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愛と絶望とキャミソール

原因不明、左の乳首が痛い。新種の性病かな。しばらくエロいことはしてない。性病といえば、淋病クラミジア同時感染のあの娘は元気かなとか少し昔のことを思い出したりする。そんな春の訪れ。

都島に引っ越してきて2年が経った。1年ごとに賃貸の契約更新があるので、本当はこの春にでも引っ越すつもりだったんだけど、今はお金も時間もそこまで余裕とれないので、また来年に延期ということで。

この街の男として3年目に突入。引っ越したいが口癖になっているが、全然この街のことは愛している。いい所いっぱいある。なにより2年も住めばもちろん酸いも甘いも経験して、簡単には離れられないぐらいに思い出に溢れた街になってしまっている。話せば長くなるぜ。

はじまりは21歳になる年の春。学校をなぜか卒業できてしまったぼくは路頭に迷っていた。どうせ留年するのだからと、就活なんてほとんどしていなかったのだ。人生最大の計算ミスである。とりあえず実家は出たいが、引越し業者を雇うお金もなかったので、チャリで荷物を運べる範囲の街から消去法で都島を選んだ(5個前の元カノの親の車を運転して事故って以来、ぼくは車を運転しないと決めている)。決していつでも実家に帰れる距離にある安心感から選んだ訳ではない。男の子だから。用もなく帰ったりせんよ。なんなら用があるときも帰ってないよ。ちっぽけなプライド。

ここまで書いたけどまだ導入の部分というかプロローグというか、この先が本題だから。とりあえずタバコでも吸ってきたら?ずっと画面見てたら目疲れるよ。休憩終わったら涙拭く用のハンカチを用意してこの続き読んで。

消去法で選んだ都島だが、一人暮らしをするということにぼくの中で意味を見出していた。実家時代、家事なんてなにもしたことがなくて、カップラーメンすら作れない男だった。それがいざ蓋を開けてみると、掃除、洗濯、炊事ちゃんとできてしまっている。ポテンシャルの高さに驚いた。

それからぼくと言えば「金」と「女」。最近はこのどちらにも興味がなくなってきているが、2年前はすごかった。入居して2人目に連れ込んだ女の子(1人目は数少ない女友達でベッド組み立ててもらった)とベッド以外の家具まだなにもないなかで、携帯でおもしろくもないウルトラマンの映画見ながら酒飲んだこと、なんか今でも覚えている。3人目は皆さんご存知の情緒不安定極まりないあの黒髪少女。割と長く関わってたのにもう小さい思い出はあんまり思い出せなくて、あっけないぜ。

3人目が消えてから出会った子のことは例外もいるけど基本とてもとても感謝している。顔が可愛いすぎる子、いっしょにいて楽しかった子、吐くまでいっしょに飲んでくれた子、何時間でも隣を歩いてくれた子、いつも心配してくれた子。そういう思い出はなんとなく忘れたくないなと思う。いい時期に出会ってくれて、仲良くしてくれてありがとうという気持ちでだいすき。

お金に関しては本当に苦労したし、死ぬ程苦しんだ経験があるというプライドがある。これに関しては昔書いたことある(同情するなら金をくれ)ので割愛。

序盤で、この街には酸いも甘いもある。と書いたのにここまで「甘い」しか書けてないので「酸い」に関しても書いていく。

実はこの2年間、ぐっすり眠れた夜は両手で数えれるぐらいしかない。ずっとひとりなせいかと思って何回か同棲してみたりとかしたけど、やっぱりしんどくて、ずっと心の中に黒いモヤモヤがあって、はっきりと分からないけど不安、寂しさ、悲しさ、怒り、焦り、劣等感みたいなマイナスな感情が集まったものが常に爆発寸前な状態でぼくを支配している気がする(なんか厨二病みたいな言い方なっちゃった)。ちなみにそれをぼくは「ブラック優介」と呼んでいる。ちょっとでもポップな言い方にしないとおかしくなってしまいそうで。そんなものは大人なら誰でも経験あるだろうという意見は受け付けていない。ぼくの場合、ブラック優介が強すぎるのに対して、ホワイト優介があまりにも弱いのだ。

眠れないだけならまだよかったかもしれないが、ピーク時は悲惨だった。今でこそまともに生活できているが、元々はこの部屋に照明は無かった。だから昼以外はずっと真っ暗。テレビも無かったし、WiFiも壊れてた。ちょうどその時期、いちばんお金がなかったので、何も食べない。貧乏だから工夫して食費を節約しようとかじゃなくて、そもそも何も食べない。勝手に涙がでてくる。涙がとまらなくて、気づいたら声を上げて泣いている。20歳こえた男が。間違いなくあのとき、この街でいちばん情けない男はぼくだった。携帯とかも触りたくなくて、なんなら数日間ずっと電源オフにしたりとかもしてみた。外に出るのが怖くて、ずっとベッドの上で、Amazonでいちばん安く売ってたペラペラの毛布にくるまって、寝て起きて泣いての繰り返し。ほんとになにもしたくなかった。なにも。なにも。全てが嫌だった。死にたいって軽々しく発言する人に違和感を感じるタイプなんだけど、ぼくはあのとき本当に死にたかった。というか何回か死のうとした。生きのばしてしまっている。

ぼくの性格的にブラック優介が強くでているときは、誰とも関わりなくて、そういうマイナスな雰囲気って伝染すると思ってるから。っていうのは建前で、どれだけ親しい間柄でも、自分の弱い部分は見せたくないから。だったらなんでこんなnote書いて発表するんだって言われるとたしかに。でも画面越しだからなんとも思わないのかもしれない。実際に会ったらなにも辛いことなんてなかったみたいな顔するよ。男の子だから。

暗い話を長々としてしまったけど、今はピーク時と比べるとだいぶ元気になっている。衣食住に恵まれている。衣、食に関してはかなり贅沢してしまっている。贅沢しても大丈夫な環境にある。住は相変わらず安い部屋だけど。

昔みたいに誰かを傷つけて大金を稼ぐのではなく、額は落ちても綺麗に稼げるようになった。社会人としてこの成長はあまりにも大きい。

休みの日には何時間も散歩したりするし、テレビを見て、SNSを見て、音楽を聴いて、飲酒して、喫煙して、それが楽しいと思える感覚を取り戻した。たまにブラック優介がでてきてもホワイト優介が戦ってくれる。全然ブラックが勝つけど。ホワイトもおるよって存在示してくれるから。すきなロックスターの言葉を借りると、「やわらかい地獄」って感じ。そう、まさにそんな感じ。

やわらかい地獄って、もう天国にも似てるから
ぽあだむ/銀杏BOYZ

こんなこと書いたけど最低でもあと1年はここにいるから。その後は新しい街で新しい仕事したいな。大声援が聞こえる。ぼくからは以上です。ありがとうございました。




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