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第1回「うつわを愛でる会」は、 好きが広がるイベントだった。

簡単に人に会えなくなってから、2年ちょっとが経った。

それまでは、休日になるとよく友だちと会っていた。ランチのあとにカフェ行って、まだ話し足りなくて別のカフェをはしごして..、と延々におしゃべりする。コーヒーや水をがぶ飲みしすぎて、帰ってから気持ち悪くなって、あぁ眠れない!ということがよくあった。

それでもダラダラとおしゃべりすることは楽しかった。そういうことができなくなってはじめて、あれは無駄な時間のようでいて、自分にとっては心の安らぎだったんだと分かった。

先週の日曜日、そんな時間を久しぶりに体験した。
草々はじめての企画「うつわを愛でる会」。

「うつわ」をキーワードに集まって、好きなおやつを持ち寄って、ただただおしゃべりをする会。とくべつなゴールは決めていなくて、とにかく楽しい時間になればいいなぁという気持ちでやってみた。

結果、ものすごく楽しかった。

13時からはじまって、ちゃんと解散したのは17時頃。時計をみてびっくりした。時空が歪んでしまったのではないか、と疑うくらいあっという間のできごとだった。

当日集まってくれたのは3名。
ツイッターでおなじみのわだたかしさん、奈良大好きのさん、ほぼ日の學校で同期だったりかこさん。合コンみたいな組み合わせで会がはじまった。

最初は、それぞれが持ってきたおやつの話で持ちきり。

生まれも育ちも奈良で奈良が大好き!という泉さんが持ってきてくれたのは、東生駒にある「アルション」というパン屋さんの「アーモンドキャラメルラスク」

ラスクって空気の入り方によって食感が変わるけれど、このラスクはアーモンドの食感も重なってか、たいへんさっくりしていた。みんなのさくさく音とBGMがセッションしていいオープニングを飾ってくれた。さくさく。

次にわだたかしさんのおやつは、「ふまんじゅう」。なんと、地元の和菓子屋さんで朝から並んでゲットしてきてくれたらしい(涙)

私と泉さんは生まれてはじめての「ふまんじゅう」に大興奮。やさしく包まれた、神々しい葉っぱを剥がすところからもう楽しい。

そうしてお目見えした「ふまんじゅう」さまは宝石のように輝いていて、私たちの目も輝いた。

さらにわださんは、ドラえもんのポケットのように次々とおやつを出してきてくれた。大阪阿倍野 嶋屋の「芋けんぴ」はいもの味がしっかりして濃厚だったし、「甘いものばっかりだと疲れてしまうだろう」と菊屋の「味付海苔」も持ってきてくれた。粋なはからいである。

神奈川からきてくれたりかこさんのおやつは、「横浜ロマンスケッチ」に「横濱バターサンド」。もうこのおやつ、見た目からハーバーの風を感じて、海がない奈良県に住んでいる私と泉さんは大興奮(2回目)。

一つひとつ、クッキー生地に横浜の風景が書いてあって、まるで横浜を観光したような気分で満たされた。

ロマンチックなシーンに、泉さんは顔を赤らめていた。


最後に、私からのおやつは、奈良にある和菓子屋さん花仙堂の「水無月」。小豆ずっしりのういろうは、安定のもちもち感。「ふまんじゅう」で使った葉っぱをおふとんにして、楽しんだ。

さらに、広陵町にあるお菓子のi-toさんがつくっている「かきもち」や「カステラ」に「豆大福」も持ってきちゃった。もう、食べきれないですよね。

たくさん持ってきてしまい本当にごめんなさい。

そしていよいよ本題の、「うつわ」お披露目会へ。

泉さんが持ってきてくれたのは、規則正しい輪花がきれいなうつわ。カバンから取り出した瞬間、「わぁ」という声がみんなから漏れた。

百貨店で見つけてひとめ惚れしたのだそう。最近ひとり暮らしをはじめた泉さんは、日常的にこのうつわを使うようになった。メイン料理をよく盛っていて、お茶碗の横に仲良く並んでいるんだって。素敵だなぁ。

わださんは、長崎県の波佐見焼のカップと、神戸のアンテナショップで出会ったという小鉢。

思わず掴みたくなるようなカップの持ち手ラインはちょうどよくって、わださんはいつもこのカップでコーヒーを飲んでいるのだそう。

さらに、「今晩はいいお酒を飲みたいなぁ」というときには、このカップにビールをいれて、小鉢においしいアテを入れて楽しんでいるのだそう。くー、たまらない。


りかこさんは、陶芸教室でつくった手作りの作品(試作)

かわいらしい模様がちりばめられていて、色もおだやかなクリーム色で、楽しげな雰囲気。少しのいびつさと、デザインやサイズ感がちょうどよくて、何かとこのうつわは大活躍。付き合いは10年以上なのだとか。「愛着」という言葉がぴったりなうつわだった。

りかこさんの「り」という名前が入っているのもまた味わい深くって。

最後に、私が持ってきたうつわはマグカップ。東京に住んでいた頃に器MOTOさんで出会ったもので、陶芸家 吉川仁さんの作品。少し小さめのサイズ感と、持ちやすい厚みがドストライクでほぼ毎日使っている。粉引き特有の、色が育っていくところもまた味わい深くて。もうこのカップ手放せない、最高!と軽く唾を飛ばしながら語らせてもらいました。

***

色々な意味でお腹がいっぱいになった「うつわを愛でる会」
帰ってからしみじみと思ったのは、自分の好きなことを話すのも、人が好きなことを聞くのも、本当に楽しいなぁということ。なんというか、「こうしてやろう」みたいな欲はそこには存在していなくて、ただ純粋に「好き」という気持ちが広がって、繋がっていけるから心地よかった。

昔友だちとダラダラおしゃべりしていたのも、実はこういうことだったんだろうなぁ。

集まってくれたみなさん、本当にありがとうございました。また会いましょうね。


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