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KEC Lite がさらにライトになりました

2021年に生まれた Kamiya English Coaching の新しいプログラム、KEC Lite (ライト)。このたび、さらにシンプルに、軽くなりました。

KEC Lite は「もうちょっと気軽に英語学習コーチングを試してみたい」というお声に応えてできたものです。「なんだかハードルが高そう」と言われがちな通常プログラムから、会話分析を応用した”英語学習の人間ドック” や Independent Study(自由研究)を取っ払い、セッション外のやりとりを最小限にして、料金的にも学習者のコミットメント的にもライトなプログラムをつくってみました。

幸いなことにスタート時から受講生のみなさんには好評だったのですが、実は私自身はいまいちしっくり来ないというか、ジレンマのようなものを感じていました。

だって、人間ドックと自由研究は KEC のプログラムの最大の特徴です。現状をじっくり観察し、そこから自分なりの学び方を見つけてだんだん独り立ちする流れを経るからこそ、学習者は自立して卒業することができます。さらに通常プログラムの受講生は、セッション外の時間に自分のペースで課題を進め、その都度フィードバックを無制限にいくらでも受けられます。学習者のクリエイティビティと自主性を存分に発揮してもらう仕組みです。

Lite というのはそれらの濃密で手厚いサポートを容赦なくざっくり削り取ったコース。自分でやったとはいえ、「そんな殺生な」という気分です。私は「これじゃ一般的な英会話スクールと変わらないじゃん」と思いました。KEC でやる必要あるのかな、と。

学習者のリクエストには応えたい。私としてはちょっと納得いかない。その相反する2つの気持ちの落とし所として、ひとまず年の半分だけ開講して様子を見ることにしました。やっぱり受けてくださった方の満足度は高そう。でも私にはまだどこか「通常プログラムだったらもっといろいろできるのに」という思いがありました。私にとっては「Lite」が重く感じられていたのです。

それから2年が過ぎ、ある日ふと「Lite を改造してみよう」と思い立ちました。きっかけは、ポッドキャストで私が「うちでは試験対策をやってない」と言ったときの、相方・倫子さんのこの言葉です。

えみさんのフィロソフィーが伝わってくる側面だなと思いましたね。私はたぶんそういう(試験テクニックを求めている)方がいらっしゃったら、「どういうものを準備したらその人ができる限り早く自分に合ったテクニックを見出してくれるかな」ってするかなと思いました。

『まなびのはなし』#29. 資格のための勉強

ハッとしました。「一人ひとりの学習者に合わせる」とか「二人三脚」とか言いながら、KEC のプログラムや運営には私の偏った考えがたっぷり染み込んでいるのだと気づきました。

もちろん理念や方針は必要なものです。個人事業なので、自分の好きにやったらいいという部分もあると思います。コーチがいなくても学び続けられるよう、学習者として自立してほしいという願いが変わることはありません。滑走路をぐるぐるまわるばかりで、いつまでたっても飛び立たない学習者になってほしくはないのです。

でも、学習者の望みより自分のやりたいことを優先するのは本末転倒です。

続いて、これまでの、特に Lite を受けてくれた受講生たちの反応を思い出しました。「通常プログラムはハードルが高い」と言っていた人が Lite でのびのび学んでいる様子。10週修了するときに「できることならもっと続けたいけど、延長はないんですよね…」と残念がってくれた修了生。2年の間に積み上がっていた、けれど私が聞こえないふりをしていた彼らの声が急に聞こえてきました。

実際、上に書いた「だって…」ではじまる文章には私のエゴがあふれています。そもそも自立への道のりは、その長さも内容も人それぞれのはず。”人間ドックと自由研究” への思い入れが強すぎて、それ以外の道が見えなくなっていたのかもしれません。「Lite で十分」と思ってくれる学習者に ”濃密で手厚いサポート” を押し付けようとしていました。ゆっくりじっくり学びたい学習者には「10週だけだよ」と脅し、「まだ学びたい」と言ってくれている受講生を「ハイおしまい」と遮って追い出していました。

凹みました。なんてひどいことをしてたんだ、と反省しました。そして、さっそく改造しました。変更点は主に以下のとおりです。

受講期間:(旧)10週間 → (新)5週間
更新:(旧)不可 → (新)可
開講時期:(旧)9~2月限定 → (新)通年

新しい KEC Lite の受講期間は5週間と、以前の半分になりました。また、希望すれば5週ごとに受講を追加することができます。少しずつ予定を立てたいタイプの方にとっては、はじめの一歩を踏み出しやすくなったかなと思います。開講時期のしばりもやめました。これで通常プログラム同様、「学びたいと思ったときが学びどき」。いつでも、やる気になったときに始めてもらえます。

そうと決めたら、なんだか気持ちが軽くなりました。のしかかっているように感じられたものの正体は、私自身の想いの重さだったのかもしれません。


Photo by Park Troopers on Unsplash

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