プロカウンセラーの聞く技術。

「プロカウンセラーの聞く技術」

という本を買いました。著者の東山絋久さんは京都大学の名誉教授。
あの河合隼雄先生の弟子(?)っぽい。あと、カールロジャーズ研究所への留学経験もあるらしい。

ちなみに、カール・ロジャーズはクライアント中心療法の創始者で、最も影響力のある10人の心理療法家の第1位にも選ばれた人らしい。(Wikipedia)

この本はタイトル通り聞く技術がたくさん書かれてます。

ほうほうと思った内容をいつも通りアウトプットしていきます。今日は2つ。

listenせよ、askするな

驚きの内容です。カウンセリングであれば、色々たずねた方が良くないって思いました。もちろん「1つも質問するな。絶対に質問してはいけない」というわけではなく、どちらかと言えば、たずねることが中心になってはいけないということだと思います。

たずねるというのは「どんな感じなんですか?」「どこが悪いんですか?」「どう思いましたか?」などになります。

この「たずねる」行為というのは、あくまで質問する人の意図に沿っていて、自分が望んでいる情報ばかりを集める結果になり、話し手の立場から発した情報が得られなくなる。と東山さんは述べています。

これは、なるほどですね。

私たちは人の話を聞くときに、ただ聞くだけではなく質問することも多いんではないでしょうか? 少なくとも私は結構たずねるマンです。

でもやはり訪ねてばかりいると、「相手が話したいことを話す」ということを邪魔してしまうかもしれませんね。

訪ねたくなる気持ちわかりますが、ちょっとこらえてみて、ただ相づちをうって相手が発信するのを待ってみるのもいいかもしれません。

話し手の波に乗る

これはなんとなく理解できますね。「聞く」には話し手の波に乗ることが必要なんじゃないかってことは想像に難くないです。

話し手の波に乗るにはどうすればいいのかというと、東山さんは一番簡単な方法として、逆接の接続詞を使わないことと述べています。

具体的には、でも、しかし、けれど、なとを言わないこと。

ちなみに東山さんも心理の院生には、「デモ、デモとデモ行進するのは、けんかするときだ」と教えているそう。デモ行進とは東山さんもユーモア溢れる人なんでしょうね。笑

逆接の接続詞を使わないことは、結構むずかしいかもしれません。私もこの本を読んでから人の話を聞くときに意識したのですが、「でもさ、」とかめっちゃ言ってることに気づきます。

「聞き」たいのに、「言い」たいがでてきちゃいますね。反省反省。

まとめ

他にも面白いことが、いっぱい書かれています。この本の帯には、「この本を読んで私がいかに人の話を聞けてないのかわかりました。」と書かれてますが、全くの同感であります。

カウンセラー向けというよりは一般向けに書かれている本なので読みやすくてためになります。人間関係に使える極めて実用的な内容ではないでしょうか?

プレゼンとか相手に伝える技術が書かれた本は、結構いっぱいありますが、反対に聞く技術が書かれている本はわりと少ないと思うので、おすすめです。

プロカウンセラーの共感の技術という本も2015年に発売してるのでそちらも気になりますね~。著者は東山さんではないですが。

参考

東山絋久(2000) プロカウンセラーの聞く技術 創元社

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