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2020:ほぼいつもどおりな中、ちょっとだけ新しいこと

世界中が大きく急激な変化に翻弄された2020年。おかげさまで KEC は比較的いつもどおり、穏やかに過ごすことができました。とはいえ、今までになく、かつこれを機に変わっていく予感をもたらしてくれたことが、大きく分けて2つありました。

「オンライン」の変化

2010年の創業当初からずっと、コーチングセッションや各種イベントなど、KEC の活動の場はオンライン。もちろん2020年もすべてオンラインで行いました。この点はまったく変わりません。変わったのは「オンライン」に対する周りの反応です。

「オンラインでコーチングを提供している」とお伝えしたとき、去年までいちばん多かったのは「へぇ…?(にっこり)」という反応でした。「いつかは教室を持てるよう、頑張ってください」と言われることもありました。それが今年は「最先端の働き方」と呼ばれたり、「時代を先取りしてたんですね」「先見の明ですね」と言っていただいたりしました。オンラインでサービスを提供することは「よくわからないアブノーマル」から「誰でも知ってるニューノーマル」に変わったなと感じます。

教育を含むさまざまな活動がオンラインで実行可能だということが広く知られ、実際に体験してもらう機会が増えたことで、たとえば KEC のプログラム受講を迷っている人にとってはハードルが下がったのではないかと思います。一方で、今後の課題は、応急処置のリモートとは異なるオンラインならではの価値を伝えていくことでしょう。

いずれ「バック・トゥ・ノーマル」を経て、教室などリアルな場での活動が普通に戻ったら、KEC は「まだオンラインでやってるの?」と言われるのかもしれません。そのときに備え、オンラインでしかできないコーチングを、これまでどおり続けていこうと思います。

学習環境の変化

受講生たちにとっては変化が大きく、学習に集中することが難しくなりました。「英語学習どころじゃない」と言われても仕方ない状況でもあります。冬から春ごろまでは在宅ワークで学習時間が増えた人が多かったようですが、その後、通勤が再開され、たまっていた仕事がドッと押し寄せたために休日を返上して出勤するなど、受講生の生活リズムに乱れが目立ちました。受講生の心身の状態はセッションで顔を見れば一目瞭然ですし、課題やメールの充実度にも表れます。

コーチとしては、どこまで背中を押すべきか判断に迷う局面がありました。睡眠時間の確保など、学習者の体調管理はこれまで以上に重要だと感じました。心を鬼にして前に進ませてみたり、涙をのんで休学や中退を勧めたり。正解はないのでしょうけれど、いま振り返っても「あれでよかったのかな」と考えるところがあります。プログラムで十分に学ぶことができず、悔しい思いをした受講生もいますが、その経験自体が学びとなり、いつかどこかで生かしてくれるだろうと期待しています。

英語学習という意味では、特に「話す」機会が減りました。たとえば今まで日常的に提案できていた「レストランでウェイターさんと話してみる」というような “自主学習”は、ほぼ不可能になりました。一部の学習者にとっては、課題を通じて学んだ語や表現を使う場面が激減しました。「話す」を「書く」に換えるような安直な方法は極力避け、あくまでも「話す」の中で練習量を確保できるようアイディアを絞り出しました。

また、マスクをしたままの会話では相手の口の動きが見えず、お互いに声が届きにくいため、「話す」「聞く」の難度が上がりました。これは今後もしばらく続く、学習者にとっては厳しい状況です。が、受講生の体験にヒントをもらい、「マスク=養成ギプス」と考えることにしました。つらくても今この状況で鍛えておけば、いつかマスクを取ったとき、きっと自分でも驚くほどラクに会話できるようになります。実際、ある受講生は「ジェスチャーや目の表現力が上がった気がする」と言っていました。どんな状況でも、自分の成長を実感できるのは素晴らしいことです。

さてさて、まもなく年が変わります。まぁ、たぶん KEC はあいかわらずですけど。



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