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147 日本経済の目標 シリーズ (1)

いずれまとめたいと思うが、とりあえず、そのためのメモとして書いていく。

模擬試験の偏差値だったり、血液検査のデータだったり、何でもそうだが、判断基準としての数値がある。
経済指標を見るときの判断基準は?
それは、誰が見るかで変わってくる。経済学者、内閣府や日銀、企業、投資家・・・
私のnoteでは、投資家の立場で相場判断のために経済指標をチェックしている。
と同時に、日本国民として望ましい経済へ向けてという概念でも見ている。

(1)経済(政策)の目的・目標 これが最終的な目標である
経済成長、完全雇用、物価安定、経済のサステイナビリティ(持続可能性)

(2)経済成長(景気がいい)とは
より多くの人が豊かな暮らしをして、そのレベルが上がっている状態。
但し、「豊か」は人によって感じ方が違う。
より多くの人が社会にサービスを提供し、その対価(報酬)を受け取り、逆に、その報酬を対価としてサービスを受ける状態。
未来に大きな不安がない状態。

(3)日本経済の現状
名目成長が停滞し、労働者の賃金や国家の税収が抑えられ、社会保障も圧迫されている。

経済(名目GDP)が拡大しない。税収の伸びが低い一方で、社会保障給付費(年金、医療、介護等)は拡大。結果として財政収支は悪化、政府債務は拡大していく。この図式はサステイナブルではない。」

(4)今の経済成長目標 (アベノミクスを踏襲している)
基本的には、
3%の名目成長(1%の実質成長&2%の物価上昇)⇒3%の雇用者報酬増加(賃上げ)⇒消費拡大⇒3%の名目成長⇒・・・
というスパイラルな経済拡大。
但し、鶏卵論争(卵が先か鶏が先か)があって、最初のきっかけをどうするかが問題だった。
昔は、金融緩和(利下げ)⇒円安⇒輸出増=生産増⇒賃金上昇⇒消費拡大 という図式であったが、日本企業の生産の海外移転でこの図式がワークしなくなっている。なので、政府は企業に賃上げを要請したが、企業はない袖は振れないとそうはいかなかった。

(A)デフレ脱却
幅広い項目で緩やかな物価上昇。目標数値は安定的2%の物価上昇。
たとえ、総合物価が2%を越えていても、特定の項目だけが引っ張ているようでは目標達成ではない。
その意味で、物価は総合的に判断されなければならないが、とりあえずは、食料・エネルギーを除く総合物価の前年同期比、3年前比年率2%が目標になる。

(B)実質GDPで1~2%,、デフレーターで1~2%、名目GDPで3%成長
名目GDPで3%成長は重要である。この時、税収も適度に伸び、財政収支も安定する。世界における日本の経済的プレゼンス(存在感)も保てる。

(C)経常収支の黒字
日本は資源国(人的資源も含む)とは言えないので経常収支の黒字は重要である。別の機会に改めて説明する。なお、資源国であれば、経常収支が赤字になっても投資資金の流入があるのでカバーできる。また、将来の飛躍のための一時的な赤字も問題ない。

なお、アベノミクスでは、日本経済の低成長の要因が継続的なデフレにあると考えていて、「政策期待から円安と株価上昇を起こし、それらがデフレ脱却・企業業績の回復・資産効果による民間消費の増加をもたらし、自律的な経済拡大につなげていく。」ということだった。結果は、とにかく3%の名目成長(または600兆円の名目GDP)は全く達成できなかったのだから失敗に終わっている。
また、マンション価格はあのバブル期を超えるほど価格高騰が続いており、富裕層が拡大しているのは事実。しかし、「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」との目論見にも失敗している。
  

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