君はこのアニメを繋ぐ”絲”となる
A
前に書いた記事の投稿日時を見ると仕事に忙殺されていたことがよく分かります。長らくぶりです。今回はアニメ映画です。発表されてから楽しみにしてましたが期待通りでした。トリキの飲み放題じゃなくてジャズがかかったバーでウイスキー飲める人間になりたいです。
感想
高橋光太郎の成長
ザ・ダメな若手すぎる。芯がなく無気力で意志薄弱で他責思考全開。まじでヤバイ社会人。あういうタイプは涼しい顔で地雷を思いっきり踏み抜く。「え?なんかおれしました?」的な俺TUEEE系主人公な雰囲気を出すまでがセット。ちゃんと落とすところまで落としておいての事起こし。若干性急な感じがあったが、確かに全社員の前の趣味を暴露されて対して事情も知らない物言いをされたら穏健派な駒田琉生でもブチ切れるのは首肯できる。とはいえその前に言うか言わないか悩むラインのイライラを描いているおかげで小さな積み重ねが繰り返されてコップからあふれ出てしまう流れが出来上がっていたのでそこまで違和感はなかった。強いて言うなら光太郎の掘り下げが足りてなかったので急にかみついた感があったのが残念。あの展開からの東海林のオジキ、説教するでなくただ淡々と琉生の変遷を語って光太郎と琉生に足りてなかった対話を埋めるムーヴはイケオジすぎる。不愛想ってキャラは大ウソつきやないかってなる。そこからの光太郎は観てる側がびっくりするぐらいの変化であった。その変化を言葉ないしはモノローグではなく仕事への姿勢で表現したのは素敵
モノづくり
今回は蒸留所存続に苦悩しながらも幻のウイスキーの復活がメインテーマ。ちゃんとお仕事アニメしてました。その中で今作品はただお仕事っていいねで終わらさないところがミソ。飲む前に1番大切な人が笑顔を見て成功を確信するのは素敵すぎる。モノづくりってより良い社会にする大義もあるけども大事な人を笑顔にさせるためだよねって改めて教えてくれる。
世代をつなぐ”絲”
今作品の伝えたいテーマとしては世代を”絲”のように繋げることの大切さなのかもしれない。新聞記者の光太郎は上司の安元、琉生と圭は父親からそれぞれ引き継がれている。この世代を超えて”絲”のように繋がって新たな未来が切り開かれていくのは伝えたいような気がした。最後の気だるそうな後輩を光太郎が引き連れているシーンは”絲”はまた次の世代に紡がれていくメタファーに感じた。そして”独楽(こま)”復活の最後のピースが”絲”であったのも憎い演出である。
最後に
期待値高くして劇場に向かったが想像以上であった。仕事の素晴らしさもさることながら、人とのつながりも尊さも感じる心がアツくなる映画であった。みんなでウイスキーで乾杯したくなる。そん時のセリフは
「みなさん、お疲れ生です。」
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?