EOF2019に参加してきたのでまとめ

概要

EOF(Engineering Organization Festival)
エンジニアリング組織をもっとオープンに」をビジョンに、エンジニアリング・マネージメントとすべてのソフトウェア開発者のためのカンファレンス
https://eof2019.peatix.com/?lang=ja
https://medium.com/@oikawa/eof2019-スピーカー-発表資料一覧-8dc8adca808b

Podcastという組織戦略

<パネラー>
・岩瀬 義昌 (いわせ よしまさ) fukabori.fm
・鈴木 健太 (すずき けんた) ajito.fm
<モデレータ>
・湯前 慶大 (ゆのまえ よしひろ) EM.FM

・社内Podcast:相手だけではなく、リスナー向けに話すことが重要。制度の経緯を聞けると納得感が出る。
  Projectの裏側(成功ネタ、失敗ネタ)を聞けるとナレッジが溜まる。
・採用:リスナーが応募してくる場合、エンゲージが高い。
  会社の雰囲気が伝わりやすく、会社そもそもの印象を変えることもある。
・技術ネタ:事前準備、収録、編集で何度も取り上げることになり、自分が一番成長できる。

プロジェクトマネジメントを武器に働こうとしていたら組織/チーム作りを武器にしたくなった話

https://speakerdeck.com/line_developers/timuzuo-riwowu-qi-nisitakunatutahua
プロジェクト可視化のエッセンス
・ゴールの明確化
・次のマイルストーンに対する状況
・問題/リスクの分析

・プロジェクトごとにmission、スケジュール、スコープ、スコープ外、マイルストーンを明記し、見える化する。
 →組織的な課題が見えるようになる。
・スクラムを取り入れるにはコストがかかる
 →スクラムの要素を一つ一つ自分達で話し合い、定義し取り入れることで定着する。
・レトロスペクティブ
 なりきりブレスト
  →成功した/失敗した気持ちになって意見を出す。それぞれの気持ちになるので、意見が一方的にならない。
・上司部下間、チーム内、プロジェクト内の期待値のすり合わせ、マッチングが重要

なんとなくチームを構成することから脱却する方法

https://speakerdeck.com/yunon_phys/clean-teams
・拠点ごとで機能を分けて閉じて開発
 →ソシャゲはリリースしてからがスタートなので、「運用」「非運用」の観点で機能分担。
・課題を図示することで把握しやすくし、コミュニケーションを取りながら共有していく。

良いチーム構成
 ・課題、ゴールを明確に
 ・一般論はあくまで参考
 ・考えうるベストを選択する
 ・観察を怠らない
 ・変化を受け入れる

エンジニア採用どうしてる?

・現状から考えるのではなく、先の未来からの逆算から採用する
 →事業計画、戦略等も考慮。
・面白い課題がないと辞めていく。
 →事業の未来を見据えて、常に面白い課題(技術、事業)を作っていくのが重要。
・タッチポイントを多く持つようにする
・事業内容、課題等を色々話してカルチャーが合うかを見る

・認知してもらうことが重要
 →他社と勉強会を開催。採用技術をアピール。
・対象者のステータスに合わせて接し方、タッチポイントの持ち方を変える。
 「興味なし」、「興味あり・転職しない」、「転職したい」等
・採用に失敗した場合、答え合わせをして、理由を集める
・応募者への自社の課題・良い点を共有のする際に両者のバランスが重要
・会社の雰囲気を掴んでもらうため、社内イベントに応募者、内定者を呼ぶ。

新米VPoEがまんまと落とし穴にハマった話

・事業と組織の拡大についていけず、レガシーなシステム環境のまま。事業は順調だったので、問題視されなかった。
<変えたこと>
・エンジニア向け制度の制定
 研修等の補助、PC買い替え、海外カンファレンス参加
・技術広報
 カンファレンスのスポンサー

・落とし穴1:組織内部の課題解決に注力しがち。
 →経営層や事業部との認識のズレで要件の変更が多発。各層でコミュニケーションの機会がなく関係構築ができてなかった。
・落とし穴2:とにかく最新にしたがる。(組織制度、技術)
 →現状とのギャップ。定着せず。大きな組織課題を解決することから。
・落とし穴3:リファラル採用しすぎ
 →リファラル採用した人を優遇しているように見られがち。派閥感がでるように見える

<意外に上手く行ったこと>
・技術スタックの大胆な変更:Java/オンプレ→ GO/AWS
 →安定性、開発しやすさ向上。採用にも好印象
・eNPSの測定
 →数字として表れるので、客観的にわかる。

技術顧問の利用
 ・今後直面する課題に対しアドバイスもらえる
 ・ニーズに合った人を見つける必要がある
  フェーズ、技術、マネジメント
 ・人の紹介をしてもらえる

チャットコミュニケーションの問題と心理的安全性の課題

https://www.slideshare.net/TokorotenNakayama/eof2019
チャットツールでDMしすぎると起きる問題
 ・トラックナンバーが増えない。俗人化。
 ・指揮系統の逸脱、業務負荷の偏り
  他部署からの直接依頼。業務管理ができない。
 ・社内政治の温床
  情報の偏り、誇張が発生
エンジニア・非エンジニアのコミュニケーションに対する認識の違い
 ・利害調整、はたらきかけ(非エンジニア)
 ・課題解決、情報発信(エンジニア)

多重知能理論
 職種により特性が異なるので、コミュニケーションの取り方が違ってくる

雑談を重視する
 →分報部屋、z部屋を用意して心理的安全性を保てる環境を用意
情報を無視することにはコストがかかる
 →疲れない運用を用いる

業界別マイクロサービスの実際

・サービス、DBを分けすぎない
 サービスは分けるけどDBは一緒とか
・厳密な整合性が必須という固定概念を捨てる
 結果整合性でよしとするか仕様面で調整。1秒待てるかどうかをステークホルダー交えて検討する。
・マイクロサービスを使う側が気にしなければならないこともある
 各種状態を保持しておいて、状況の再現ができるように。
・マイクロサービス化にはコストがかかる
 →マイクロサービスは3年でROIとれないから経営層に納得してもらうことが必要。途中でスケールしなくなる。

所感

・技術系カンファレンスでは聞けない話が多く、良い機会。界隈で有名な人の話が一度に聞けた。聞きたかったが、かぶっているセッションもおおく、資料だけでも目を通す。
・「Ask The Speaker」、「Open Space Technology」はあまり実務経験ないから行かなかったが、議論を深めることで得られることが多いようす。
・wifiなかったので、PCで調べながら聞けなかったのは残念。各ブースの前方は机があり、ガチ勢には良い配慮だったのではないか。
・無料イベントなのに、弁当、お茶、水、コーヒー無料。


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