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家事ができない女の弁。

わかるよ。わかります。
私かやらないとあなたがやってくれて、あなたがやらないと誰もやらないことが多すぎるんですよね、たしかに。分かります。
色〜んな人と共同生活送ってきて、毎回言われたから、私はほんとに家事ができないんだと思う。
できないと言っても、まったくできない訳ではない。おそらく周りからはやる気さえあればできるタイプでダラけてるだけだと思われている。でも間違いなく才能がない。
料理は毎日するし、洗濯も定期的にする。
部屋は、ホコリがえらくたまったり散らかっていることが気になったら掃除する。
この"気になる"のペースが常人からすると痺れを切らすレベルらしい。
自分はほとんど気になってないので、誰かがやる必要があるとも思ってない。なので放置。

もっというと床に髪の毛が散らばってても、ティッシュの空き箱がその辺で潰れてても、ああ、あるなと思うだけで気になってない。
バスタオルを洗うのは良くて2週間に一回。

このムーブが真人間の同居人側からするとどうやらかなりのストレッサーになるらしい。
生ゴミにコバエが湧いてても、嫌だなあと思いながら数日放置。
洗濯物は取り込むがたたまない。
料理はするけど使った食器は変な臭いがするまで無視。
気になるのは主に、他人が足を踏み入れることが確定してるときだけ、外面を保持したいだけである。

なんとか人を招き入れられる状態まで片付けたと思って、謙遜のつもりで「散らかってるけど〜」なんて言っていたけど今思えばきれい好きの人には散らかってはないけど汚いなあとすぐにバレてたんだろう。

わからないんです、やり方が。
どうにかやれたとして、保てる自信もない。
物の住所を決めても、カテゴライズしにくい子をどう扱ったらいいかわからない。
子どもの頃は「その他」boxを作ってそこに入れてたけど、その箱が一番大きくてパンパンに詰まっていた。

どんなに家事が苦手だろうと、親がしっかりメンテナンスして片付いた家を完備していて、それを見て育った子と

小学生から家事をいくつもおしつけられ、やり方はろくに教えられずできあがりの合否は気分でくだされる、細かい荷物でゴチャゴチャした、安くて簡易の出来合の収納しかない家で育った子は

こんな風に差が出るのね、と思う。
だって彼くん、あなた私よりよっぽど家を美しく保つことが上手。
だから、
なんでこんな事もできないの?
言わなくても分かるじゃん。
なんて冷たいことは言わないで
優しく見守るつもりでどうすれば良いのか一緒に考えて助けてほしい。
ごめんね。

その分、あなたの苦手なこと、できないこと
一緒に解決できるように
あなたが少しでも快適に生きられるように
今までもこれからも寄り添い考え続けますから
頼むよ
優しくしてね

小学生の頃から私には家事の義務があった。
朝は早く起きて犬の散歩、薪ストーブ着火、朝食作り、学校から帰ったら洗濯物畳み、掃除機かけ、米炊き、夕方の犬の散歩、夕食の皿洗い。
中学生の時は給食がなかったので、これに弁当作りが加わった。
犬の散歩は寝坊しても短縮したり休むことは許されなかった。最低20分はウロウロしなければいけなくて、早く帰りすぎるともう一度出て行かされた。
冬の散歩はとても寒かった。
私は真面目に授業を受ける学級委員になりたがる子だったので家の用事で学校に遅刻するのはすごく辛かった。
通りがかりのカラスに、バーカバーカと叫ばれる始末だ。

私が遅れて教室に入ると、不思議とあまり怒られることはなかった。顔を真っ赤にして今にも泣き出しそうな表情で目を泳がせてたからだろうから、そんな子怒れないか。
皿洗いは年中お湯と洗剤の使用は禁止だったので冷たい水で食器を洗わねばならず、毎年全ての指がしもやけでパンパンに腫れた。
米炊きは炊飯ジャーではなく、見守り火加減を調整する必要がある圧力鍋やお釜ね。釜飯マンのやつ。
学校終わり友達が遊びに誘ってくれたから今日は洗濯物は無しで〜なんて自己判断は許されず、約束の時間が過ぎようが義務を遂行させられた。
門限も謎に早かったのですべての義務が終わって遊びに行っても一時間も遊べないため泣いて抗議すると、その日の外出自体禁止にされた。おかげで友達関係は歪だった。

そもそも私にとって、家事というものが
束縛、義務、理不尽、霜焼けといったネガティブな記憶と強固に紐付けられてしまっていて
本能的に避けてしまっているような感じもする。
とにかく遠ざけたい存在。
誰かが優しく導いてくれでもしないと克服できる気はしない。

こんな人間、やっぱり他人様と暮らす資格なんてないかなと思ったりもする。


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