「99%の会社はいらない」を読んで

「給与をもらうために、嫌な仕事をして残業をしてしんどくても会社に属する」という考えなら辞めたほうがいいことを本書では伝えてくれている。
これからの未来像は、AI・IoTが発展していくことで農業・流通・販売等が自動化されていき、人の手間が省けることより、働かなくとも・お金がなくても生きていける時代が来ると堀江氏は書いている。

 現実的な話であり、説得力もある。けれど堀江氏の凄みは行動力にある。ロケット開発、堀江イノベーション大学校、コラム、TV出演等、自分が興味のあることを進んでやっていっている。本書でも行動する大事さを訴えている。そして、当然ともいえるが、行動するためには好きなことをするに限るわけである。

 この時代、好きなことを仕事にできる環境をもっと育てていかないといけない。個人の観点であるが、日本が他国に遅れをとっている原因は「学ぶ時間」に多くを割き、その受け身の状態に依存してしまっているからだと考える。この依存を、近年の日本教育は「アクティブラーニング」や「道徳授業」、2020年から開始予定の「プログラミング教育」等で脱却しようと試みている。取り組む姿勢は必要だが、もっとも成果として欲しいのは「能動的になること」だろう。

 自ら動き出すきっかけで、一番行動を起こしやすいのは「好きなことをすること」。それでも面倒くさがる人もいるかもしれないが、その壁を乗り越えない限りは、自分の力で生きることはできないだろう。会社に属されて一生を終えるだろう。自分のやりたいことなら行動してやったほうが面白いし、嫌々仕事をするよりもずっと幸せだよと、そんなことを思えた一冊である。