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【LIVE IN JAPAN】Rolo Tomassi/Cyclamen/kokeshi at 宇田川Garret

経緯

Rolo Tomassi、Cyclamen、kokeshiを見に行ってきました〜
この公演を知ったのはイマニシさんのX(Twitter)にて。Rolo Tomassi自体を知らなかったため、当初は行くつもりではありませんでした。
しかし、あまり売れ行きが芳しくないとのことで、サポートできればな、と気持ちが前向きに。
加えてRolo Tomassiを少し聴いたら結構良さげだったので、思い切ってチケットを購入した次第です。
当日は昼ごろから都内をふらふら。昼過ぎには上野の国立科学博物館の特別展を見に行っておりました。
渋谷に着いたのは17時ごろ。開場が遅れる見込みと聞いたため、腹ごしらえをしてから会場に向かいました。
のんびり歩いてGARRET udagawaに着弾したのは18:30ごろ。
流石に開場しているかな、と思っていたら付近には結構な人だかりが。調べてみるとまだ開場していないらしく、仕方ないので会場前の道路の傍で待つことに。
結局18:45くらいに開場し、自分も程なくして入場できました。
フロアに入ると思っていたよりも人が多く、後方まで割と埋まっていました。最終的にはキャパの7〜8割くらいは入っていたのではないでしょうか。イマニシさんのポストから察するに、かなり売れ行きが悪いのかと思っていたので、これは意外でした(後日キャパの半分ちょっとしか売れなかったと知り、あれで半分ちょっとかあという驚きがありました)。
さて、個人的にこの日の開場、GARRET udagawaは初めて。
CYCLONEの系列だということは知っていたのですが、構造上もCYCLONEの上の階に当たるそうで。そんなこともこの日初めて知りました。
サイズ感としてはCYCLONEより一回り小さいくらいですかね。なんとなく横長な印象があるフロアでした。あと天井がめちゃくちゃ低い。ステージの方が天井が高いため、演者からすると違和感ありそうです。
他にはバーカウンターがステージと相対する形になっていたり、物販エリアがフロアの壁際にあったりと、小さいライブハウスの雰囲気は抜群。
でも過度にアングラ感はないため、初めてこの規模のライブハウスに来るという人にもおすすめできるかもしれません。

kokeshi

トップバッターはkokeshi!!!!
開場が遅れた関係で、自分が入場した時点でもうSEがスタート。
トイレに行ったりと慌ただしくしているうちに「胎海」から始まりました。
個人的にはkokeshiは最近何度も見ているバンド。直近だとFRONTLINE FESTIVALでも見ました。
ですが、亜光(gt)の一時離脱以降は初めて。この日のサポートはMAAという方だったそう。
そして、それもあってかこの日のkokeshiはいつもとは一味違う感覚。
まずはサウンドの質感に違いが出ていましたね。
いつもよりギターの歪みが強く(おそらく)、ベースの音と混ざってぶっといディストーションサウンドを展開。その存在感は強く、ドラムやボーカルを少し食ってしまうほどのインパクトがありました。
ドラムの低音がぼやけていて、輪郭があやふやだったのも一因かもしれませんが、いずれにせよここまで弦楽器隊の音が前面に出たkokeshiは初めてでした。
そのため、なんかいつもよりブラックメタルに近い音像だなという印象を受けましたね。こうなると亜光のサウンドはそこまで歪んでいなかったんだなと実感しました。いや、もちろんヘヴィーで鈍重な音なんですが、こう何処かに古き良きヘヴィーメタル/ハードロックの匂いが残るようなサウンドだということです。実際はどうかわかりませんが、自分は少なくともそんな違いを感じました。
メンバーのノリが普段よりアグレッシブだったのも印象的でした。
純一(ba)とMAAは序盤から激しく動くし、亡無(vo)に至ってはダイブまでしていました。亡無のダイブなんて今までにあったんでしょうか。実際、X(Twitter)では驚きのポストを何件か見ました。
そしてそれに呼応してか、フロアでもモッシュが発生。台湾公演時にはモッシュが起こっていたと聞きましたが、日本ではかなり珍しいのではないでしょうか。自分は初めて見ました。
さらに、セトリも珍しいもの(多分)。
最中には気づきませんでしたが、後でセトリを確認したら『憧憬』からかなりの曲を演奏していたようで、いつも『冷刻』から多めにプレイしている印象があるだけに意外。
自分は『憧憬』をあまり聴き込んでいないため、ライブ中に今回新曲やった…??とか思っていたのですが、単純に不勉強なだけでした。申し訳ありません。
完全版のフィジカル、欲しいなあと思いつつまだ手に入れてないんですよね…。買わないとなあ。

