ああ。なぜ熱々の卵スープにイージーファイバー入れたのだろう私は

私はよく寝る前にアイスを食べる。

アイスを食べると体温が下がり30分以内に就寝すると、深く眠れるらしい。

疲れも取れるという。

その日私は近所の中華料理屋さんで食事していた。

隣には女性が座っていて後から仕事終わりの男性が来た

2人は頼んだ炒飯の量の多さに驚く。
さらに炒飯1つにスープが2つ提供されたことを「サービス」と気づき嬉しそうだった。
男性が「ここいいね」と嬉しさを伝えると女性は「食べログで調べたんだよ」
と得意げにこたえた。

しばらくして私はその男性が何かカバンをごそごそしてるのに気づいた。

そこから何か取り出しておもむろにそれをスープの中に入れた。


女性が「それ絶対やめな?初対面の人にはやらないほうがいいよ?例えば合コンとか」

「わかった。。」
男性は縮こまっていた。

破れた包装紙から、わたしは男性が「イージーファイバー」という健康食品の粉末を出し、熱々の卵スープに入れていたことがわかった。

私は会計を済ませ、何言っているかわからない店主の叫び声(多分「ありがとうございます」)を背中で浴び、家路に向かって歩く。


先ほどの一連の二人のやり取りを小雨の降る中考えていた。

金曜の夜に食べログで調べて先に来て席を取っておいてまだかまだかと待っていた女性。

楽しみにしていたに違いない。


金曜の夜にサービスで出された熱々の卵スープにイージーファイバー入れた男性。

いつもの習慣だったに違いない。

何言っているかわからない叫び。

ありがとうございますに違いない。

今頃彼は「ああ。なぜ金曜の夜にサービスで出された熱々の卵スープにイージーファイバー入れたのだろう私は」と思っているかもしれない。

近くのスーパーでアイスでも買って帰ろうと思う

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