■気候変動対策よりも電力確保に動く欧州
8/12の日経新聞には、「欧州、電力消費に規制・対策 スペイン冷房27度以上に、フランスは石炭発電復活」という記事がでていました。欧州各国がロシアによる天然ガス供給減少への対応を急いでいる、ということで、やはりロシアによる侵攻によって、温室効果ガス削減という大きな方向性が、その岐路に立たされているような記事に見えました。
ここは電力消費に規制・対策ということを行いながらも、やはりできることを徐々に進めていくしかない、そんな時期か。
■バイオ炭を使ってカーボンクレジットを販売
ただちょうどその前の日経新聞には、商社の丸紅が「バイオ炭」を使って、空気中のCO2を農地に閉じ込め、そこで創出したカーボンクレジットを販売するといった事業を始めるという記事が出ていました。海外でも取り組みが先行しているようですが、カーボンクレジットを販売するという着想が、さすが商社。
■4パーミル・イニシアチブ
そして土壌炭素貯留についてインターネットで調べていると、4パーミル・イニシアチブという取り組みが。
この取り組みは、「全世界の土壌中に存在する炭素の量を毎年4/1000ずつ増やすことができれば、将来の大気CO2の増加量をゼロに抑えることができるという計算に基づき、2015年のCOP21で、フランス主導で始まった土壌管理技術などによる土壌炭素を増やす活動を推進する取り組み」とのこと。
パーミル(‰)という言葉が聞き慣れなかったが、%が1/100であるが、‰は1/1000ということで、4‰というのは4/1000、つまり0.4%ということのよう。
この言葉をググって見ると、山梨県が県の主要な農産物である桃やぶどうの果樹園などで取り組んでいた。
■バイオ炭と農業技術をセットでGlobalへ
日本は優れた農業技術があるのだから、その農業技術を売り込みつつも、山梨県がやっているようなバイオ炭の技術、そしてカーボンクレジットを販売する商社というタッグで、もっとGlobalに出ていけないものか。
太陽光発電は中国、風力発電は欧州や中国、という中で本来は技術力で勝る日本がそこで勝てないのであれば、農業技術にカーボンクレジットを組み合わせた別の軸での競争をするというのも一つの国家戦略ではないか。ふとそんなことを思いました。外貨獲得のために、もっとGlobalへ攻めていきたいものです。