Cyclamen

転換の後、続くのはCyclamen!!!!
Realising Mediaそのものであり、今回の公演の主催者であるイマニシさんがフロントマンを務めるDjentバンドです。個人的に見るのはTesseracTの来日公演以来2回目になります。
いや、やはりタイトな演奏が気持ちいい。
X(Twitter)でCyclamenの練習風景みたいな動画を見たことがあるのですが、それがめちゃくちゃ正確な演奏だったので、すげえなあと思っていたところ、ライブの外音でも全く変わらないクオリティーのものをぶつけてきました。
前回見た時も上手いバンドだなあと思いましたが、今回もそれは変わりませんでしたね。
特に、ドラム(ヒトシさん…ですかね?)の方のスネアの音の響きが芳醇でちょうど良く、終始バンドの土台として、そして1パートとして際立つ存在となっていました。プレイもパワフルすぎず、手数はあるもののそれなりに落ち着いていたのがテク系っぽくて合っていました。今後Cyclamenを見る際はこのドラムの方に注目していきたいですね。
また、個人的にイマニシさんのラフ(という形容で正しいのか…?)なスクリーム、好きなんですよね。
深く低く響かせるというよりは、浅めかつ中〜高音域中心の音をメインに出すタイプのスクリーム。最近はデスコアとかのグロウル、ガテラルの凶悪さみたいなものがトレンドになっているような肌感覚はありますが、その流れの中でこういうスクリームを聴くとまた違った良さがあることに気付けました。これはこれで雑な荒々しさがあっていいんですよね。錆びついたノコギリやマチェテなどチープな武器による攻撃の力のような、細かく確かに傷つけられるような衝撃が心に響きます。
音響面でも隙はなく、全てのパートがバランス良く聴こえる仕上がり。Djent/プログレ系の音楽性なだけあって、やはりどの楽器も綺麗に聴こえると魅力が増しますね。開演前の時間も少なかっただろうに、よくここまで仕上がったなと思いました。個人的にはもっとギター強めだと嬉しいところですが、ギターだけが引っ張っていくスタイルではないため、こういう意向のサウンドメイキングになっているのかなと思います。
ライブのラストにはRolo Tomassiへの気遣いも見せて終了。総じて非常にスマートなパフォーマンスでした。

Rolo Tomassi

トリを務めるのはこの日の主役、Rolo Tomassi!!!!!
イギリスのバンドで、ジャンルはマスコア/カオティックハードコア(?)等色々呼ばれているよう。
なんでも初期はわりかしハードコアの衝動が強い音楽性だったが、最近ではシューゲイザーやドリームポップの要素も取り入れているのだとか。ちなみに来日は8年ぶりだそう。
自分としては見るのは初めて。それどころかこのバンドの存在を今回の公演発表時に知ったくらいです。
それでも少し音源を聴き、ライブではどんなもんか…と思い見にきた、というわけです。
さあ、そんな彼らのライブですが…確かに淡い空気感と鋭いバンドサウンドが同居していました。
確かに1曲目にプレイされた「Almost Always」のように淡く儚い春のまどろみのような曲もあります。しかし、セットリストの大多数は両方の要素が共存する曲でした。
メタルコア/ハードコアっぽいキレのあるリフワークやパワフルなドラミングをフィーチャーしたサウンドは、確かに激しいのですが、どこか淡い。ズンとした重厚感がなく、なんか温かく、フワッとした感触があるんですよね。低音をざっくりカットしているのか、もしくはレギュラーチューニングがメインなのか、とにかく重苦しくないバンドサウンドが叩きつけられていました。
そして、そこにシューゲイザーっぽいリフや残響感のあるサウンドメイキング、寂しげなピアノ/キーボードの旋律が加わることにより、更に幽玄な世界観が強固になっていきます。
加えて、Eva Korman(vo)による対照的な歌唱も相まって、いよいよ激しいバンドサウンドとふんわりしたアンビエント的サウンドの境目が分からなくなってきます。
ハーシュなスクリームを聴くとなんて刺々しいと思う一方、次の瞬間には幼ささえ感じる甘く透き通ったクリーンボーカルに癒される、このギャップがたまりません。
これら全ての要素が同時に共存することで、全ての境界があやふやになり、混ざり合うことで、だんだんなんか頭を振れるAlcestを聴いているかのような気分になるのが面白かったですね。じんわり浸っているつもりが、体はリズムを刻むのに忙しいという珍しい感覚を体感しました。
そんなRolo Tomassiのライブの進行はシンプル。
ちょこちょこMCは挟むものの、特段アグレッシブに煽ったりせず淡々と進む感じでした。
本編ラストもそんな感じで終了。と思ったらすぐに出てきてアンコール。
そして1曲やってまたスッと出て行ってライブ終了、というなんとも潔い締め方でした。
あまりにもあっさり終わったので、最終的にイマニシさんが公演終了の旨を告げるまで終わった気がしなかったくらいです。
そんなシンプルなライブでしたが、盛り上がりはかなりのもの。
特にフロア前方は熱心なファンが多かったらしく、全ての曲で盛大な歓声が上がっていました。また、常時モッシュが発生しており、衝動に身を任せて体をぶつけ合うオーディエンスの姿がそこにはありました。こういうモッシュ、本当に体が動いちゃってることがよくわかって好きなんですよね。ちょっと混ざってくればよかった。
最後はkokeshiの和真(dr)まで突入してカオスになっていましたが(笑)。
そしてもちろん演奏や音響面のクオリティーもピカイチ。なんでも1年くらいブランクが空いて久しぶりのライブだったらしいのですが、それでこれができるのかと思うと驚きが隠せません。
というわけで、Rolo Tomassiの感想でした。
初見でしたが、気がつけば全力で楽しんでいました。ここまで見入ってしまうとは想定しておらず、この後思わぬ収穫に上機嫌で帰宅しました。

総括

以上、Rolo Tomassi/Cyclamen/kokeshiのライブの感想でした。
今回、他に印象に残ったことがありまして、それは海外のオーディエンスが普段より体感多かったこと。
そのため、どこか雰囲気が海外のライブハウスみたいになっていました。
テンションが上がればMCだろうとどんなタイミングでも歓声が上がる感じとか、とりあえず昂ったら体をぶつけ合うところとか、全体的に自由な雰囲気。これ、自分は結構好きなんですよね。リラックスして音楽を心から楽しんでいるように思えて、なんかいいなあと。
留学中にライブを見に行ったことも思い出して、そういう意味でもなんかポジティブになれた一夜でした。
次のライブは…11月のDIR EN GREY!!!!!!
でもNightrage行くのもアリだな…

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