ニートの食生活
最近の私の食生活について、ご報告いたします。
いや、全く意味はないんですけど、暇つぶしに聞いて言ってください。
流行ってる?ケトジェニック
ケトジェニックやケトダイエットなど、聞いたことはございますでしょうか?私は近頃知ったばかりなのですが、ざっくり言うと糖質を抑え脂質の多い食事をすることによって、脂肪を消費しやすい体質に変える、と言うダイエットだそうです。脂質を多くとるとケトン体と言うものが、体内で生成され、脂肪を優先して燃焼していくんだとか。
私は厳密にはケトとは違うとは思うのですが、ちょっと似てる気がしてきて、今回記事にしてみようと思います。
始まりはいつも・・・
そう、始まりはいつも、同じところから。金欠です。学生の時も、働いていた時も、常にお金が無かった私です。お金がなさすぎて、大学生になってからも砂遊びをしていたのは、もう随分と昔のこと。今日みたいな暑い夏の日だったと思う。そんな私が、無職になろうもんなら、金なんてあるわけがない。そうに決まっている。
だが、世界の理は無情である。腹は空くのだ。食材を求めて、スーパーに向かう姿は、さながらアフガンの帰還兵のようであっただろう。残りわずかな希望、具体的には500円玉を握りしめて歩く背中は、疲弊と勇ましさが混濁していたに違いない。
スーパー 〜奇跡の出会い〜
スーパーまでは、およそ50km程で、あっただろうか?途方もない距離に、引きこもりの足は悲鳴をあげていた。そして、調べてみると50m程度の距離しか無かったことに、私も悲鳴をあげた。
飢えからくる肉食動物のような眼光と、虚な眼差しを交互に繰り返しながらも、食材を探していく。見るもの全てが美味そうに見えるのは、金欠あるあるだ。そこで、ある商品が目に止まった。
鶏胸、とりむね、トリムネ!!!!
1キロ500円だと!?振り返れば、貧乏になった時はいつも鶏肉を食っていたが、そんな記憶を思い出せずにいたとは。早期に思い起こすことが出来れば、私の家計も十分に楽であったのに。否、今となっては関係のないこと。これからの食糧が確保できることの方が重要ではないか!
しかし、私は同時に思い出している。1キロの鶏胸肉がどれほど味気ないものか!「どうか素敵な食材を〜」とボヤきながら徘徊していると、驚愕の文字が!
『ご自由にお持ちください!』
これはあまり多くの人に知られてはいないが、貧困者の隠語でタダで
貰って良いという意味だ。
意味はないけども、人目についていないかを確認してみる。誰にも見られていない。むしろ、視線を避けられているようにも思うが、気のせいであろう。私の独り言を言いながら徘徊する姿が、奇怪であったかもしれないが、そんなことで視線を避けられるなんて、自意識過剰にも程がある。大概の人間は他人のことなど、気にも留めていないのだ。
閑話休題。私は、その無料の食材をカゴに入れる。そう牛脂だ!
これまでの私は、カロリーを金額で割る、Cost Per Calorie(以下CPC)という独自の概念を持って、最も効率の良い食材を探していた。元々、油分の多い食材はカロリーが高いため、CPCが高い傾向にある。とはいえ、これまで無料の油などに出会ったことはない。0で割っているのだから、CPCは無限大だ!実質、カロリー無限。アンチサンド○ッチマン主義。
肉食生活
そこから私の肉食生活は始まった。高たんぱく、高脂質、0糖質の生活は、以外にも楽しめた。牛脂と鶏むね肉の組み合わせは凄い。牛肉の味がする鶏肉なのだ。なんと言うお得感。
始めの2~3日は、ラーメンが食べたい衝動に駆られる。恐らくは、体内の血糖値が急激に下がって言っているのだろう。だが、金銭的に食う余力がない以上、私にできることは悶えることだけだ。
4日目からは、逆に糖質よりも脂質を求めるようになってくる。揚げ物やチーズなどが欲しくなる。なんと恐ろしいことか。私の体のホメオスタシスは、糖質の摂取を諦めてしまったのだろう。人体の神秘だ!
