見出し画像

米国で長短金利逆転が景気後退を示唆

次のFOMCで実効FFレートが4.33%(実効FFレートとは、誘導レンジでなく、実際に取引されたFFレートを取引高で加重平均したもの)になり、10年金利が3.6%とすると、10年金利はFFレートより0.73%低くなる。いわゆる逆イールドだ。こうなると、過去においては例外なく時間をおいて経済成長率はゼロ付近かマイナスになる。

債券投資家はそういう見方(長短金利逆転⇒リセッション)をしない。順番が逆だ。
債券投資家は、リセッションを予想するので、長短金利逆転になると考える。 金融引き締め(利上げ)⇒やがて景気後退⇒やがて利下げ⇒それを見越して長期金利低下 ということだ。

1980年半ば以降、長期金利が政策金利を下回るとき、その幅は1.5%程度までだった。しかも一瞬だけだ。そういう前提だと、来年FFレートが5.08%(実効レート)まで引き上げられるとして、それより1.5%低い水準とは3.58%となる。今の水準と同じだ。そうだとすると、長期金利はこれ以上低下しないことになる。

今、債券投資家が悩んでいるのは、70年代型の景気後退の可能性だ。長期金利が政策金利より3%以上低くなることもあるのではないかと、うすうす恐れている。この判断が難しい。
これについては改めて考えることにする。

ところで、長短金利逆転⇒リセッション と考えるのは株式投資家だ。そのかわり、株式投資家は、リセッション⇒株価下落 と考える。株価の景気に対する先行性だ。

債券投資家は、リセッションになると思えば、長期債を買って長期金利を低下させ、長短金利の逆転を起こす。
株式投資家は、リセッションになると思えば、株を売って株価を下げる。今の株価は来年のリセッションを示唆している。

参考までに、日本においては、株価に景気に対する先行性は見られない。一致指数だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?