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コンフォート・ゾーンの外側で待っていたもの

前回、「怖いけど、飛び込んでみる」と書いた言語コーチ・プロフェッショナル講座がはじまりました。

集まったメンバーは、オランダのイギリス人、スコットランドのスコットランド人、スペインのスペイン人、スペインのロシア人、ブラジルのブラジル人、私、の計6人。私以外は最近コーチになった人たちです。「コロナ禍でロックダウンが続く中、学校以外の働き方や新しい教え方を探していて、レイチェルを見つけた」とのことですから、2020年になってから立て続けに言語コーチ、上級言語コーチの認定を受け、一気にプロフェッショナルまで駆け上がってきたようです。みんな、フレッシュなやる気に満ちています。

一方の私は、資格講座ができたばかりの頃から関わる古株。自己紹介で「2010年に事業を立ち上げ、2013年にレイチェルと出会った」と言うと、全員に「ワーオ」と言われました。歴史上の人物みたいな扱いです。笑

言語コーチのコミュニティではいつものことですが、今回の仲間もやさしく穏やかで、挑戦をいとわず、教育者としての矜持を感じさせる人たちです。初対面で、母語や第二言語、文化、経験などはバラバラなのに、お互いに「like-minded(考え・目的・意見・好みなどが似ている、志を同じくする、同士の、気が合う)だなー」と感じることができます。後述のとおり毎回3時間、しかも日本時間では未明~早朝の時間帯にたっぷり絞られるわけですが、仲間たちのサポートと和やかな雰囲気のおかげで、なんとか乗り切れています。

セッションで扱う内容は、基礎講座、上級講座で学んだことの総復習、ディスカッション、言語コーチングや脳に関する知識を自分の言葉で説明する練習、コーチとしてのロールプレイなど、多岐にわたります。「復習」といっても、上級コースを受けて5年も経っている私にとっては学び直し。忘れていることもありますが、それ以上に、最新の脳科学研究や新しい技法など、私が学んだ頃にはなかった項目やトレーニングが追加されているからです。言語コーチングの進化を感じます。

特に、質問数を限定して、できるだけ速く対話を深める練習は勉強になりました。普段のセッションは自分と受講生しかいない空間なので、つい質問数が増え、受講生に遠回りをさせていたかもしれないなと気づきました。

実践練習を通じて、他のコーチの言葉選びやセッションの流れを見学できるのも貴重な機会です。「おぉ、いい表現!」と思ったセリフは真似できるようにメモ。みんな普通に上手なのですが、やはり本人的には自分のパフォーマンスに納得いかないところが1つや2つあるもの。肯定的なフィードバックはありがたく受け止めつつ、反省点を見つけて次につなげます。

ときにはロールプレイの途中で完全にテンパってしまうこともあります。余計な一言で会話の方向が外れていったり、質問を選びそこねて受講生の注意を散らしてしまったり。自分の番はもちろん、他の人の番でもハラハラドキドキです。本番環境ではセッションを他の人に聞いてもらうことも、途中で止められることも、パフォーマンスを評価してもらうこともありませんから、これも講座ならではの体験です。

私はここ最近、日本語でしかセッションをしていなかったせいか、レイチェルを相手にコーチ役をする中で表現が見つからず、「あわわわ」となってしまう場面がありました。直後のフィードバックでは「緊張や、対話の型と質問数の制限をきっちり守らなくてはという意識があって、言葉が出てこなかった」などの感想を共有しました。日本語が先に浮かんで英語に訳せなかったのか、何語でも思いつかなかったのかはどちらとも言えない感じでした。はぁぁ…。いずれにしても、練習あるのみです。

で、3時間のクラスを終えたら、こんな感じでした。

このツイートをして、「あれ、ちょっと打たれ強くなってるかも?」と思いました。実際、上級コースを受講したときの記録を読み返してみると、当時の私は自分の失敗を直視できないほど凹み、肯定的なフィードバックも「どうせお世辞」と受け取り拒否していました。結局は後日、意を決して自分の失敗と向き合い、別の視点を得ることになるのですが、今回のようにすぐ気分を切り替えてとっとと次へ進むなど、考えられないことでした。そうした方がいいとわかってはいても、失敗を引きずり、失敗にしつこくこだわって、「気にしないなんて私には絶対無理。ありえない」と頑なに抵抗していたのです。

厚かましくなったのか、身の丈を知ったのかわかりませんが、私も変わったんだなぁと感じました。少し照れくさいですが、「成長」と呼んでおくことにします。


Photo by elizabeth lies on Unsplash

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