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レコード神社<BookOff>  vol3[MUSIC100+20]藤原ヒロシ

なんとなくGOOD ENOGH

裏原ブームを経験した人なら
藤原氏の家に遊びに行きたい!
と思ったことは一度ばかりではないだろう。

ギブソンのギター、スニーカー、レコード etc
何なの!ここはお店?暖炉まである!
藤原氏のお部屋特集の雑誌に胸を高鳴らせたモンです ばってん!
藤原氏のおすすめを知ることはこの上ない喜びだった。
asayanをチェックして、smartを立ち読みして
連載されていたLASTORGYをスクラップブックに
コレクションする程でしたね。
洋服、音楽、遊び、映画、雑誌、文化、
様々な情報をインターネットではなく雑誌から吸収していました。
雑誌の影響力が凄まじい時代
今でもページを手でめくりたい気持ちに駆られるときあります。
時代のカリスマの本をBOOKOFFで発掘できるんですから
本当、良い時代になりました。

指南の書というよりも

今回紹介する本『[MUSIC100+20]』は
音楽入門やレアレコード探索の指南の書というよりも、
趣味の良い親戚のお兄ちゃんに
音楽のことをゆっくり教えてもらえるような本です。
氏の音楽にまつわる思い出話とともに、
交友関係や当時の空気感を知ることができます。
藤原氏の家に遊びに行くような感じです。

ぜひ、リビングでコーヒーを飲み
サブスクでチェックしながら読んで欲しいです。
ゆっくり、のんびり音楽に浸れますよ。

音楽を探すことって、
どちらかとマニアックな活動に分類されるかもしれませんが、
この本を片手に部屋でまったりと
音楽をリサーチしていると
この行為自体が時代とあってるなと
しみじみ感じますよ。
時代の中にある『ちょうどよさ』って大事。

気になる内容はというと
マニアックなセレクトのレビューではなく
読者の音楽生活の中からでも手にとってみたいと思わせるのは
セレクトの一つ一つに<王道>が散りばめられているからではないでしょうか?
その分野の王道をしっかりと行きながらも
「こんなのあったら聞いてみたい」っていう思わせるところが
やっぱりセンスなんでしょうね。
センスってどこからやってくるんでしょうね?
やっぱり、基本というか
王道をまず通るのが一番ですよね。

ぜひ王道を通ってください!
キングスロードを通ってください!
誰も今、殿様キングスの話はしてないですよ!

世代にバーニングラブ

ブラックミュージックの発展とともに
大人になった世代の人って
様々な音楽ジャンルの中でも
SOULの素養が身についてますね。
うらやましいです。
JAZZ→SOUL→FUNK→HIPHOP
音楽の発展&文化の発展とともに人生を歩むことが
出来てますから
本質を突くセレクトが出来るんでしょうね。
<体験したものが財産になる>世代
後追いで想像できることって限界ありますし、
現場にいた当事者に聞かないと
文化の表面だけしかなぞれないですからね
<真夜中のフィールドワーク>=クラブ活動
大事ですよ!
事件は現場で起きてるんだ!っていうあれですよ。

また、この世代の方々の生み出した作品に
触れるのも勉強になりますね。

DUB作品


非常にシンプルなことだけど
自分にとっての<いい歌>を探すことって
<素晴らしい自己探求>になり得ます。
自己探求の結晶化から素晴らしい音楽作品が産み落とされるのでは
ないでしょうか?

氏の数々の作品の中でも
特にDUB関連の作品に
<編集性と再構築性>の凄まじさが発揮されていると思います。
独特の内省的DIYな感覚
(内省的=自分の心と向き合い、自分の考えや言動について省みる)
子供が自分の心の中をオモチャで無意識に表現しちゃったような
イノセンス。それでいてPUNK。静かなるPUNK.

DUBの持つ<編集性と再構築性>に
氏の感性が非常に合っているとも言えますしね、
友達のピアノ弾ける人に「ゴールドベルク」をひいてもらって
それをDUBにしちゃおうって
アイデアは思いつきそうな事なんですが
なかなか無いですよね。
発想がいいのかパッケージングがうまいのか
判断しきれませんが
氏の作り出す様々な物にパンク精神を感じます。

「ちょうどいい感覚」


先に行き過ぎても良くないし
わかりやす過ぎても飽きられてしまう
「ちょうどいい感覚」の見つけ方
が抜群に上手い方なんでしょうね。
そんな感覚を見つけるためにも常に<レコード探索>という名の
<自己探求>を今日もやりますよ!
やってやりまくりますよ。
時代が私に追いつくまで。


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