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東急vs小田急

小田急電鉄は、1948年、東京急行電鉄から分離して設立された。
今の東急は持ち株会社である。東急の傘下の一つとして東急電鉄株式会社がある。
小田急は小田急電鉄株式会社である。その傘下に流通、不動産、その他事業がある。

2013年以降、東急(株)(9005)と小田急電鉄(株)(9007)の株価は似たような動きをしてきたが、20年の新コロショック後、両者の動きは股裂きになった。

不思議なのは小田急の株価である。
新型コロナウイルス感染拡大で電鉄業界は運輸もレジャー・ホテル事業なども大きくダメージを受けている。そのなかで、どうして小田急の株価は上昇したのだろう?

新型コロナウイルス感染拡大まで東急を保有していた機関投資家が、渋谷の不動産に短期・集中投資していた東急を売って、小田急を買うというトレードをしたからだろう。小田急を買い上がる理由は他になかったはずだ。
機関投資家はセクター・ウェイトを変えず、銘柄のスイッチを行った。

そして、新型コロナ・パンデミックが一段落し、ワクチン接種が進み始めアフターコロナが意識されるにしたがって、その巻き戻しが起きた。

長期相対株価(東急/小田急)を見ると、東急はバブルで上がり、その崩壊(経済ショック)で落ちている。90年の不動産バブル、00年のITバブル、08年のリーマンショック。
不動産バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショックの時は経済の過剰(構造的問題)が露見したが、20年の新コロショックによる下落は災害のようなものだ。
しかし、22年の回復は何だろう? 23年に東急の株主は再び奈落の底に落とされるのだろうか?
それは、とりもなおさず、市場全体がショックを受ける時ということだ。

2018年頃だと思うが、東急の株主総会で、おばあちゃんが「以前は、東急の株価は小田急と同じだった。それが今は小田急を下回っている。経営者として責任を感じないのか。」と質問していた。ここにきて両者の株価はほぼ並んだ。東急の前社長はホットしているかもしれない。


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