朝井リョウ「正欲」

朝井リョウの「正欲」を読んだ。
私なりにざっくり言えば「多様性」がテーマの作品である。

多様性を認める・理解するということは大切なことだと思っていたが、今一度考えさせられる。

作中にて特殊な性癖を持つ登場人物のセリフに以下のようなものがあった。

「なんであくまで自分は "理解する側の人間" だと思っているんだよ」

多様性を考えるとき私はいつもマジョリティの立場にいたことにハッとした。私がマジョリティ側であるとは限らないし、そもそもマイノリティの人たちはマジョリティの人たちに認められなければならない存在なのか。認める認めない、理解する理解しない以前にただそこに存在しているものではないのか。

「私はマイノリティに理解があるよ」「私は多様性を尊重しているよ」等と軽々しく言えなくなった。




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