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171 米国経済 気になること

(1)インフレ動向 (サービス価格の3か月前比)
(2)雇用市場 (新規失業保険申請件数13週前比)
(3)企業収益(S&P500のeps前年比)とISM指数のギャップ
(4)金融引き締め下でS&P500のPERが拡大しているのは?
(5)景気と物価の関係
(6)中小金融機関の預金流出
(7)長期債を多く抱えている機関の状況

(6)中小金融機関の預金流出
金利上昇の最初の犠牲者が出た。SVBだ。
保有長期債の時価下落でバランスシートの状態が悪くなり、しかも取引先の業績悪化から預金が引き出されて、行き詰まった。

中小金融機関の状況が気になる。
チェックする指標としては、
(A)FRBの金融機関への貸し出し状況。
(B)中小金融機関の預金流出状況(注、預金は負債側の預金=受け入れた預金)。

(A)FRBの金融機関への貸し出し状況
SVB破綻(3月10日)後、FRBから市中銀行への貸し出しが急増。これが落ち着いてこない限り、金融不安は付きまとう。

最後は3月22日。
BTFPは新たに設けられた貸出制度。連銀窓口貸出は通常の貸出制度。

(B)中小金融機関の預金流出状況(注、預金は負債側の預金=銀行が受け入れた預金)
SVB破綻(3月10日)後、中小金融機関から預金の流出が起きている。これが落ち着いてこない限り、金融不安はつきまとう。
びっくりしたのは、大手行からの預金流出が大きいこと。但し、大手行の場合、ALMがしっかりしていて、十分対応できているようだ。
なお、預金の流出は、金融不安からの流出もあろうが、預金金利が低すぎるからだ。預金より、MMFや国債利回りなどのほうが金利が高い。さりとて、預金金利を上げられない。長短金利が逆転しており、高い利回りでの運用先がないからだ。

最後は3月15日


参考記事
米国の中小銀行、預金流出最大 大手行・MMFへ15兆円 - 日本経済新聞

米銀預金、SVB破綻の週に約1年ぶりの大幅減少-FRBデータ - Bloomberg

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