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ワンプレート・マジック

お腹が空いているとき、いっこくも早く食べたい衝動に駆られる。
早く早く、おいしいもので胃の中を満たしたい…

ただ、食べる前にはかわいいうつわを選んで、盛りつけをきれいにして、インスタ用に写真を撮って…
うふふ。

って、いやいや!
空腹で死にそうな私にそんな優雅な時間はないのだ。

そういうとき、たいてい私は『ワンプレート』に詰め込む。
作り置きしてあるサラダやお漬物類、そこにサッと焼いたお肉や野菜をちょこんと添える。

はい、いただきます。

うん、満足。

私はこれを『ワンプレート・マジック』と呼んでいる。

あれも食べたい、これも食べたい。
盛りつけは一瞬で、洗いものは少なくしたい。
見た目はきれいに、テンションをあげたい。

ワンプレートには、私の叶えたいがすべて入っている。

うつわって小さいものや大きいもの、深いものや浅いものなど色々な種類があって、理想の暮らしはちょっと小洒落たカフェのように食材ごとに選んできれいに盛りつけること。
ただ、なかなかせわしない現代人。(とくに最近の私…!)
時間や心に余裕があるときはやるけれど、これを毎日やるのはなかなかタフな心持ちだと思う。

さらに、追い打ちをかけるように私はけっこうな早食いだ。
どれだけ時間をかけてつくっても、それがおいしければおいしいほど秒で胃の中へ消えてしまう。

そんなとき、信頼できるワンプレートがあればまるっとすべて解決してくれる。

ワンプレートといっても大きくある必要はなくて、長方形の小さいものだっていい。

山梨の陶芸家、砂田政美さんのうつわはほぼ毎日使っている。

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薄くブルーがかった白磁で、和食にぴったりあう。我が家のぬか漬けは必ずこのうつわにおさまっている。

次によく使うのが丸いプレート。何かと使い勝手がよくて、私はパンが多めの朝食によく使っている。これは、石川の陶芸家、岩崎晴彦さんのうつわ。


少し大きめなので食パンもいけるし、マットな質感のブラックが食材を引き立ててくれるので和食にもばっちり合う。

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ときには柄があるものもおすすめ。
盛りつけするのも楽しいし、上から見たときの景色にワクワクが高まる。

私がよく使うものは、奈良の陶芸家、大野素子さんのうつわや、

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最近見つけた福岡の陶芸家、佐藤もも子さんのうつわ。

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凹凸の模様があるものも最高にお気に入り。

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ワンプレート。
選ぶときのポイントは、平べったいこと。
少しでもカーブがかったり、深みがあると滑り落ちて、せっかく味を変えてつくっても残念なことになってしまう。
だから、なるべく平らな形を選ぶようにしている。

さらに大事にしていることは、包容力。
これは、女性が男性を選ぶときと似ていて、自分(がつくる料理)を受け止めてくれそうか?ということ。これはもうフィーリングッドの世界だろうなぁ。出会ったときのときめきと、そこに胸板の厚さを感じたら、心をひらいて家に迎え入れる。

ワンプレートの世界っておもしろくて、たった1枚のうつわでも、そこに盛る食材によって表情が変わる。
1種類の料理を中央にちょこんと置くだけで、高級フレンチのコース料理のような上品さが出るし、色々な種類の食材を盛るとカフェご飯のような華やかさが生まれる。
そう考えると私にとってのワンプレートは、実験場のようなもの。どんな配色で盛り付けるか、どれくらいの量を入れるか、高さはどうするかを少し工夫するだけで化学反応が起きる。うまくいけば、食材もうつわも生き生きとした表情を見せてくれることがあるし、新しい発見が私の感性を刺激してくれる。

魔法のように色々な表情を見せてくれるワンプレートの世界、奥深し。

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