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コロナ禍だからこそ自動車学校のDX化を。若手社員が一から取り組んだ「オンライン学科」立ち上げの歩み

こんにちは。くまもとKDSグループ広報チームです。

新型コロナ感染症の影響を受け、あらゆる業界が変化を求められる昨今。対面でのやりとりが当たり前だった自動車教習所も、大きな影響を受けています。社会が変わり、人の動きも変わった今日、私たちも本気で対応していかなければ、生き残り続けることはできません。

当社は常に新しい取り組みに挑戦することを大切にしています。コロナ禍の影響を受け、新たに始めたのが「オンライン学科」です。そのプロジェクトリーダーとして活躍したのが、社員の井野さん。発案から2~3か月というスピードでリリースを実現しました。

今回のブログでは、オンライン教材開発に取り組みについて、開発前からリリースまでの出来事やそこから得た学びを、井野さんに綴ってもらった内容を紹介できればと思います。

コロナ禍が背中を押して、学科の1段階をオンライン化

初めまして。井野と申します。くまもとKDSに入社して約13年がたちますが、教習業務を中心に担当してきました。2021年1月中旬から新型コロナの影響を受けてオンライン学科サービスの立ち上げがスタートし、そこからプロジェクトリーダーも兼務しています。

免許取得における学科教習は「1段階が10時間」「2段階が16時間」と、計26時間の座学を受ける仕組みになっています。当社が提供するオンライン学科では、1段階の10時間をすべてオンラインで受講できるようになりました。前日までに予約システムから登録すると、当日はZoomを介して、リアルに行われている授業に参加することができます。

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当社はもともと「健康経営」を掲げた企業経営をしていたので、コロナ禍での感染症対策としても、お客様や社員の安全を考慮した取り組みを進めてきました。たとえば、三密を避けるために、学科教習で使用する教室と指導員の数を倍増。お客様の送迎についても、バスの乗車数を最大50%にするため、タクシーも併用する形で対応しています。

その中で、代表の永田から「コロナ禍を機に、自動車学校のDX化をより早く進めていきたい」という話があったことから、オンライン学科教習の立ち上げプロジェクトが始まりました。発足当時は、すでに警察庁からオンライン学科推進の通達があったものの、全国に約1,300ある自動車学校のうち、約10校しか取り組んでいませんでした。前例のない取り組みだったのもあり、私としても手探りの中、プロジェクトを進めていくことになったのです。

前例はほぼない。挑戦から広がる視野や人の縁

「さあ、始めるぞ」と腰を上げても、何から手をつけていいのかもわからない状態でした。当たり前ですが単純にオンライン配信をするだけではダメで、実施の申請が必要です。申請の際、予約システム構築や通信環境の整備、個人情報管理、不具合が起きた場合の対処法といった条件があり、一つひとつをクリアするための準備をしなければいけません。

たとえば、教習生のなりすましを防止するため、個人IDやパスワードを活用して一人ひとりを識別できるようにしたり、質疑応答が適切に行えるように実施人数を定めたり。警察庁からの通達に記載されたルールに則っているか、確認しながら進めていきました。わからないことはつど調べ、試行錯誤の中で進めていたので、大変だったことも多かったです。

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ただ自動車学校はなかなか変化が起こりづらかった業界でもあるので、このプロジェクトのおかげで視野が広がったと感じています。永田が探してきてくれたITコンサルの方に相談しながら、前例のない取り組みを、チームで「こうしたほうがいいのではないか」と議論しながら進めていきました。

そのため、とにかく調べて実行する癖がついたような気がします。もともとWebに関する知識がある程度あったことからプロジェクトにアサインされたのですが、簡単な予約システムの開発を調べながら一から開発したのは、今後に生きる経験になったと感じています。

たとえば、予約後のメール配信設定や時間の締め切りなど、細かな動作設計が必要で、調べてはやってみての繰り返し。他にも、Webサイトの制作やドメイン取得も行うなど、専門家にとっては初歩的な部分ですが、外部にすべてをゆだねるのではなく、社員が自身で開発したノウハウや経験が社内に蓄積されることは今後、競合優位性になると思います。事実、他の自動車学校さんからシステムの横展開を依頼されたこともありました(現在は他社さん向けにシステムの販売はしておりませんが、今後検討していく予定です)。

不変より変化。挑戦したいのは個性を広げる仕事

立ち上げが決まって約3ヶ月後、ついにオンライン学科教習の提供を開始。有難いことに県内の新聞やテレビなどを中心に取り上げていただき、多くの反響をいただきました。

運用して約3か月がたった現在は、大学生など若い世代を中心に、100名以上の方が受講して高い満足度をいただいています。また、リリース当初は1段階の4時間までしかオンラインで受講できなかったのですが、1段階のすべて(10時間)に対応できるようにしました(なるべく早く2段階の対応も進めていきたいと思っています)。

順調に進んできた一方で、もちろん課題もあります。現状は「ライブ配信方式」となっており、オフラインで実際に開催されている教習をオンラインでも配信しています。そのため、教官にとってはこれまでと比べて、予約の確認や当日の本人確認などの作業が増えること。もちろん感染対策にはなるのですが、教官にとってはメリットを感じづらいのが現状です。

その点、オンライン学科教習を展開している自動車学校の中には、「録画配信方式」という形をとっているところもあります。

この方式はリアルタイムで学科を受講するのではなく、事前に収録した動画からオンライン受講を可能にするもの。教員にとっては一度収録した映像を繰り返し使用できるので工数が増えず、お客様にとっても好きなときに学習できるので、さらにメリットを感じることができるでしょう。とはいえ、移行にあたってはリアルタイムの顔認証システムを導入しなければいけないなど、これまでよりもハードルが高い部分も多くあります。代表の永田と相談しながら、導入を検討していけたらと思っています。

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▲オンライン学科立ち上げ模索中の頃のワンショット

私個人としては今後、メインに担当している教習業務の基盤を支えつつ、新規事業にも挑戦したいと考えています。当社には、常に新たな事業に挑戦する文化がある。刺激を受けることが多く、社員としてその勢いについていきたいという想いがあります。

社会人になってから、毎日同じことの繰り返しという単調な日々が続いたことに不安を感じたこともありました。しかし、今回のプロジェクトを経験して、新しいことに挑戦するとワクワクしますし、やりがいを感じられることに気が付いたんです。くまもとKDSは「新しい教習所」の形を目指して今後も新規事業を立ち上げるので、オンライン学科のプロジェクトで得た知見から提案をしたり、何らかの形で協力したりしていきたいです。

読んでいただき、ありがとうございました。当社について、もっと知りたいと思ってくれた方はnoteをぜひフォローください。当社で働きたいと思ってくれた方(時短、リモート、起業準備中の方も歓迎です!)は、こちらの問い合わせからご連絡いただけると嬉しいです。

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