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「自分の学びは、自分で決める」ということ

KEC の英語学習コーチングは、一人ひとりが違うことを前提にしています。「コーチング・メソッド」では第一の特徴として “No two learners are the same.” を挙げていますし、セッションの中でも、この note や Facebookページなどでも「他の誰でもない、自分のための学び方」について繰り返し言及しています。

でもこれ、実はなかなか伝わらないんです。

もちろん、ひと昔前と比べれば状況は良くなってきています。いわゆる画一的な教育との対比、あるいは多様性の文脈において「違い」は肯定的に捉えられ、違いを尊重することが成長を促すという考え方がずいぶん浸透してきたなと感じます。

それでも、「自分の英語学習は、他の誰とも同じでない」と思うには至らないみたいなのです。確かに「これさえやれば誰でも簡単に英語ができる」という魔法があれば便利です。そんな魔法があると信じたい気持ちもわかります。たとえば “英語ペラペラ薬”を持っている人がいたら、分けてほしいと思うでしょう。少なくとも私は分けてもらいたいです。

ひょっとしたら世界にはそんな薬があるのかもしれないので、アメリカの大学院にもぐり込んで10年以上かけて探してみましたが、やっぱりありませんでした。仮にあったとしても、他の人に効くものがあなたに効くとは限りません。他の人の脳とあなたの脳は違うからです。

とても残念で言いづらいのですが、日本人にとって英語を習得するのは簡単ではありません。本気でやるには大変な努力が必要で、時間もかかります。まずここを納得して、覚悟してください。

そのうえで、敢えてがんばる人がいるなら、せめて効率よく、なるべく楽しく、すでに持っている個性や能力を最大限に活かして学んでもらいたい。そう思ってつくったのが KEC のプログラムです。

KEC では今年の夏、プログラムの受講体験をリアルタイムで発信してもらうという企画をやってみました。

協力者で受講生のツチコさんは見事完走し、10月にプログラムを修了するまでになんと42本もの記事を書いてくださっていました。

私は約束どおり、修了後に全部まとめて読みました。これまでにセッション後の振り返りや、卒業生インタビューなどで受講生の感想を見聞きすることはありましたが、ここまで詳しく受講中の様子を知るのははじめてです。「あぁ、そうだったな」と思い出すことあり、「え、そうだったの?」と驚くことあり。二人三脚とはいえ、当たり前ですが私とツチコさんの見ている景色はかなり違っていて、おもしろかったです。

体験レポートには、ツチコさんの感じ方、考え方の変化が記されています。「自分に合う学習法」についても、最初のうちはやはり「どこかにある便利な方法」を求めているようなところがありますが、だんだん「自分はどういう学習者なのか」に視点が移り、「難しくても、これならできそう」「こうすると続けられそう」というポイントを見つけられるようになっています。

「自分のための学び方を自分で探し、自分らしく学ぶ」というのは、このくらい時間をかけて、少しずつできるようになるものなのかもしれません。そして、それだけ微妙なプロセスだとすると、たとえばウェブサイトにちょろっと書いたぐらいで伝わるわけないよなと思いました。甘かった…。

じゃあどうすればいいかは、まだわかりません。とりあえず今までどおり、急がず、根気よく伝えていきます。



Photo by Alex Mihis on Unsplash

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