ぼくの「りんかく」10 - 知らないことをたくさん経験した日々だった
2023年5月21日(日)に行われた文学フリマに出品する「りんかく」という写真ZINEについて、作者サイドからあれこれ裏話をするnoteです。
「だれかに写真を撮ってもらうと、自分から見えない『輪郭』が見えて立体的になる気がする」。この本は多拠点生活の「りんかく」を集めた立体記録。
31-32 丁寧な暮らし
ここは両方とも福岡県の八女拠点。
ADDressでは「八女拠点」だけれど、本当は「天空の茶屋敷」というゲストハウスに滞在した時の写真です。
この場所は「ポツンと一軒家」的な場所にある拠点で、最寄りのコンビニまで車で20分!それだけに自然豊かな場所で、それを求めて海外の方も多く滞在されていました。
庭には放し飼いにされている鶏がいて、けれど夜になると鶏小屋に入れてあげないと野生の動物に食べられてしまう。気づいた誰かが鶏小屋の扉を閉め、朝になったら開けてあげる。
滞在している人が多い時は、朝起きて釜で6合お米を炊く。みんなで食事を用意する。あるドイツ人の滞在者は「これが丁寧な暮らしだよな」と言っていたのが印象的でした。
33-34 知らない目線
1枚目はところ変わって由布院。滞在中にちょうど「野焼き」が行われていました。前の年に山についてしまった虫を一掃して、春に芽吹く新しい芽が元気に育つように行われる行事とのこと。身長より高い火が山を焼く様子にはとても驚きました。万一を想定して、消防団の方が連絡を取り合い、現場を見守っていたのも印象的です。
2枚目は戻って八女拠点。
映っているのはオーナーの息子さん、りゅうちゃん。この日は広い畳の部屋で自由に動けるとあって、ものすごい勢いで部屋を駆けずり回っていました。
この時「子供を撮るって大変」と思い知った瞬間でもありました。まず身長が低いから、こちらも目線を合わせるとなると体を低くしなきゃいけない。しかも予想できない動きをするので、狙って写真を撮ることがなかなか難しい。半分くらいブレてたり、何も映ってなかったり。時にはレンズを舐めようとしてきたり、カメラを奪われたり(笑)
ふと外を見てくれている瞬間に良い感じに撮れた写真なのですが、実はガラスを舐めようとしているシーンだったりします。
まとめ
今回は八女拠点で撮影した写真が多かったですね。それだけ濃い時間を過ごせた場所でした。街にあるようなものは何もないけど、大切なことを取り戻させてくれる何かがある場所です。
また、野焼きというのは由布院に限らず全国的に行われているものらしいですが、僕は初めてみたのでびっくりしました。燃えた真っ黒な枯れ草が風に待って、山の下の街へ一週間ほど降り注いでいたのもまた印象的でした。
さてこちらの冊子、現在はADDressユーザー限定になってしまうのですが鶴巻温泉A邸で閲覧・購入ができます。(家守さんのご好意でおいていただけることになりました!)
滞在される機会のある方、よろしければキッチンにある物販棚をチェックしてみてくださいね。
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