それからと言うもの、私は「唐揚げが食べたい」「チーズが食べたい」しか、言うことができなくなってしまった。
友人「ラーメン食いに行くか!」
私「唐揚げが食べたい」
友人「この時間は、ラーメン屋くらいじゃないか?牛丼にしとくか?」
私「唐揚げが食べたい」
友人「肉が食いたいのか?」
私「チーズが食べたい」
友人「コンビニ行くか!」
私「唐揚げが食べたい」
何か食べたい友人と、唐揚げが食べたい私の熾烈な攻防である。なんと惨たらしい。ついぞ、この日は利害が一致することはなかったのである。
鶏胸の枯渇
私は、毎日鶏肉を食べ続け、主なカロリーは牛の脂肪分であった。ポケモンでいえば、"ひこう/アブラ ”タイプになるだろう。空を飛ぶを覚えたようで、一日食事を制限し、翌日に威力70程度の胸肉を捕食するという、徹底的な節制を覚えるようにまでなっていた。しかし、そんな生活にも影が・・・
厳密には見出しは間違いなのだが、なんと我が家の加熱調理器具が、使用できなくなってしまったのだ。というのも、我が家はキッチンが使えないので、ガス缶を使う鍋用のコンロを使っていた。当然、使用した分だけガス缶は消耗し、いつかなくなる。ガスがなければ、火は起きぬ。火がなければ、肉は焼けぬのだ。栄枯盛衰、諸行無常、こうして鶏肉の時代は幕を閉じたのである。
次世代の食事
鶏肉にかわる食材を探し求めていた。CPC(カロリー当たりの値段)の観点から、インスタント麺などが最も安くなるように思われる。私の予想では、ペヤングのデカ盛りが、最もコストパフォーマンスが良いであろう。しかし、私はすでに肉食生活を始めてしまっていた。
この時には、よもや炭水化物を食べ物と認識することさえ難しくなってきていた。我が肉体は、強烈な脂質とタンパク質による制裁を受け、ホメオスタシスは崩壊、肝臓はグリコーゲンの生成をボイコットしていたようだ。
そんな私がスーパーやコンビニに立ち寄ってみると、食品たちが炭水化物に汚染されていることに驚かされた。コンビニにある食材のほとんどは、パン、米、麺のどれかであり、お惣菜にも小麦粉などを贅沢に使われている。正確に言えば、小麦粉を使った方が安く済むのであろう。唐揚げに手を出したこともあるが、何か違和感を感じる。成分を見てみれば、炭水化物がかなりの量が入っているではないか!肉を食わせてくれ!
そう思って、徘徊していると、ついに純粋なタンパク質と脂質の塊を見つけることに成功した。心の中の藤岡探検隊が、静かに、かつ慎重に行動するように呼びかけつつも、仰々しいナレーションをつけてくる。「この時、突然!Kebvはとんでもないものを発見してしまう!!!!」。本物の藤岡探検隊は、ここでCMに入り、答えは来週となる。幼少時代は何度もこの手口に騙され、大変、悔しい思いをしてきた。ので、もったいぶりつつも、私は正解発表といこうと思う。
その食材はサラミだ!
成分表示は以下の通り
素晴らしい脂質の量だ!そして、高カロリー。脂質が高いので、当然ではあるが。
追記すると、サラミのいいところはギッシリ詰まっている感じがするところだ。あの異常な塩っけも合間って、一本食べ切るのに時間がかかり、食べ終わった頃には、相当な満腹感を感じる。さらに、スティック状になっているので、片手で持って食べやすく、タバコを吸いながらの食事に適している。時々、口の中で燻製を作ってやるのが、美味しく食べるコツだ!
それからというもの、私はサラミを食べ続けている。やってみるとわかるが、1日に5本以上食べるのは、不可能だ。あまりにも腹に溜まる。よって、家計にも優しいサラミ生活。口からは血の匂いがして、顔が油でテカテカになってきたが、やめる気はない。Kebvの意思は固く、崇高である・・・・
まとめ
こうして、私の食生活は、脂質とタンパク質を中心とした、ケトジェニックとなっていったのであった。まさか、貧困による弊害が、ダイエットにつながるとは思っても見なかった。
私の場合は、健康的になるというよりかは、より野生に近くなっているように思うのだが、問題ではない。むしろ、貧困ということは、いつ家を追い出され、国からも見放され、河川敷で生活することになるかわからないということだ。今のうちから、食生活くらいサバンナテイストの方が望ましいだろう・・・
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