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脅さない、けなさない、押しつけない、盛らない、ごまかさない

Kamiya English Coaching のサイトリニューアルにあたり、「しないこと」を並べました。これは普段からコーチングセッションやフィードバックで、していないこと。しないのが当たり前なので特に心がけているわけでもないのですが、今回のサイト制作をきっかけに、改めて「しない」と決めました。

脅さない

「脅し」が良いものだなんて思う人はいないでしょう。でも、たとえばこんな表現はどうでしょうか。

「いまどき、英語もできないなんて」
「そんな英語じゃ、バカにされますよ」
「他の国と比べて、こんなに遅れていて、損をしてるんですよ」

KECはこれらを「脅し」と考えます。確かに、脅しによって私たちは一瞬身が引き締まり、「がんばらなくちゃ」と気合が入るように思えます。でも実はこれ、私たちの脳が危機を感じているのです。危機を感じた脳内ではストレスホルモンが分泌され、Fight-or-flight(闘争・逃走)反応が起きます。扁桃体がハイジャックされ、理性的な判断ができなくなります。

「追い込まれなければ、結果が出ない」という考え方もあるでしょう。試験前などの詰め込み学習はその例です。でもKECが目指すのは、一時的な結果ではなく、少しずつじんわり現れる効果。試験が終わったら忘れてしまう学習ではなく、長く英語とつきあっていける学習。だから、ストレスではないやり方で、学習者のやる気を刺激しています。


けなさない

「それじゃダメ」「ここが間違っている」など、欠点をあげつらうやり方をしません。学習者の英語についてだけではなく、他の英語教室や教材についてもです。けなし、けなされる環境は、自分自身をけなすことにつながりやすいからです。自分の英語をけなし、自信をなくし、失敗を避けていれば、上達までの道を遠回りすることになります。

たとえば、世間でよくけなされている日本の英語教育。私がインタビューでお話を聞く限り、英語が使える日本人の中で「学校の英語が役に立った」と感じている人と、「役に立たなかった」と感じている人の数は同じくらいです。深く考えれば考えるほど、簡単にけなすことはできないなぁと思います。


押しつけない

ある教授法やメソッドを取り上げて、「これが最強」「これさえやれば大丈夫」というような言い方をしません。言語習得の理論はどれも学習者のためを思う学者たちが丁寧につくりあげたものですが、完璧なものは1つもありません。おかげで、新しい理論の生まれる余地があるわけです。

KECにとって大切なのは、目の前にいる学習者が、いまどこへ向かっているか。それを踏まえてポケットからどんな“ひみつ道具”を出すか、考えます。


盛らない

まぁ、当たり前ですね。サイトにもセッションにも、誇大広告、誇張表現、妄想や水増しを混ぜないということです。コーチングは、コーチする側とされる側の間に信頼関係がなくては成り立ちません。


ごまかさない

センセイでもハカセでも、知らないことはたくさんあります。科学で解明されていないこともたくさんあります。KECは、不確かなことを言うより「わからない」と言う方が学習者のためになると考えます。

実際、私の経験にはかなり偏りがあります。多くの人が普通にできることで、私にはできないことが山ほどあります。たとえば、靴ひもが通せないとか。「え、本当に?」と驚かれるレベル。受講生に知らないことを教えてもらうのもしょっちゅうです。

Photo by Kai Pilger on Unsplash

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