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最高で最強なRPGのお話

今回は制作中のRPG、
SING FANTASY (以下シンファン)のお話です。
かなりボリュームがあるので、
最後まで読破してくださる方はもう勇者です。英雄です。

【敵は自分自身】
元々RPGツクールMVというツールを使用していたのですが、
使用していた古いPCがバックアップ作業中にクラッシュし、
バックアップに使用していたUSBメモリの内部データごと逝去されました。
数年に及ぶ作業がすべて消え失せました。
心が折れそうにもなりましたが、
制作を応援してくれる人(が今も居ると信じて)の為にも
諦められないなと、風前の灯の中 這い上がりました。
MacBook Pro・RPGツクールMZを購入しました。
折れそうな心を、針金のように矯正し、直線に近づけました。
歪な形でも戦える。
むしろもっとおもしろくしてやる。
創作活動の敵は自分自身。
何度でも立ち上がれば負けることなどないのです。

【父が遺してくれたもの】
そもそもなんでRPGを作りたいの?っていう。
僕は幼少期、RPGにいろいろなことを教わりました。
信念を貫くこと、家族への愛、仲間と情報を共有する喜び…
いつか自分もRPGを作って、自分の作品で
この感動を誰かに体験してもらいたい!
そんなことを思ったのです。

父は自営業のプログラマーでした。
そんなわけで幸いにも
僕は幼少期からPCに触れられる環境にいました。
なお、僕自身はプログラムに精通してはいません。
そんな僕が『RPGツクール』を通して
RPG制作を初めてやってみたのが小学生の頃。
中古ゲームショップのレトロコーナーに置いてあった、
『RPGツクール3』です。
おじいちゃんなプレステに頑張ってもらってました。
データベースだけいじって満足するところから始まり、
長編RPGに憧れて挫折し、
クソゲー品をたくさん作るというステップを踏んでいきました。
父に言われた言葉
『何かを完成させるというのは簡単なことじゃない。
 簡単じゃないが、やる気があれば出来るということでもある。
 こだわりを捨てて妥協してでも、まずは完成させてみなさい』
この言葉は今でも心に留めています。
父は寡黙で厳しい人だけど、応援してくれていたのです。
僕は『父にプレイしてもらい、楽しいと言わせる』ことが目標になりました。
だけどその目標は叶わないものとなりました。
父は59歳という若さで病死したのです。

それでも僕の制作意欲が衰えることはありませんでした。
自分が考える理想的なRPGとは何か?
アイデア、キャラクター像、シナリオを
キャンパスノートに書き殴っていきました。
そのタイトルこそ決まってはいなかったけれど、
内容はシンファンそのものだったのです。
構想期間が長く、実際にゲームとして形にするまで十数年かかりました。

【ゲームコンセプト】
①プレイヤーが能動的に遊ぶフリーシナリオ
②ターン制コマンドバトル
③膨大な仲間キャラ
④癖がすごいサブキャラクター達

以上4つのメインコンセプトを軸にして書いていきます。

①プレイヤーが能動的に遊ぶフリーシナリオ
昨今のゲームは次の目的地などを
丁寧にガイドしてくれているものが多いですね。
敵の弱点属性まですべて開示しているゲームまであります。
プレイヤーが迷わないようにする為の親切設計です。
迷ったり、詰んだとプレイヤーが判断すれば、
そこでプレイを辞めてしまうかも。
それを防ぐ為の、非常に有効な手段だと思います。
でも、僕はこうも考えます。
『考えることを放棄させていないか』と。
もちろんゲームによっては、そう当て嵌まるものではありません。
『何を見せたいか・体験させたいか』ゲームによって異なるからです。
僕が作りたいRPGは『思考・選択の末に手にするゲーム体験』です。
戦闘面でいえば、
『敵のあの攻撃はどうすれば防げるのか』
『何を準備すれば効率よく勝てるのか』
『どのキャラクターでパーティを組むのか』
シナリオ面でいえば、誰かが抱える問題事に、
プレイヤーが自ら足を突っ込んだからこそ生まれる展開。
そこで提示される選択肢。新たな分岐。
ノーヒント、という訳でもありません。
街の住民たちからシナリオのヒントや敵の弱点などの
情報を入手できます。
これは、プレイヤーが歩いて手にした『成果』です。
こうすることで『作業感・やらされてる感』を
軽減できるというのが個人的な考えです。

