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怖いけど、新しい世界に飛び込んでみる

久しぶりに受講生になってみることにしました。講座名は Professional Neurolanguage Coaching® certification。無事に修了すると、言語コーチングのプロフェッショナル資格がもらえます。

以前にも書いたとおり、言語コーチは特に資格がなくても名乗れます。資格があれば良いコーチ、なければ悪いコーチというわけではありません。

というわけで、まぁ資格を取ること自体が目的じゃないのはあいかわらずですが、今回はこれまでと少し違う理由で受講を決めたので、それについて書き残しておこうと思います。

今このタイミングで、この講座を受けようと思った理由は3つあります。

1つめは、機が熟したこと。プロフェッショナル講座の存在は創設当初から知っていました。コーチ仲間の何人かはすぐに受講し、2019年ごろからそれぞれの国で、それぞれの母語を使ってコーチ養成講座をもっています。その頃の私は、コーチ業の傍らアメリカの大学院で授業を担当したり、研究論文を書いたり、日本の家族をケアしたりという生活を送っていて、時間的・精神的余裕がありませんでした。

そうこうするうちに講座のことは忘れていたのですが、2021年になって2週間ほど経ったある日、ふと思い出して検索してみると、2月から新しいクラスが始まることがわかりました。いつものことですが、タイミングが合うときというのは放っておいても合うものです。「これはもう、受けろってことね」と腹をくくりました。

2つめは、考えを変えたこと。この講座を修了すれば、日本語で言語コーチ養成講座を開講する道がひらけます。実際、「KECでコーチングを教えてほしい」というリクエストをいただくこともあります。でも私はずっと、養成講座を日本語で提供することに反対でした。詳細は省きますが、日本人のターゲット言語は英語の場合がほとんどなので、「コーチが受ける講座は英語の方がいい」と思うのです。英語コーチなら、英語でコーチングを学んだ方が便利でオトク。その考えは、基本的には今も変わっていません。

ただ、そのことと、私が日本語でコーチを育てる力をつけることは分けて考えてもいいのかなと思うようになりました。伝授することを想定して学び直せば、師匠であるレイチェルの哲学をより深く知ることができるでしょう。また、私が日本語で言語コーチングを学ぶ道をつくることができたら、日本語や中国語など、英語以外の言語を教える先生のお役に立つことになるかもしれません。

最後の3つめは、コンフォート・ゾーンを抜け出すためです。これがもっとも重く、厳しい理由です。

2020年、渡航や外出が制限され、私たちは物理的に閉じ込められることになりました。こうした環境では、考え方も保守的、内向きになりやすくなります。ところが、これは私にとってさほど苦痛ではありません。コーチングはもともとオンラインでしたし、家にいることが好きだからです。これまでどおりパソコンの前に座り、これまでどおりコーチングを提供する日々。社会の急激な変化に翻弄され我慢を強いられている人が多いというのに、私の生活はむしろ慣れ親しんだことの繰り返しになっていました。

コンフォート・ゾーンとは、居心地の良い場所のことです。安全で快適で、ずっといたくなる、甘美なぬるま湯の世界です。この世界の外に出れば、そこには不安で不快で、つまづいたり転んだりさせられる世界が広がっています。でも、だからこそ出なければいけないと思いました。出るのは怖いけれど、これ以上コンフォート・ゾーンの壁が分厚くなって破れなくなるのはもっと怖い。

そんなわけで、出陣は日本時間の今夜が明ける頃です。講座がはじまれば、失敗し、凹み、打ち砕かれてはじめて気づく自意識や自尊心にうんざりすることでしょう。腰は引け、足は震えていますが、いってきます。


Photo by Mia Anderson on Unsplash

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