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2匹目の保護猫がやってきた

コハクは、兄弟がいなかったせいか、猫や人とのコミュニケーションが苦手で、甘えたりすることを知らない猫だった。だいぶ丸くなってきたとはいえ、やはり猫語を喋る友達が必要だろうと同じ施設から当時3ヶ月のフクちゃんを迎えた。

3代目保護猫フクちゃん(オス・保護施設出身・享年8ヶ月)

ちなみになぜかフクちゃんだけは、「フク」とは呼んだことがないので、「フクちゃん」と記すことにする。この名前は、義父がつけた。幸福のフクだった訳だが、早世してしまい、ちょっと義父は気にしていたような気がする。

フクちゃんは、シャム系で小さい体の割に声が大きく、よく鳴いた。家に来たばかりの頃は、ずっと鳴いていたので、兄弟と離されて寂しいのか不憫に思い、トライアル中にやっぱり施設に返そうかと思っていたら、私がいない時に旦那がケージから出して、いつの間にかコハクと仲良くなっていたのだった。私は、拍子抜けして、人間ができることばかりではない、猫に任せることも必要だということを学んだのだった。

フクちゃんは、人が大好きで、いつもくっついてきて甘えてきた。夜中にトイレに起きても、必ず飛び起きて、後を付いてくる。一緒に寝るのも大好きで、特に脇の辺りで腕を枕にして寝るのが好きだった。コハクは、3歳ぐらいまで、一緒に寝ようとはせず、いつも窓辺だとか、人とは離れた自分の好きなところで寝ていて、猫とはそういうものなんだと思っていたので、こんなにくっついてくる猫は初めてで新鮮な驚きだった。

フクちゃんの好きなところがもう一つ(全部好きだがその中でも)。猫は興奮したり、甘えたりするとお尻から何やら臭い匂いが出るのだが、フクちゃんは、私といる時によくこの匂いを出していて、フクちゃんのこの匂いが好きだった。臭いというか、香ばしい香りで、ときどき、もう一度この匂いを嗅いでみたいと思う。

コハクは、保護施設でも子猫とは仲良くしていたので、3ヶ月のフクちゃんのことを可愛がった。毛繕いが大好きなので(自分の毛繕いも入念にする)、いつもフクちゃんを舐めていたが、フクちゃんが大きくなってくると、雄同士というのもあるのか、なんとなくライバル視するようになった。

フクちゃんは平和主義者で、猫にも人間にも怒ったのを見たことがない。対してコハクは、当時は、常に怒っているような猫だったから、フクちゃんには苦労させてしまったのかも知れない。

途中、別々の部屋にしようかと思ったこともあったが、ずっと兄弟や多くの子猫とわちゃわちゃと育ったフクちゃんは寂しがり屋で、一人でいるとずっと鳴いているような子だったので、なんとなくそのままにしてしまっていた。今から思うと随分とストレスが溜まってしまってたのかも知れない。

その後、フクちゃんは、1歳になる前にFIP(猫伝染性腹膜炎)という病気で旅立った。うちにいたのは、6ヶ月か7ヶ月ぐらい。そのうち3ヶ月は闘病生活だったので、元気だった期間は3、4ヶ月ぐらいだったかもしれない。本当にあっという間にいなくなってしまったのだった。

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