②ターン制コマンドバトル
僕はサガシリーズをリスペクトしています。
隠すつもりはありません。
影響されていることをモロに出しています。
もちろん丸パクリはしていません。

なお、ターン制バトルでウェイト式にしています。
コマンド入力中は戦闘の時間が止まるというものですね。
これは、通学・通勤中にも気軽に遊んでほしいからです。

敵にHPゲージを表示していません。
理由はふたつ。
・ゲージを削るという視覚から生まれる作業感
・爽快感の減少
ふたつめを具体的に説明すると、
最大火力を敵に当てたにも関わらず
ちょっとしかゲージが減っていないのを見たら
萎えませんか?
僕は本当にこれが嫌いなのです。
敵のHPがわからないからこそ、倒した時の達成感は増します。
譲れない要素のひとつですね。

③膨大な仲間キャラ
プレイヤー毎で異なるゲームプレイを実現させる為に
絶対に欠かせない要素です。
物理特化で固めるも良し、
術特化で固めるも良し、
ビジュの好みだけで固めるも良し。
仲間になるキャラクターが多いというのは
戦略の幅を広げる要素にも繋がります。
キャラクターは200名以上いますが、
その誰もがそのキャラクターしか持っていない
強力な『固有スキル』があります。

④癖がすごいサブキャラクター達
サブキャラクター達の癖がすごいことで
印象的なクエストに仕上げることを意識しています。
これは、作者の仕事の経験が活きています。
毎日様々な悩みや問題を抱える職場・人に出会います。
色々な話を聞く度に、人間っておもしろいなぁと感じます。
自分が仲良くしたい人、となると当然話は変わりますが、
個性がたくさんあるからこそおもしろいんだなと思うのです。
みんながみんな同じ考え方・価値観だったら嫌ですよね。
違うからこそ葛藤や争いが生まれる。
実在する人物がモデルになっているキャラもいます。
ファンタジー世界なのにリアリティを感じられる要素を
実現できていると思います。
もっと入れたいくらいです。まだまだ足りない。

【絵師について】
タイトルロゴは、イラストレーターのりくさんと宇宙さんの合作です。
僕は元々このゲームにイラストを入れるつもりはありませんでした。
ところが、お二人が描いてくれたファンアートを見て、考えが一変しました。
『この人たちになら、シンファンのイラストを依頼したい!』
絵柄が素敵なことはもちろん、
お二人のシンファンに対する愛情を深く感じた為です。
今ではテストプレイヤーとしても力になってくれています。
プレイヤー目線で意見もくれます。
長文の感想も書いてくださいます。
本当にありがたいことです。
ゲーム制作の核はけちゃまろですが、
三人揃ってチームシンファンですね。
お二人の絵は今後続々とゲーム本編に追加されていきます。

【最高で最強なRPG】
この記事を書いている時点では大型アップデートを控えています。
物語がCHAPTER2に突入し、
オクトパストラベラーの様なブレイクシステムを導入します。
シナリオも多数追加されます。
試練の塔というエンドコンテンツも実装されます。
スピンオフ作品『QUI』も本編内で遊べるようになります。

記事タイトルの『最高で最強』とは何か。
他でもない、『けちゃまろが遊んで楽しいRPG』なのです。
誰彼構わず愛されるゲームなどあり得ません。
フリーゲームですので元から金儲けは目的ではありません。
ゲーム制作者として褒め称えてほしい訳でもありません。
僕が作りたい世界を具現化し、楽しみたいだけ。
そして、その延長線上にプレイヤーがいます。
これは本当に幸せなことです。
シンファンを愛し、楽しんでくれているプレイヤーに
寄り添いたいという気持ちが生まれました。
シンファンは、僕のアイデアとプレイヤーの意見によって
これからも進化してゆきます。

【むすび】
最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。
次回は『賞レースに参加しない理由』について記事を書くつもりです。
おつまろ〜。

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