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ぼくの「りんかく」4 - 星と海と空のおもいで

2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。
「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。

前回までの記事ではレイアウトが大きく変わったり、写真の見せ方が違ったり、タイトルが入ったりとありましたが、ここからは淡々と写真を掲載するページが続きます。一つ一つの写真にはもちろん意味がありますが、それを語ると僕の旅日記になってしまうと思って本自体には何も書いていません。

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この記事を書いているのは5月22日、昨日文学フリマ36が無事終了しました。当日ブースに来てくださった皆さん、本当にありがとうございました!また僕の作った本に興味を持ってくださり、話しかけてくださった方が多数いらっしゃったこと、とても嬉しかったです。「見本誌を見て写真が綺麗だったので」と購入してくださった方には驚きと喜びが混ざって不思議な気持ちになりました。

さて、本文に入る前になぜこれを書いているかというと「自分の旅日記でもよかったのでは?」という気持ちに、昨日現地でお話しをしながら思ったのです。
結果的に今回はこの形でよかったと思っていますが、例えば「この人はこの順番で日本を旅したんだ」とか、「この場所はこんな場所なんだね」みたいな、足跡を追いかけられるような本というのもいいよな、と。具体的には、自分が計画した旅の行程を誰かも真似できるようにしておくと、旅暮らし計画の参考にできるよね、と。

詳しく旅程を書かなくても、写真の横に行った時期と場所くらい書いても良かったのかもしれないな。

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7-8 伊豆大島

昨年10月に伊豆大島に行きました。伊豆大島は周辺が海で囲まれ人家も少ないため、夜は満点の星空が見渡せます。

満点の星空が見える島

1枚目の夜空の写真はADDressの「伊豆大島A邸」裏の運動場から撮影したものです。誰もいない真っ暗な運動場に1人、懐中電灯とスマホ、カメラを持って撮影していました。肉眼でも天の川が見えるくらい、本当に真っ暗。虫の声と風の音、海の音が気持ちの良い時間でした。

間違えちゃった裏砂漠

2枚目は「裏砂漠」と呼ばれる場所です。
伊豆大島の中央には三原山という山があり、その周辺はゴロゴロとした石ころのような火山岩の土が広がっています。

裏砂漠はその山の裏手に広がる砂漠です。砂漠といっても「黄色くてサラサラした土」が広がるそれと違い、ガラガラとした荒目の岩が転がっている場所にススキが点在している場所でした。

裏砂漠へのルートを間違えてしまった僕は、通常であればバギーなどで登る道を徒歩で30分ほど行き、写真の場所に辿り着きました。けどおかげで、誰もいなくて一面焼け野原のような、美しい風景に出会うことができました。

どこかもの悲しい感じもする1枚を選んだのはなんでだろう。風もなくて、静かで、夕暮れ時のあの場所の雰囲気、自分が感じたイメージに近かったからかもしれません。

そうそう、運が良いとウズラに出会えるようですが、僕は出会えませんでした。。。

9-10 鶴巻温泉&伊豆大島

今度は見開きで場所が混ざってます。
上の写真は鶴巻温泉で、下は伊豆大島の筆島近辺で。時期は9月〜10月ごろでしょうか。

のりこ食堂と鶴巻温泉B邸

ADDress利用者の方には馴染み深い人もいらっしゃるかもしれませんが、のりこ食堂は鶴巻温泉B邸から始まりました。

ADDressというサービスのコミュニティーには様々な人がおり、のりこさんという方は得意の手料理で全国各地からくるゲストのお腹を満たしています。僕は運良くそのスタートに関わることができ、その時の思い出深い写真です。

また、この時点で鶴巻温泉B邸がクローズすることが決まっていたため、そこで見れる普通の風景さえ愛おしいな、と思いながら家の中を撮影した1枚でもあります。何気ないカーテンの写真ではありますが、畳まれたシーツが手前にあったり、頻繁に使われていたであろうホワイトボードマーカーなどがテーブルに見えます。

筆島から見る朝日

2枚目は伊豆大島にある「筆島」という島の近くから見た朝日です。
伊豆大島滞在中に何度かこの朝日を見るために筆島を訪れようと考えていたのですが、雨のためなかなか実現できませんでした。

満を辞して向かったこの日は、雲が出ていたものの気持ちの良い朝を迎えることができました。もとい、雲の隙間から漏れる朝日の光がとても綺麗で、周りには誰もいなくて、海風の気持ちがいい朝でした。

この写真の方角にはハワイ島まで陸がないため、なーんにもない水平線がただそこにあるだけでした。

まとめ

今回は東京都の「伊豆大島」と、神奈川県の「鶴巻温泉」がピックアップされた7-10ページをご紹介しました。

淡々と始まる写真の連続。キャプションなし、かつこの場所を知らない方にとっては「ハテナ?」な内容になってしまっているかもしれません。ただ今回はそういうつもりで作ったので、、、仕方ない。

写真の内容を語っていくと結構細かい話が入ってきて、本当にこれは思い出写真集になっているというか、僕が歩いた足跡になっているんだなと改めて思います。そういうのをもっと素直に伝える方法も試すことができたら良かったのかな、と文学フリマが終わった今は思うこともありますが、それは試してみたから思えることですね。

さてこちらの冊子ですが、現在はADDressユーザー限定になってしまうのですが鶴巻温泉A邸で閲覧・購入ができます。(家守さんのご好意でおいていただけることになりました!)
もし滞在される機会のある方は、キッチン脇の棚をチェックしてみてくださいね。




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