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トリッパー遊園地の感想

「トリッパー遊園地」4月6日の11時公演をみました。会場の写真をパシャパシャ撮ってたら後ろにたくさんのご老人がいらして「若い子が多いわね~」「ジャニーズの子がでてるのね~」とお話しされていた。全体をみたらジャニヲタが圧倒的に多いけど、老若男女いろんな人がいてそれだけでいい公演だなぁと思っちゃった(私は演者のオタクだけで席が埋まってる公演が嫌いです。閉塞的だから。)

あらすじ

祖父の代から80年間くらい経営してきた遊園地をたたもうとしてる現社長のマサヒロはいきなり顔と名前が似てるだけの祖父の従弟の亡霊に憑依されて観覧車に乗り込んだら雷が落ちてきて戦争真っただ中の昭和19年にタイムスリップしちゃった。過去の人々との交流を通じて遊園地大切の気持ちが芽生えたマサヒロは空襲から従業員と客を守るため一人遊園地にむかって走る。

いやぁよかった。作ってる人が関西の人だし、会場が関西だし、非ヲタの客はたぶんほとんど関西人で私も関西人だし、なんか馴染んでるな~って…。幕間、開演前にお見掛けした非ジャニヲタのご老人たちはきっとこの作品を楽しんでくれているだろうと思った。笑わせるぞ!ってとこでちゃんと笑いがおこってて、泣かせるぞ!ってとこでちゃんとすすり泣きが聞こえてくる。客席の反応をみるだけでいいエンタメ作品なんだなってわかるよ。演者の皆さんが狙った的にちゃんと当てる技量のある方ばかりなのもよかった。子役指導うまいなぁ。

私はA.B.C-Zのオタクだから、どうしても主演の河合くんの話がしたい。トリッパー遊園地は河合くんの初単独主演作品で、演出家はジャニーズ関連の脚本をよく書いている川浪さん。さらに完全オリジナル作品ってことで、この作品は河合くんたちのために作られてるもんだと思ってみました。ふむ。なんだかなぁ。これは私の個人的な意見だけど、河合くんが演じているマサヒロという役は、河合くんのいいところと悪いところ、どちらも最大限に引き出してしまう役だなぁと思いながらみました。

マサヒロはストーリーテラーでツッコミ役。河合くんがこれまでのキャリアの中で培ってきたトークのスキルが活かされていて、バッサリとしたツッコミで客席の笑いをしっかりとっていく。すごいぞ河合くん。あれは役というより普段の河合くんのトーンだけど、タイムトリッパーという部外者だから第三者視点の鋭利なツッコミも違和感ない。ジャニーズ舞台でもよくやらされてるポジションな気がするけどこれが河合くんの有効活用なんだろうな。これがいいところ。

悪いところはねー、題材と河合くんの個性の相性が悪い。河合くんの芝居は情緒がないけど、そういう河合くんの役者としての個性と戦争っていうウェットにならざるを得ない題材との相性が悪い。マサヒロ、戦時中の日本にいる実感なさすぎ。他人行儀すぎ。マサヒロは作中で何度も「脳がおかしい」っていわれるけど、ほんとにちょっとヤバいところが多すぎて洒落になってないんだよな。

先日フォロワーと河合くんって芝居において人物の感情よりも演出を重視するタイプだよねーって話してたんだけど今回まじまじと河合くんのお芝居をみて改めてそう思った。魅せ方がうまいから、クライマックスの空襲のシーンとか本当に素晴らしい。ただ全体的にちょっと俯瞰的すぎて、役の感情より河合くんが演出したい感情が前にでちゃってる感じ。面白いなぁ。えび座とか他のメンバーがいると河合くんだけ集中してみられないもんね。こんなに河合くんのお芝居をまじまじとみることはないからいい機会でした。やっぱ主演っていいね。

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