しい中でも楽しみを見出して仕事に励んでいました。クライアントとのお付き合い関係で、夏フェスやカウントダウンイベントに招待枠で行けたのも嬉しかったですね。モチベーションのひとつでした。
あとはシューティングゲームが好きで、『コール オブ デューティー』などのFPSにハマってよくプレイしていました。
厳しく密度の濃い仕事が続き大変ではあったものの、自分の好きなことや趣味を追及できた時期だといえます。30歳弱までこの会社にいました。

KA代表との出会いのきっかけは「コアなファンしか履かないスニーカー」

画像3▲現在では取締役として経営に関与する傍ら、「UI研究部」として若手の育成や社内ツールの標準化にも取り組んでいる

所属していた会社では毎年エンタメ系・アパレル系の会社の人たちを100名ぐらい集めてパーティーを開催していたのですが、ある年のクリスマスパーティーで、自分とまったく同じ格好をしている人物に目が留まりました。パタゴニアのマウンテンパーカーにジーンズ、足元はニューバランスMT580といういで立ち。今でこそニューバランスは人気ですが、当時はかなりコアなスニーカー好きしか選ばないアイテムでした。
その人物こそが、KeepAlive代表の西田です。興味を持って話しかけてみると、やっているゲームが同じでサバゲーが好き。何かと共通項が多くて、すぐに意気投合しました。業界の仲間を50~60人ぐらい集めてサバゲー大会をやったのも懐かしい思い出です。
当時のKeepAliveは、ITコンサルティングとWebサイト制作の二軸で進む完全な分業体制でした。まだ10人にも満たないぐらいの規模で、西田が言うには、私のWebデザインは理に叶っていて手法も最新。KeepAliveにはないレベル感があるから力を貸してほしいと、入社を打診されました。
プライベートな交流を通して西田の人柄がわかっていましたし、KeepAliveが得意なシステム開発とフロントの連動ノウハウ・経験を得たい思いもあり、興味を持ちました。
たまたま転職を考えていた時期ではあったのですが、実際に入社するタイミングはもう少しあとだなと、その時は断ったんです。というのも、自分としてはアートディレクターとして経験をつめる会社に行って、経験値を積みたかった。なので、西田に「もう1社挟みたい。そこで1年ぐらいしっかり学んで、得た知見とスキルを持って必ず合流するから、もう少し待ってくれ」と率直に話しました。西田は私の気持ちを汲んで、快くOKしてくれました。
そして宣言通り、1年後の2010年にKeepAliveへ入社。当時の肩書としてはWebプロデューサーでしたが、アートディレクターとしてIA画面設計をメインにやっていました。取締役になったのは、入社から3年後位ですかね。
今も現場仕事は多いですし、どんどんやりたいです。ただ会社の方針として、自身の市場価値や教養を高めるための作業「インターナルワーク」を行う必要があります。就業時間内の稼働の1割~2割程度とはいえ経営にも関わる大切な作業ですから、前向きに取り組んでいます。

UI/UXはとにかく変化のスピードが早い!調査・研究活動を積極的に行いたい

画像4▲趣味で集めているスニーカーに囲まれる加藤

入社から10年が経ってKeepAliveの仕事の進め方はかなり変わり、自分の役割も変化しました。社員数もずいぶん増えましたね。一方で、変わらないのは技術に忠実であり、新しい技術を取り入れていく精神。ただ売ればいいという考えではなく「技術に根差したソリューション提供」という部分です。そこに魅力を感じて入社したので、ぶれずに守っていきたいです。
特にUI/UXの体験設計・画面関係は変化のスピードがとにかく速いですから、新しいものを学んでどんどん取り入れたいと思っています。
そのため私は「UI研究部」という活動を行っています。
最新の動向、UIフレームワーク、プロトタイピングツールなどの調査・研究、スキルアップ勉強会がメインで、約10名が参加中。基本的にはZoomを使用し毎週実施しています。
以前は自分で学び必要に応じて周りに教えてあげればよかったのですが、今は若手の学びをリードすることに気を配っています。UI研究と一言で言っても、それぞれやりたいことが違うので、そこをうまく汲み取っていきたいですね。これからも引き続きUIに関する最新の調査・研究を進めて、業務に応用出来る体制作りを行っていきたいと思います。
キャリアを重ねた今感じるのは、対クライアントも大切だけれど、実際に使う一般ユーザーの気持ちを大事にしたいということ。自分が好きなものを作ればいいわけではなく、最終的にはユーザーにとって使い勝手がいいサイトやサービスであることが何よりも重要です。
これは、DJをしていた時の感覚に通じるものがあります。自分はアーティストではなく、フロアのお客さんを楽しませるためにやっているという俯瞰した視点です。デザインとDJは一見すると、似て非なるジャンルですが、「視点をどこに置くか」という部分で実はつながりがあるのです。
ただしこれは経験から得た私なりの考えなので、他の人に押し付ける気はありません。むしろ、「自分は顧客体験設計に関してこういう考えがある」という、まったく違う意見を聞いてみたいですね。

さて仕事の話題が続いたので、少し個人的なことをお話します。
趣味はスニーカー集めです。前段にも出たニューバランスは今でも好きですし、ナイキに関してはAir Jordanをメインに色々集めています。アパレルも好きで、40代になった今もストリート系ブランドはよく着ます。ロックも変わらず好きで、今はネオロカビリーなど特定のジャンルを深掘りして聞いています。ファッションと音楽は自分の中で常にリンクしていますね。
最近の休日の楽しみは、もっぱら4歳の子どもと遊ぶこと。Nintendo Switchのゲームを一緒にやって楽しんでいます。

駆け足で自分のキャリアをざっと振り返ってみました。他のKeepAlive社員とはまた違った趣味趣向だと思います。タイプが違う個性的なメンバーばかりなのに、ちゃんと融合しているのがKeepAliveの良さです。どんな会社なんだろうと気になった人は、気軽にコンタクトを取ってみてください。

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