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SES業界の【還元率】の正体

みなさんこんにちは、代表の三坂です。

先日弊社では花見イベントを開催し、満開の桜のもとおいしいお酒とバラエティ豊かな雰囲気を思う存分堪能しました。

少しずつではありますが社員数も伸びてきて、今後もっと大人数になるかと思うととっても楽しみです。
LEGAREAは社内イベントも豊富に行っています。当然社員以外の参加も歓迎です。
次はBBQイベントの予定です。各SNSでその様子はご覧ください。

本日は、SES業界で最も定義が分かれている言葉、【還元率】の正体について迫りたいと思います。

【還元率】とは?

還元率とは、1ヵ月の契約単価に対してそのうちの何%をエンジニアへ還元しますか、というものです。
ただこれが非常に厄介な言葉で、例えば還元率70%とした場合、単価100万円のエンジニアは70万円がもらえる、というわけではないのです。

そんなのウソじゃないか!!という声も聞こえますが、決してだましているわけではありません。
こちらを解読するためには会社にかかる費用の整理をする必要があります。

会社にはどんな費用が発生する?

従業員のみなさんが知らないところで、実は会社という組織は様々な費用を捻出しています。
分かりやすいところで言うと、社会保険ですよね・
従業員も自分の社会保険を負担しますが、正確に言うと会社と折半でかかる費用ですので、もし毎月自分の給与明細から、社会保険料が7万円差し引かれていた場合、会社も約7万円支払いをしているということになります。

その他にも、従業員の交通費や、その他福利厚生にかかる費用等、1人を雇用するだけで、目には見えない様々な費用を捻出する必要があるのです。

これらの費用を込みで還元率と定義する会社が多く、弊社もこの定義にのっとっています。
具体例については下記では触れてみます。

これが【還元率】の正体

では上記を踏まえ、還元率の正体を丸裸にしていきます。

冒頭で、単価100万円のエンジニアは70万円がもらえる、というわけではないというお話をしましたが、それは捻出する費用が多いという話をしました。

具体的に還元率80%の正体を計算式で記載してみようと思います。
還元率70%、単価100万円のエンジニアの場合の1ヵ月の給料はいくらになるでしょうか。

100万円×還元率80%=80万円
この80万円は社会保険及び交通費が込みで80万円になる、ということになります。

つまり、
基本給+社会保険+交通費=80万円ということです。

この場合、
基本給 690,000円+会社負担社会保険 104,372円+交通費5,628円=800,000円(交通費は仮の数値です)
となり、粗利で、1,000,000円-800,000円=200,000円です。

これで還元率が80%、年収で表すと、800,000円×12ヵ月=9,600,000円となります。

諸々込みで【還元率】と表記する会社がほとんどで、稀に異なる会社もありますが、その場合は表現の仕方に注意を払うべきです。

仮に、社会保険や交通費を含まない計算方式で、還元率80%にした場合どうなるでしょうか。

基本給800,000円+会社負担社会保険111,236+交通費5,628円=916,864円となり、
粗利で計算すると、1,000,000円-916,864円=83,136円で、先程の例と比べると約12万円も粗利に差が出てきます。

社会保険や交通費込みで還元をし、でた利益(粗利)からさらに、本社の営業や総務、人事の人件費の捻出、オフィスの家賃代等々を捻出せねばなりません。

社会保険や交通費込みで還元をしなければ会社のキャッシュフローは潤沢にならず、継続して高い還元率を維持できるとはとても言えません。

まとめ

社会保険や交通費を抜きにして還元することもできますが、上記のようにあまりに薄利であり、資金力のない自転車操業の会社が出来上がるだけです。
社会保険や交通費を抜きにした場合の粗利が先程、83,136円でしたが、年間にすると997,632円となりますよね。つまり、もし単価100万円のエンジニアに80%還元をしていて、一回でも待機になった場合は、一年間の粗利が一瞬でなくなるというわけです。

そんなキャッシュフローを組む会社は果たして健全と言えるのでしょうか。
これらの事情を考慮して、各社いい塩梅の還元率を設定しています。情報が弱く浅はかな人ほど、会社が利益をとりすぎた!なんて声をたまに聞きますが、正直還元率は75%程度が天井にはなってくると思います。(社員数にもよりますが)

単に還元率80%、85%に飛びつくのではなく、その会社がどの費用を込みにして話をしているのか、会社がきちんと利益を出す仕組みなっているのか、継続して高還元が実現できそうなのか、これらの視点を忘れずに、会社選びしていただきたいと願うばかりです。

少しでも転職を考えるエンジニアの参考になれば幸いです。
ではまた次回!!


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